猫にもトリミングはするべき?猫のトリミングの必要性や方法について
一口にトリミングといっても、犬と猫では必要性や方法が大きく異なります。また、自宅でトリミングを行う場合にもちょっとした工夫が必要。今回は猫のトリミングについてご紹介します。
- 目次
01猫のトリミングとは
正確にはトリミングは毛をカットすること、グルーミングは毛のカットを含めた身体全体のお手入れを指す言葉ですが、日本でトリミングといった場合には、グルーミング全体のことを表しています。
02猫のトリミングの必要性
2-1猫は自分でお手入れできる
猫のトリミングには、カットやシャンプー、爪切り、ブラッシングなども含まれていますが、実は猫はカット以外の身づくろいならほとんどを自分で行うことができます。
たとえば、毛づくろい。猫が身体を舐めて毛づくろいをしているのはお馴染みの風景ですが、猫の唾液には殺菌効果があり、自分の身体を自分で舐めることには、シャンプーを行うのと同じ意味があります。
また、猫の習性には爪とぎがありますが、これも爪を適切な長さに整えるため。もし長すぎる場合には、爪とぎ以外にも爪を噛んで調整することもあります。
2-2猫にトリミングを行う意味
このように猫は自分の身体の状態は自分で整えることができる生き物。しかし、それはあくまでも最低限。猫が自分で行う毛づくろいにはどうしても限度があります。
たとえば、舌が届かない場所はどうしても汚れやすいもの。泥よごれなどが固まってしまった場合、舐めるだけでは汚れを落とすことができず、そこから皮膚病などになってしまうこともあります。さらに有毒な汚れの場合、それが猫の口に入ってしまう危険も。
そのため、猫が安全で快適に過ごすためには、人間が定期的にトリミングを行ってあげることが必要になります。
2-3猫のトリミングと品種
猫のトリミングは、猫の品種によって異なります。
たとえばアメリカンショートヘアやアビシニアンといった毛が短い短毛種の場合、ブラッシングやコーミングを行うだけで抜け毛をとって毛並みをすっきりさせることができます。
逆にメインクーンやペルシャなどの長毛種はブラシやコームをかけてもどうしても取り切れない抜け毛が出て来るもの。
もし抜けた毛が絡んだままになっていると、毛の中に湿度が溜まったままになり、雑菌が繁殖、不衛生で皮膚病になってしまいます。
また、毛がからまって毛玉になってしまうと、素人では対処しきれないため、プロにカットしてもらう必要があります。
03自宅でのトリミング方法
3-1ブラッシング
ブラッシングは猫のトリミングの基本。猫の健康を保つためにはできるだけこまめに行うことがおすすめです。目安としては、短毛種の場合には一日一回、長毛種の場合には一日二回程度行うのがよいでしょう。
ブラッシングを行うときは、頭の後ろからスタート。背中から尻尾までブラシをかけたら、次は仰向けにしてお腹のブラッシングを行います。
ブラッシングのコツはできるだけ手早く行うこと。あまり時間をかけると猫が嫌がって逃げようとすることがあります。その場合は、無理に押さえつけたりせず、ブラッシングを中断しましょう。
無理やりブラッシングをすると、次からブラッシングを行うことができなくなります。その場合には、何度かに分けてブラッシングを行う方法もおすすめです。
3-2シャンプー
シャンプーは猫の衛生を保つために必要ですが、覚えておかなければならないのが猫は水を嫌う生き物だということ。子どもの頃からシャンプーをしていると水に抵抗を持たないこともありますが、嫌がる場合、無理にシャンプーをするのは避けたほうがよいでしょう。
シャンプーを行うときには、水を使う前にまずブラッシングで大まかな汚れを落とします。その後、ぬるめのお湯で身体を濡らしますが、このとき頭は濡らさないこと。
猫によってはシャワーの音を嫌がることがあるので、その場合にはまずシャワーの音に慣らしてからシャンプーを行いましょう。
どうしても猫がシャンプーをさせてくれないという場合には、ドライ用のシャンプーを使うのもよいでしょう。
3-3爪切り
猫は自分でも爪のお手入れができる生き物ですが、もし爪が伸びすぎてしまった場合には、飼い主さんが爪切りをしてあげる必要があります。
爪切りを行うときには、猫を膝に乗せて後ろから猫を抱えて、足を持って爪を出して透明な部分をカットします。
無理に全部の爪を切ろうとせず、先端の尖った部分だけでも十分です。
3-4耳掃除
耳掃除は専用の耳掃除シートなどを使用するとスムーズです。耳掃除も爪切りと同じように、無理して全部をキレイにしようとせず、できる範囲で行いましょう。
耳が折れている品種の場合、汚れがたまりやすいので、こまめに耳の様子を見てあげましょう。
3-5歯磨き
意外に重要なのが猫の歯磨きです。放置すると虫歯になってしまうため、週に一度は行いましょう。
歯ブラシを口に入れると嫌がる猫も少なくないため、まずは口に触ることから慣れさせていきましょう。また、味付きのペーストを使うと比較的猫が嫌がらず、歯ブラシを入れさせてくれることもあります。
3-6カット
長毛の品種や毛が厚い猫の場合、毛玉になりやすく、こまめにカットしてあげる必要があります。
カットを行うときには、ハサミでも構いませんが、便利なのがバリカン。ハサミの場合、猫が暴れて傷をつけてしまうこともありますが、バリカンの場合は比較的安全にカットすることができます。
顔や手足などは嫌がることが多いので、家庭でカットするときには、背中やわき腹、お腹だけをカットするのが無難です。
もし毛玉が絡んでいる場合には、無理になんとかしようとせず、専門家にお願いしましょう。
3-7肛門腺しぼり
猫の健康を保つためには肛門腺しぼりも欠かせません。といっても、すべての猫に行う必要はありません。必要なのは肛門腺にトラブルや異常がある場合。
肛門腺しぼりは肛門を持ち上げるようにして搾り出しますが、非常に臭いが強いため、手につかないように気を付けましょう。
04自宅以外でトリミングをしてもらうには
ただし、猫にとって環境の変化や知らない人は大きなストレスの原因になるもの。サロンなどに連れて行く場合には、飼い主が立ち合いできるかどうかチェックすることが必要です。
05猫のトリミング費用の目安
専門家にトリミングをお願いするとき、気になるのが費用です。
一般的に、シャンプーのみの場合には4000円~8000円が相場。爪切り、耳掃除、肛門絞り、足裏カットなどのケアはオプションメニューに加えられていることが多いため、必要なものをお願いするとよいでしょう。
なお、猫の品種や身体のサイズによって価格は上下します。長毛種の場合、カットする毛が多くなるため、やや価格が高くなる傾向にあります。
06まとめ
猫は自分で自分のケアができますが、健康を保つためには飼い主さんの助けが必要。こまめにチェックすることで、プロの手を借りずに猫を快適に過ごさせてあげることができますよ。
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なかむらあや 先生
トリミングサロンわんすりーる運営
1991年生まれ。茨城県出身。大手チェーン店舗から個人店舗まで様々なサロンで働き経験を積み、出張トリミングで独立。独立後半年で予約が取れなくなるほどの大人気トリマーに。2020年には東京都板橋区に「トリミングサロンわんすりーる」をオープン。
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なお、猫の品種や身体のサイズによって価格は上下します。長毛種の場合、カットする毛が多くなるため、やや価格が高くなる傾向にあります。
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