自宅で犬の散髪は出来る?トリミングの基本情報と自宅カットの方法について
ペットの毛が伸びてきて気になるというとき、カットしてあげたほうがよいのかどうか迷うことも少なくありません。そもそもペットには散髪は必要なのでしょうか。また、散髪してあげる場合にはどうすればよいのでしょうか。今回は犬の散髪についての基本的な情報や自宅でカットする方法などについてご紹介します。
- 目次
01犬の散髪って必要?
1-1犬種によっては散髪が必要
犬は種類によって毛の長さや毛質はまちまち。実は散髪が必要かどうかは、この犬種によって異なります。
犬は毛の種類によって、「シングルコート」と「ダブルコート」の二種類に分けることができます。
人間の場合、ひとつの毛穴から生える毛は1本から3本と言われていますが、犬の場合には約7本から15本と、人間よりもはるかに多い毛におおわれています。
さらに犬の種類によっては毛の構造も異なります。「シングルコート」は一種類の毛におおわれていて、この毛は一年を通じて伸び続けていきます。といっても、ずっと伸び続けるわけではなく、ある程度成長した毛は人間と同様に抜け変わっていきます。
一方の「ダブルコート」の犬は、オーバーコートとアンダーコートの二種類の毛を持っています。
オーバーコートはしっかりした太い毛で皮膚を保護する役割があり、アンダーコートは柔らかい毛で保温や保湿の役割を持っています。温度調整を果たすアンダーコートは、季節によっては身体を温めたり冷やしたりすることが必要。
そのため、アンダーコートは春と秋にまとめて抜け変わり、夏の暑さや冬の寒さに対応します。
散髪が必要なのは、シングルコートの犬種。ダブルコートの犬種の場合、季節によってまとめて抜け変わるため、それほど散髪の必要はありませんが、シングルコートの場合、まとめて毛が抜け変わることがないため、ある程度の長さになったら、散髪をしてあげる必要があります。
なお、シングルコートの犬種はプードルやヨークシャーテリア、マルチーズなど。ダブルコートの犬種はダックスフント、チワワ、ポメラニアン、ゴールデンレトリバーなどです。
1-2犬の散髪をした方が良い理由
犬の散髪は見た目をキレイにするためだけに行うものではありません。実は犬の毛を散髪するには様々な理由があります。
まず理由のひとつは、犬の皮膚を衛生的な状態に保つこと。
犬の毛は体温や湿度を守る必要がありますが、あまりに毛が長くなりすぎた場合、毛同士が絡み合って換気が悪くなってしまいます。そうすると、皮膚の周りに雑菌が繁殖しやくなり、皮膚病や感染症を引き起こすことに。
さらに、ダニやノミなども増えてしまいます。
また犬の散髪には熱中症を防止する目的もあります。犬は人間よりも地面に近い場所で生活しているため、反射する熱の影響を受けやすいもの。毛におおわれている犬はどうしても体温が高くなり、熱中症になりやすくなります。そこで散髪によって毛を減らしたり、皮膚を露出したりすることで、体温を下げて熱中症を防止する必要があります。
さらに散髪は、ケガの防止にも役立ちます。
あまり知られていませんが、犬の毛は足の裏にある肉球の裏からも伸びています。肉球は滑り止めの役割を果たしていますが、足の裏の毛や、足の周りの毛が伸びてしまうと肉球の上にかかるため、肉球が滑り止めの役割を果たせなくなってしまいます。
そうすると常に足が滑っている状態になり、犬の足や関節には大きな負担がかかるもの。それが続くと、大きなケガの原因にもつながります。
犬の散髪は、ケガを防ぐという目的もあるのです。
02犬の散髪ってどこでやる?
まずひとつがペットサロンでの散髪。犬の性格によっては散髪を嫌がることもありますが、犬のプロであるサロンなら、犬にケガをさせる心配もありません。
もうひとつの方法が自宅でのカット。犬の散髪には専門的な技術が必要ですが、なかなか何度もサロンに連れて行けない、毛が伸びる速度が速いという場合、自宅でのカットが便利です。
もちろん本格的な全身の散髪は難しいかもしれませんが、部分的なカットなら初心者でも簡単に行うことができます。
03犬の散髪(カット)を自宅でやる方法
3-1事前に用意するもの
自宅でカットを行う場合に必要なのは、ハサミやバリカンといった毛を刈るための道具と、ブラシやコームなどの毛の流れを整えるものです。
ハサミにはカット用やすきばさみ、細かい部分をカットするミニバサミなどがあります。
もしペットが長毛の場合には、毛をすっきりさせるためのすきばさみはあったほうがよいでしょう。
逆に顔の周りなどをカットするには専門的な技術が必要。カットしているときに犬が暴れると犬にも人間にも危険です。そのため、自宅で行うよりもプロに任せたほうがよく、最初は細かい部分用のミニバサミは必ずしも揃える必要はありません。
また、カットするためのハサミは、家庭用の物を使うと切れ味が悪く、上手にカットすることができません。
ハサミはこれから何年も使うことになるものなので、良いものを買い求めるのがおすすめです。
部分的なカットだけでなく、全身の毛を整えたいという場合、持っていると便利なのがバリカンです。バリカンなら、比較的簡単に全身の毛を整えることができます。バリカンには足の裏用のミニバリカンなどもあるので、持っておくと便利です。
ブラシにはソフトタイプのものやハードタイプのものがありますが、慣れないうちはソフトタイプがおすすめ。ハードタイプのブラシは、毛玉を除去するために便利ですが、ブラシの毛が固いため、犬の皮膚を傷つけてしまうこともあります。
3-2事前にすべきこと
本格的なカットに入る前には、ブラッシングを行いましょう。ブラッシングには絡まった毛をほぐして毛の方向を整えてカットしやすくするという目的だけでなく、ペットをリラックスさせるという効果もあります。
ブラッシングを行うときには、力を入れすぎないように注意。長毛種の場合、毛が絡まっているときにはついつい無理やりブラシを通そうとして力が入ってしまいますが、毛を引っ張ってしまうと、皮膚が痛んだり抜け毛が起きたりしてしまいます。
もし毛が絡まったときでも、毛先から何度かに分けてブラッシングを行いましょう。
短毛種の場合、皮膚にダメージを与えないブラシを使って優しく根本からブラシをかけてあげましょう。
もしブラシを嫌がる場合には、優しく声を掛けながら身体をなでてあげましょう。身体に触れることに慣れると、ブラッシングを喜んでくれるようになります。
3-3カットのコツ
慣れないときには緊張してしまうものですが、犬のカットを行うときにはいくつかのコツがあります。
まず基本となるのが足裏の毛のカットです。
足裏の毛をカットする場合には、まず犬の身体を安定させること。足の裏は犬にとっては急所のひとつなので、いきなり足をつかまず、まずは身体を抱っこして安定させてあげましょう。
カットするときは、指を広げながらゆっくりと行うのがよいでしょう。ハサミを使う方法もありますが、バリカンを使うと便利です。
耳の毛をカットするときには、まずどこまでが耳でどこまでが毛なのかを指で触れて確認しましょう。
また、耳を始め顔の近くをカットするときには、ハサミの切先を犬に向けないように注意。
犬が恐怖を感じて暴れると、人間も犬も大けがをする原因となります。そのため、最初に耳や顔の毛をカットするときは、少しずつ慎重に行い、あまり短くなりすぎないように注意するとよいでしょう。
3-4カットの後にすべきこと
カットをした後はシャンプーが欠かせませんが、そのときもいきなり浴室に行ってシャワーを浴びせると犬は大きなストレスを感じてしまいます。まずは少しずつシャワーと浴室に慣れていきましょう。
小型犬の場合には、ペット用のバスタブを使うと犬が歩き回ることもなくなって便利です。
また、大型犬の場合には滑り止めのタオルなどを敷いておきましょう。
無事にシャワーが終わったあとは、タオルとドライヤーで身体を乾かしてあげましょう。このとき、ドライヤーをいきなりかけると音に驚いてしまうこともあります。こちらもシャワーと同じように、少しずつ慣らしていきましょう。
04犬の散髪についての注意点
4-1カット時の注意点
犬にとって散髪や健康や衛生的な環境を守るためには非常に重要ですが、もし犬が嫌がった場合、無理に行うのは避けたほうがよいでしょう。
特に顔の周りのカットは、犬にとっても心理的な負担が大きいもの。もし犬が嫌がる場合、無理に押さえつけるようなことはせず、サロンの専門家などにお願いしましょう。サロンでのカットの場合、犬の習性などを利用するため、時間も最低限に抑えて、犬のストレスを防ぐことができます。
4-2散髪の頻度の注意点
犬の散髪の頻度は、一か月に一度程度を目安にしましょう。飼い主さんの中には、かわいいからと何度もペットを散髪に連れて行く人もいますが、犬にとっては身体の周囲の温度が変わるため、健康を損なうこともあります。
また、ダブルコートの犬種でも散髪を行うことがありますが、もし毛をカットした場合、元のように毛が伸びるまでかなり時間がかかることもあります。毛が伸びるまでの間は毛がぼさぼさになり目立ってしまうこともあるため、ダブルコートの犬種を散髪した場合、その後も毛が伸びるまで、定期的に散髪して毛を整えてあげることが必要になります。
05まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
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