意外に知らない?タイ古式マッサージの特徴とは
身体の疲れをケアしたい人にとって、リラクゼーションは非常に重要。鍼灸や整体、ヨガなど、様々なリラクゼーションがある中でも特に人気が高いのがタイ古式マッサージです。タイ古式マッサージは古い歴史を持つもので、身体のケアには最適だと言われています。今回はタイ古式マッサージの歴史や特徴についてご紹介します。
- 目次
01タイ古式マッサージとは
1-1タイの伝統医学の一つ
タイ古式マッサージは、タイに伝わる伝統医学の一種です。世界の国々には、その場所ならではの特徴を活かした伝統医学がありますが、タイ古式マッサージもそのひとつで、中国に近く、仏教が伝来した通り道であるタイという土地柄を活かして、指圧やツボ押しと仏教の教えを融合した癒しのテクニックと言える存在です。
1-2ふたりヨガとも言われる
タイ古式マッサージは別名「ふたりヨガ」と呼ばれいます。ヨガはインドに伝わる心身を鍛えるための方法のひとつで、呼吸を整えて独特のポーズで瞑想を行うものですが、タイ古式マッサージでは施術を行う側と受ける側が呼吸を合わせて独特のポーズを取って行います。このとき、相手に身体をゆだねることで、自分の心身に対して意識が向き、肉体的な部分だけでなく精神的な面でのリラクゼーション効果も期待できます。
1-3「世界で一番気持ちいいマッサージ」とも言われる
タイ古式マッサージといえば、「関節をぼきぼき鳴らす」「無理に引っ張る」など、痛いイメージがありますが、実はそれは大きな間違いです。タイ古式マッサージは、決して身体に無理な力を書けることなく、ソフトなリズムと力で筋肉にアプローチを行うため、痛みを感じることはほとんどありません。実際にタイ古式マッサージを行うと、施術中に眠ってしまうことも珍しくないほど。また、タイ古式マッサージを行うと、精神的にもリラックスできることから、「世界で一番気持ちいいマッサージ」とも呼ばれています。
02タイ古式マッサージの起源
2-1ブッタの主治医だったシヴァカ師が開祖
タイ古式マッサージの開祖は、ブッダの主治医であったシヴァカ・ゴーマラバット師であると言われています。そのためタイ古式マッサージの成立と仏教には非常に深いかかわりがあります。
もともと、マッサージは五千年以上の伝統を持った手技で、最初にマッサージが誕生したのは古代中国。その後、世界各地の文化で独自のマッサージ技術が発展していきました。
その中でも重要な存在が、紀元前1800年前後のインド。当時のインドでは、病気から身体を防ぐだけでなく、身体がもともと持っている生きる力を引き出すアーユルヴェーダや仏教の理論を活かした仏教医学が発展していました。
そのアーユルヴェーダや仏教医学は、約2500年前にインドからタイに伝わります。それがタイの医学と一体化して、タイ古式マッサージとなっていきました。
そのため、タイ古式マッサージと仏教は密接な関係にあり、西洋医学が伝わるまでは、仏教の教えを学ぶ場所である「ワット」では、仏教だけでなくマッサージを学ぶこともあり、僧侶は人々にマッサージによる治療を行っていました。
03タイ古式マッサージの特徴
3-1頭の先からつま先までマッサージをおこなう
タイ古式マッサージと他のマッサージの大きな違いは、マッサージの行う場所にあります。他のマッサージの場合、腰が痛ければ腰、肩が凝っていれば肩など、不調を感じる場所だけに施術をすることも珍しくありませんが、タイ古式マッサージの場合、頭の先からつま先まで、全身くまなくマッサージを行います。これは、タイ古式マッサージでは、全身の筋肉や関節は独立して存在するのではなく、それぞれに密接なつながりがあると考えるから。もし肩や腰のトラブルであっても、肩や腰だけでなく、身体のそのほかの場所にも原因があるかもしれないため、タイ古式マッサージでは施術を行うとき、全身に対してアプローチを行います。
3-2「セン」を刺激して行う
タイ古式マッサージでは、施術を行うときには指や手のひらだけでなく、ひじやひざ、足など身体の様々な場所を使って身体中の筋肉を刺激していきますが、その際に重要となるのが「セン」と呼ばれるものです。「セン」は、いわば人間の身体の中にあるエネルギーの通り道。この通り道がスムーズに流れているときには人間の身体は健康な状態を保つことができます。しかし、それが滞ると、人間は正常な状態を保つことができなくなります。そのため、「セン」を刺激して滞ったエネルギーを流すことがタイ古式マッサージでは、重要になります。
3-3ストレッチを行いながら身体をほぐす
一般的なマッサージの場合、施術にはツボを押すことがメインになりますが、タイ古式マッサージでは、そこにストレッチが取り入れられます。すでに説明したように、タイ古式マッサージでは「セン」の流れが重要になります。ツボを押すだけでなく、ストレッチを組み入れることは、全身の筋肉を活性化して人工的にポンプのような作用を持たせて「セン」の流れをスムーズにすることに役立ちます。
このとき、タイ古式マッサージではスポーツ前に行うストレッチではなく、ヨガのポーズに似た体勢を取るなど、様々なテクニックが用いられます。
04他のマッサージとの違い
4-1揉み返しが起こりにくい
通常のマッサージでは、筋肉の中で血液やリンパ液などが滞ったり、炎症を起こしてしまった部分に対してアプローチを行うのが一般的。しかし、一か所を重点的にほぐした場合、ほぐれた筋肉が元の状態に戻ろうとしてマッサージの後に痛みやだるさなどを感じることがあります。しかしタイ古式マッサージでは固くなっている部分だけでなく、全身の筋肉をしっかりとストレッチする施術なので、痛みがないだけでなく揉み返しも起きにくいという特徴があります。
4-2セラピスト本人の体にも効果がある
タイ古式マッサージの大きな特徴のひとつに、施術を受ける方だけでなく、施術を行うセラピスト本人の身体にも効果があるということが挙げられます。すでに述べたように、タイ古式マッサージは「ふたりヨガ」という別名を持っています。これは施術を受ける側がヨガのポーズを行うのではなく、セラピストもそれをサポートするため同様のポーズを取るという意味。一般的なマッサージでは、セラピストは一方的に力を加えるだけなので、どうしても身体に負担が起こりやすく、施術によって身体を傷めたり、疲れを溜めやすくなったりという影響が起こります。
しかしタイ古式マッサージでは、セラピスト自身の身体もストレッチを行うため、施術を行うことでセラピスト本人にもプラスの影響を与えることにつながります。
05まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
サロンを営みながら、体得した技術と知識を日本で伝えたいと思いスクールを始め、セラピスト育成にも努める。
タイ古式マッサージ・バリニーズ・筋膜ストレッチが専門分野。