ワインを表現する言葉とポイント
ワインの味は甘味や酸味、渋みなど様々な要素が重なって作りだされます。また、それを表現する言葉は非常に豊富。しかしこれらは初心者がつまずきがちなポイントでもあります。ではどのようにすればワインの味を表現することができるのでしょうか。今回はワインを表現する言葉とポイントについてご紹介します。
- 目次
- 1. ワインテイスティングのアタックとは?
- 1-1. 一口含んだ時に感じる第一印象
- 1-2. 強い・弱いで表現されることが多い
- 1-3. イメージをつくる一要因
- 2. ワインの味を表現する味わいの要素
- 2-1. 甘み(果実味)
- 2-2. 酸味
- 2-3. 渋み
- 2-4. ボディ(コク・重み)
- 2-5. フレーバー(果実味など)
- 2-6. 余韻(持続性)
- 3. 表現のポイント
- 3-1. ワインの外観
- 3-2. 香り
- 3-3. 味わい
- 3-4. 余韻
- 3-5. バランス、総合評価
- 4. テイスティング用語と意味
- 4-1. 青い、グリーン
- 4-2. グリップ
- 4-3. 温かい
- 4-4. アーモンド
- 4-5. 粗い、ざらざらする
- 4-6. がっしりした
- 5. まとめ
01ワインテイスティングのアタックとは?
1-1一口含んだ時に感じる第一印象
ワインテイスティングにおける「アタック」とは、簡単に言えば第一印象のこと。グラスからワインを一口含んだとき、舌に感じる味や鼻に感じる香りがアタックと呼ばれるものです。
1-2強い・弱いで表現されることが多い
ワインのアタックは強い、弱いで表現されることが多いようです。この場合の強弱とは、刺激の強さというよりも、印象に残るかどうかということ。たとえば「さわやかなアタック」といった場合、第一印象に感じるものがさわやかさだということになります。
これ以外にも、アタックは心地よいアタック、豊かなアタックといった形で使用されます。
1-3イメージをつくる一要因
人間にとって第一印象は非常に重要です。最初の印象がよい場合、その後もその印象が続き、逆に印象が悪い場合には、特に理由がなくても、悪い印象を持ち続けてしまいがち。
ワインでもそれと同じことが起こります。
たとえば最初のアタックにさわやかさを感じた場合、そのワインにはさわやかというイメージが持たれます。
そのため、アタックはワインのイメージを作るひとつの要因となっています。
02ワインの味を表現する味わいの要素
2-1甘み(果実味)
ワインの味わいの中で、もっともわかりやすいのが甘味です。甘味は果実味とも呼ばれ、ワインの味を表現するときには、まずは「甘い」か「辛い」かという基準で行われます。
この甘口、辛口の中にも種類があり、極辛口、中辛口(やや辛口)、中甘口(やや甘口)、甘口、極甘口といった形で分類されます。
なお、この甘味による表現は白ワインを中心に行われます。
2-2酸味
酸味もワインの味を決める大きな要素です。ワインの酸味は発酵によって生まれるもので、酸味の強いワインは「酸が高い」と呼ばれます。
また、酸味については、「さわやかな酸味」「おだやかな酸味」といった形で形容詞が付けられるケースが多いようです。
2-3渋み
渋みは赤ワインを表すときに良く用いられる表現です。この渋みの中心となるのがタンニンです。
渋みを表現するときに重視されるのが「質」。「滑らかな」「シルクのような」「ビロードのような」といった表現が行われる渋みが上質なワインの証です。
2-4ボディ(コク・重み)
赤ワインを表現するときに重視されるのが「ボディ」です。ボディとは「コク」「重み」と表現されることもあり、アルコール度数や有機酸、糖分のバランスなどによって変化します。
このコクや重みが強ければ「フルボディ」、逆に軽い場合には「ライトボディ」と呼ばれ、その中間のものは「ミディアムボディ」と呼ばれます。
2-5フレーバー(果実味など)
フレーバーはワインを飲んだ時に感じる香りのことで、風味や香味とも表現されることがあります。
フレーバーには様々なものがありますが、代表的なものが「果実味」。果実味は、どのような香りがするかということを表現しています。
2-6余韻(持続性)
ワインを表現するときには「余韻」も重要です。ワインを飲みこんだ後に、口や鼻にどの程度ワインの味や香りが残るのかということが余韻として表現されます。一般的に、余韻が長いワインほど良いワインとされています。
03表現のポイント
3-1ワインの外観
まずワインは外観によって表現されます。赤ワインの場合、「あざやかなルビー」「ガーネット」「レンガ色」といった言葉が用いられます。白ワインの場合には「透明感のあるイエロー」「レモンイエロー」「濃い黄色」といったように、黄色の濃淡で表現が行われます。
そのほか、発泡性のワインの場合、発泡の具合が表現されます。
3-2香り
ワインを表現する言葉でもっとも豊かなのが香りに関するものです。この香りについての言葉には様々なものがあり、果物や草花、香辛料などが用いられます。たとえば白ワインであれば「フレッシュなリンゴの香り」「豊かなバニラの香り」といった、香りの特徴をとらえた言葉が使われます。
一方の赤ワインの場合、イチゴやラズベリー、バラといった一般的なものの他にも「松やに」「タール」「濡れた子犬」など、個性的な言葉が使われることがあります。
3-3味わい
ワインの味わいはどれほどフルーティーかといったことがポイントになります。良く使われるのが、白ワインではグレープフルーツ、レモン、洋ナシ、パイナップルなど。赤ワインでは、ラズベリー、カシス、ブラックベリーなどがあります。
3-4余韻
余韻の表現はどれほどワインの味や香りが残るかを秒数で行うこともあります。
短めの場合、三秒から四秒、逆に長めの場合には九秒以上となります。
3-5バランス、総合評価
ワインの味わいはこれらの風味や香りに加えて、産地や品種を加えた総合評価で行われます。このとき、甘味や酸味など、どの味わいの成分を強く感じるか、どのように感じるかといったことが表現のポイントになります。
04テイスティング用語と意味
4-1青い、グリーン
これらの言葉は、酸味が強い場合に使用されます。その他にも、「未熟な」「若い」「生の」といった言葉が酸味を表現する言葉です。
4-2グリップ
グリップは、ワインを構成する要素がきっちり組わせられている、バランスがよくそれぞれの要素が印象的に感じられるという場合に使われます。他にも「握力がある」という言い方もされます。
4-3温かい
ワインの表現で「温かい」という場合は、温度ではなく、口上がりの滑らかさや柔らかさを指しています。この表現は暖かいローヌ地方で作られるワインを表現するときに用いられます。
4-4アーモンド
ワインの風味に関して「アーモンド」が使われるときは、肯定的というよりも否定的な場合が多いようです。不自然な化学的な操作が行われた場合、アーモンドのような苦味やくさみが出ることがあり、その場合に用いられます。
4-5粗い、ざらざらする
これらの言葉は渋みを表現するときに使われます。舌ざわりやのど越しが悪い、渋みだけが強く感じられる場合、これらの表現が用いられます。また「粗い硬さ」といった場合には、未熟でなじんでいないといったことを意味します。
4-6がっしりした
この表現はワインのボディに関する表現です。しっかりした味わいやコクが強いことを表現するときにこの言葉が使われます。
05まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
1999年 当時日本で最年少で社団法人日本ソムリエ協会ソムリエ資格を取得。
2002年 C.I.V.C日本シャンパーニュ委員会デュプロム取得 No.235
2005年 札幌大通り公園で毎年5月に開催されるさっぽろライラック祭り内で、7丁目に北海道のワインと食のイベント「ワインガーデン」を自らプロデュースし立ち上げる。
(総合プロデュースは2005年〜2009年)
2011年FBO唎酒師呼称資格認定
2012年 社団法人日本ソムリエ協会シニアソムリエ資格取得
2015年 シャンパーニュ騎士団ショバリエ叙任
(フランス、ルイ14世時代から続く歴史的、由緒正しき伝統ある騎士団)
2016年 フランスシャンパーニュ地方「ニコラフィアット社」公式アンバサダー任命 (世界初のニコラフィアットアンバサダーに任命)※15年連続フランス国内生産量No.1
2017年豆腐マイスター、おから味噌インストラクターライセンス取得
2018年 シャンパーニュ騎士団オフィシエ叙任
2019年から現在、料理屋botanの専属シニアソムリエール
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