スポーツをする子どもにとっての食事の基礎知識や試合前後の食事のポイント
スポーツをする上で、練習やトレーニングと同じくらい「食事」は大切です。特にスポーツをする子どもの場合、食事は身体づくりに欠かせません。食事方法において、大人と異なる点やポイントなどについてご説明します。
- 目次
- 1. スポーツをする子どもの食事
- 1-1. 体重あたりのエネルギー必要量が多い
- 1-2. たんぱく質をより多く必要とする
- 1-3. カルシウムをより多く必要とする
- 1-4. 脂肪の利用率が高い
- 1-5. こまめな水分補給が必要
- 2. スポーツをする子どもの食事のポイント
- 2-1. 色々な食品に馴染む機会を作る
- 2-2. 朝食を食べる
- 2-3. 間食を上手く取り入れる
- 2-4. 噛む食事を取り入れる
- 3. スポーツをする子どもの必要エネルギー量と食事量
- 3-1. 男女別の必要エネルギー量
- 3-2. 具体的な食事量は食事バランスガイドの量を参考に
- 4. 競技や試合前後の食事のポイント
- 4-1. 試合前日の食事
- 4-2. 試合当日の食事
- 5. 競技や試合時のお弁当づくりのポイント
- 5-1. 料理ごとに適切な量をつめる
- 5-2. 汁気を出さない
- 5-3. 防腐効果のある食品を活用する
- 5-4. 涼しいところで保管する
- 6. まとめ
01スポーツをする子どもの食事
1-1体重あたりのエネルギー必要量が多い
子どもは大人と比べて、体重あたりのエネルギー必要量が多いというのが特徴です。たとえば、18歳から29歳の男性では、体重1キロに対して必要なのは約24キロカロリーですが、6歳から7歳の子どもでは、同じ1キロあたりで約44キロカロリーと倍近い差があります。これは子どもの場合、生命を維持するための基礎代謝と身体を動かす活動のほか、成長のためのエネルギーが別に必要となるからです。
もし長期間にわたってエネルギー不足が続くと、身長が伸びない、骨が弱くなるといったことも起きてしまいます。
1-2たんぱく質をより多く必要とする
子どもにとって、まず必要な栄養素はたんぱく質です。たんぱく質は筋肉の材料となることで知られていますが、同時に身体の免疫機能や骨の成長を助ける役割も担っています。そのため、子どもの食事では積極的にたんぱく質を摂取する必要があります。
1-3カルシウムをより多く必要とする
骨が成長する時期は、子どもにとってカルシウムを摂取する必要があります。さらに子どもの時期にしっかりカルシウムを蓄積しているかどうかは、今後の身長の伸びや、大人になってからの骨密度にも影響します。
また、スポーツをしていると汗をかきますが、カルシウムは汗によって排出されてしまいます。そのため、スポーツをしている子どもは、特に意識してカルシウムを摂取する必要があります。
1-4脂肪の利用率が高い
子どもの身体の特徴のひとつに、大人よりも脂肪の利用率が高いということが挙げられます。というのも、大人に比べると子どもは身体が小さいため、エネルギー源として優先的に脂肪が使用されます。大人の場合、脂肪分の取りすぎは注意すべきですが、子どもであれば無理して脂肪を減らす必要はありません。
1-5こまめな水分補給が必要
スポーツをしている子どもの場合、気を付けたいのが熱中症です。子どもの場合、身体の容量に比べると体表の面積が大きいため、どうしても身体が熱くなりやすい特徴を持っています。さらに子どもの場合、汗をかくための汗腺の機能が未発達のため、汗が出にくく、逆に体温は上昇しやすくなっています。そのため、スポーツのとき、真夏はもちろん、普段からこまめな水分補給を心がけるようにしましょう。
02スポーツをする子どもの食事のポイント
2-1色々な食品に馴染む機会を作る
子どもの食事は、現在の栄養だけではなく、未来の食習慣にも影響を与えます。そのため、子どもの頃は、まず様々な食品になじむ機会を与えましょう。特に子どもの時期の味覚は大人になってもそのままということも多く、幼少期に偏った食生活を送っていると、大人になっても好き嫌いが激しいままという可能性もあります。
2-2朝食を食べる
朝食は一日の活力源と呼ばれますが、子どもにとっても朝食は非常に重要です。もし朝食を抜いた場合、身体の中のエネルギーが不足し、集中力が低下、身体も動かなくなってしまいます。
また、朝食を抜いた場合、身体づくりに十分な栄養が不足するということにもなりかねません。特に子どもの場合、たんぱく質をきちんと摂取することが重要。朝食分のたんぱく質不足は、筋力や代謝の低下の原因になります。さらに、朝食を食べない子は太りやすいという研究もあることから、子どもにとって、朝食を食べるということは大人よりも重要だと言えるでしょう。
2-3間食を上手く取り入れる
間食というと、いいイメージを抱かないこともありますが、消化吸収機関が発達していない子どもの場合、三食では十分に栄養素を取り切れない場合があります。特にスポーツをする子どもは運動量が大きいため、どうしてもエネルギーが不足しがち。そういった場合、おにぎりやサンドイッチ、果物などの栄養価の高い食べ物を間食として上手く取り入れましょう。
2-4噛む食事を取り入れる
子どもの場合、食事の中にしっかり噛まなければ食べられないものを取り入れるのも効果的です。食事のときにしっかりと噛む習慣をつけることは、消化を助け、歯の成長に役立つだけでなく、脳を刺激することにもつながります。
03スポーツをする子どもの必要エネルギー量と食事量
3-1男女別の必要エネルギー量
スポーツをする子どもの場合、6歳から7歳の男子では一日1550から1750キロカロリー、8歳から9歳は一日1850から2100キロカロリー、10歳から11歳は一日2250から2500キロカロリー、6歳から7歳の女子では一日1450から1650キロカロリー、8歳から9歳は一日1700から1900キロカロリー、10歳から11歳は一日2100から2350キロカロリーと言われています。
3-2具体的な食事量は食事バランスガイドの量を参考に
といっても、実際の食事の量を考えるのは非常に難しいものです。そんなときに便利なのが厚生労働省が発表している「食事バランスガイド」。この食事バランスガイドは、必要な栄養素をどれぐらい食べればいいか、判断できる便利なツールなので、子どもの食事作りの参考にするとよいでしょう。
04競技や試合前後の食事のポイント
4-1試合前日の食事
試合の前日は、エネルギー源を蓄えるため、ごはんやうどんなど、糖質中心のメニューがいいでしょう。ただし、消化器に負担をかけないように量と脂質は控え目にして、夕食も早めの時間に食べておきましょう。
4-2試合当日の食事
試合当日は、少なくとも試合の3~4時間前までに食事を済ませておきましょう。こちらも糖質中心がおすすめです。緊張して食べられないというときには、ゼリー飲料や果物が食べやすいでしょう。
05競技や試合時のお弁当づくりのポイント
5-1料理ごとに適切な量をつめる
試合や練習のときにも、栄養バランスが重要になります。そのとき1/2にご飯、1/4ずつにおかずと野菜など、あらかじめ区切りをつけてお弁当をつめるとバランスのよい食事になります。
5-2汁気を出さない
お弁当のおかずにとって汁気を出さないというのは基本中の基本。水分の少ない食材を使用する、水分が出そうなおかずの隣には水分を吸収する食材を詰めるといった工夫が大切です。
5-3防腐効果のある食品を活用する
お弁当の場合、心配なのが傷まないかどうか。そのときには、お酢や梅干し、カレー粉といった防腐効果のある調味料や食材を使用しましょう。
5-4涼しいところで保管する
暑い時期には、どうしてもお弁当が傷みやすくなります。そのときには、保冷剤や保冷バッグなどを活用しましょう。また、お弁当をしっかり冷ましてからふたをするという昔ながらのやり方も効果的です。
06まとめ
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