組み合わせでパワーアップ?ルーン文字の組み合わせ(バインドルーン)について
ルーン文字を使った占いや魔術には様々な種類があります。中には専門的な知識が必要になるものもありますが、比較的簡単に行えるのが「バインドルーン」と呼ばれるもの。バインドルーンとはルーン文字の組み合わせでできる魔術の一種。今回はルーン文字の組み合わせであるバインドルーンについてご紹介します。
- 目次
01ルーン文字とは?
ルーン文字とは古代ヨーロッパで使用されていた文字のこと。日常的にも使用されていましたが、特に呪術や祈祷、願い事などにも使われたことから「魔術文字」とも呼ばれています。
ルーン文字は全部で二十四種類ですが、空白のルーン文字である「ブランクルーン」も合わせて二十五種類の文字が用いられます。
ルーン文字はそれぞれ、個々の意味やシンボル、象徴するものなどがあり、古代ヨーロッパの人々は、自分の願い事にふさわしいルーン文字を木や石などに刻むことで占いや祈願に利用しました。
さらにそれを持ち歩くことで、お守りとして使用することも。
一方、占いでは、質問に対する答えとしてルーン文字を使用することでリーディングなども行われました。
02ルーン文字の組み合わせ「バインド・ルーン」
2-1複数のルーンを組み合わせて、ひとつのシンボルにしたもの
通常の場合、ルーン文字を護符やお守りにするときには、自分の願いや思いなどに応じた文字をひとつ選び、木や石に刻み込みます。
しかし、願い事によっては、どうしてもそれを叶えたい、強い力が必要というものも少なくありません。
そんなときに使用されるのがバインドルーン。バインドルーンは、ひとつだけでなく複数のルーンを組み合わせてひとつのシンボルとして取り扱うものです。
2-2ヒトラー率いるナチスドイツがシンボルとしたハーケンクロイツが知られている
バインドルーンの中でも知られているのが、ナチスドイツがシンボルとして使用した「ハーケンクロイツ」。ハーケンクロイツは日本では「逆卍」としても知られていますが、実はこれは、ルーン文字の中でも「勝利」「完全」などの意味を持っている「シゲル」をふたつ組み合わせたものです。
ハーケンクロイツは国によっては公共の場で使用するだけでも罪になることもあり決して気軽には使用できないものですが、このようにもともとはバインドルーンによって誕生したシンボルは少なくありません。
03ルーン文字の組み合わせ方
3-1ダブルバインド・トリプルバインド・クアドラプルバインド
バインドルーンはふたつの文字だけを組み合わせるわけではありません。願望の種類によっては、三種類や四種類のルーン文字を組み合わせることも。三種類の場合はトリプルバインド、四種類の場合にはクアドラプルバインドと呼ばれます。
さらにルーン文字の種類を増やすと同時に、複雑に並べることでより強い力を求めるものもあります。たとえば中性アイスランドに伝わる「ルーンガルドゥル」は、ルーンを十字架の形に並べた複雑なシンボルにすることで、より強力な魔術的効果を求めたものです。
3-2自分の必要とする意味を持たせてバインド
バインドルーンには、単に同じ文字を重ねるだけでなく、自分の必要とする意味を持たせてバインドを行うという方法もあります。
たとえば、恋愛を成就させたいという場合、「愛情」を意味する「ギューフ」と、勇気や行動力、自信などを意味する「ケン」を組み合わせる、旅の安全を願いたい場合は、「旅」や「移動」を意味する「ラド」と、ハプニングやアクシデントから身を守ってくれるという「ハガル」を組み合わせるなど、ルーンのもつイメージや意味を組み合わせることで自分の望むルーンバインドを行うことができます。
3-3スペルバインド
ルーンバインドには、ルーン文字だけでなく、アルファベットを組み合わせるという方法もあります。
ルーン文字は古代ヨーロッパで使われていた文字ですが、現在のアルファベットの原型とも言われるもの。そのため、ルーン文字にはそれぞれにアルファベットが対応しています。それらを組み合わせることで自分だけのルーンバインドを作ることができます。
これはスペルバインドと呼ばれる方法で、自分の名前をローマ字に変換、ルーン文字に置き換えるという方法もあります。
実はルーンバインドには決まったルールはありません。自分の感性やセンスを生かすことで、独自のスペルバインドを生み出すこともできます。