野菜を育てて節約を!水耕栽培にかかる費用と食費の節約方法について
室内で簡単に野菜を栽培できる水耕栽培は土を使わないため、農作業が初心者の方でも安心できる方法です。もしかすると、家庭で野菜を作って食費を節約する目的で始めたいと思っている方も多いかもしれません。それでは実際に水耕栽培ではどの程度の費用がかかるのでしょうか。今回は水耕栽培にかかる費用と食費の節約方法についてご紹介します。
- 目次
01個人で楽しむ水耕栽培の初期費用
1-1一般的な家庭菜園
家庭菜園といえば、大きくレンタル農園など農地を借りる方法とお庭やベランダで行う方法とのふたつに分けることができます。
もし農園を借りる場合、当然賃料が必要になり、規模や面積などが大きくなればなるほど、その費用も大きくなります。また、意外に見逃されがちですが、農園までの交通費も必要です。特に野菜などの栽培を行う場合、肥料や道具などの重いものを運搬する必要があるため車を使うことになりますが、そのガソリン代も必要になります。
一方、お庭の土を使ったり、ベランダでプランター栽培を行ったりという場合、レンタル農園に比べると初期費用はぐっとリーズナブルになります。
といっても、プランターや土、肥料、スコップ、苗や種などが必要になるため、まったくゼロ円で始めるというわけにはいきません。
1-2水耕栽培の初期費用
それでは、水耕栽培の場合、初期費用はどのようになるのでしょうか。
水耕栽培を始めるためにはいくつかの方法があります。
初期費用を押さえたい場合におすすめなのが、家庭にある空き容器を利用した再生栽培。再生栽培とは、普段は捨ててしまう野菜のヘタや根っこなどを使用した水耕栽培。もともと捨ててしまう部分を再利用するため、費用はまったくかかりません。
また、ペットボトルやプラスチックのトレーを利用すれば、こちらも初期費用はゼロ円です。
といっても、再生栽培では作ることができる野菜は限られるもの。
自分の好きな野菜を栽培したい場合にもっとも手軽なのは、キットを利用すること。キットには種や苗、容器などがセットになっていて、簡易なものであれば二千円程度で入手が可能です。
また、キットは新しい種やスポンジを用意すれば、何度も使えるというメリットも。
ただし、キットの中には太陽光の代わりになるLED照明器具や根に酸素を与えるエアポンプなどがセットになっているものもあり、その場合、どうしても価格も高価になってしまいます。さらに規模を拡大すると初期費用はさらにかさんでくると考えておいた方がよいでしょう。
02個人で楽しむ水耕栽培のランニングコスト
まず注意したいのが、水だけで育てられるのかどうかということ。
水耕栽培は土を使わず、水だけで育てられる方法というイメージを持っている方もいらっしゃいますが、野菜の種類によっては水だけでなく、液体肥料を加えなければならないものもあります。
特に実のなる野菜の場合には肥料が必要。そのため、できるだけランニングコストを抑えたい場合には水だけで育てられるものを選ぶとよいでしょう。
また、水耕栽培で使用する道具のほとんどは家庭にあるものか百円ショップで揃えることができますが、百円ショップを利用する場合には注意が必要です。というのも、すべてが百円だからとあれこれ選んでしまうと、結局お会計は効果になりがち。
その結果、キットなどを利用した場合とほとんど変わらない値段になってしまうこともあります。
一方、キットはある程度のランニングコストが必要ですが、必要なものはすべてそろっているという点が大きなメリット。特に液体肥料などは単品で買うとセットよりも高くついてしまうこともあるため、結果として低いランニングコストに抑えることができます。
ただし、LEDライトやポンプのついたキットは効果になりがち。さらにこれらの設備を使用するには電気代も必要だということは覚えておきましょう。
03水耕栽培で節約するには?
3-1作物の種類
水耕栽培で野菜を育てるときには、まずどんな作物の種類を選ぶかという点が重要になります。
というのも、育てるのが難しい野菜を選んでしまうとなかなか収穫することができず、失敗につながってしまいます。
もし節約のために水耕栽培を始めたいという場合には、育てやすい作物を選ぶようにしましょう。
たとえばおすすめなのが夏野菜。夏野菜は生命力が強く、収穫できる量も多いため、節約に役立ちます。
また、万能ネギや豆苗、葉物野菜など日常的に使える作物を選ぶというのも良い方法です。
特にネギなど薬味に使う野菜は、スーパーなどで買うと比較的高価なことも少なくありません。そのため、使う量だけ収穫できる水耕栽培で育てると非常に便利。
季節によって価格の上下が激しい葉物野菜なども節約のためには便利な野菜です。
さらに、野菜選びで注意したいのが、一つの苗からどの程度の収穫ができるかということ。野菜の中にはひとつの苗からひとつしか収穫できないものもあります。その場合、せっかく栽培しても収穫量が少なくなってしまうため、節約のために野菜を育てるときには、インゲンやキヌサヤ、オクラ、プチトマトなど、ひとつの苗からたくさん収穫できる作物を選ぶとよいでしょう。
3-2苗から育てる場合と種から育てる場合
自分で野菜を育てるときには、苗から育てるか、種から育てるかという点も重要ですが、もし節約したいなら、苗ではなく種がおすすめ。種は苗よりリーズナブルで、コストを安く抑えられます。
ただし、野菜の種類によってはなかなか発芽しにくいものもあるため、できるだけ発芽しやすいものを選ぶのがよいでしょう。
種から育てる場合、出来た実から種を収穫できればさらにリーズナブルに野菜を楽しむことができます。
もしできるだけ節約したいのであれば、種も苗も必要ない再生栽培がおすすめです。
再生栽培ができる野菜の代表的な存在が豆苗。
豆苗は根から少し上の部分をカット、あとはスポンジに入った根の部分を水に入れておくだけで、新しい芽を収穫することができます。
豆苗の再生栽培を行うときには、水を毎日交換するのがポイント。特に気温の高い夏場は水が痛みやすいため、一日に二度交換するのがよいでしょう。
また、再生栽培に向いている野菜の中でもネギや三つ葉も便利です。ネギや三つ葉も豆苗と同じように、根の部分から少し上をカットして水に漬けておけば新しい芽を楽しむことが可能。
もし本格的に再生栽培を行いたい場合、水だけでなく土も使えばさらに野菜を長持ちさせることができます。
なお、ニンジンのヘタも再生栽培を行うことができますが、生えてくるのは葉のみ。この葉もサラダのトッピングや炒めものに利用できるため、賢く使ってあげましょう。
04まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
卒業後、大手メーカーの研究開発業務を約10年間経験。
学生時代の生物、化学の知識及びメーカーでの研究開発経験を活かし、水耕栽培を行っています。DFT/NFT水耕栽培装置を試作し、これまでに約50種類程度の野菜の水耕栽培に
成功。NHKテレビ番組「所さん大変ですよ」に出演。
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