犬はこんなことを考えている!犬が目をそらす意味と接し方について
ペットとして犬を飼っている方の中には、「犬が目を合わせてくれない」と悩んでいる方も多いかもしれません。なかなか犬が目を合わせてくれないと、もしかすると信頼関係が築けていないのかもしれない、心を開いてくれていないなど、あれこれと考えてしまいがち。それでは、犬が目をそらす行動にはどのような意味があるのでしょうか。今回は犬が目をそらす意味と接し方についてご紹介します。
- 目次
01犬が目をそらす意味とは?
1-1ストレスから逃れるため
人間の場合には、目をそらすと後ろめたいことや隠したいことがあるのではと考えがち。しかし犬の場合には、人間とは違う意味があります。
犬が目をそらす大きな理由としては、「ストレスから逃れるため」というものがあります。もともと、動物の場合、目を合わせるのは威嚇するという意味合いが強いもの。そのため、目を合わせ続けるという行動は犬にとっては大きなストレスになります。
そのため、犬は目をそらせることでできるだけストレスをやわらげようとしています。
もし犬が目をそらせるだけでなく、背中を向けてしまう場合は、より強いストレスを感じているといえるでしょう。
1-2伝えたいこととは?
犬は言葉を話すことができませんが、しぐさや行動によって自分の気持ちを伝えようとしています。
では、犬は目をそらすことでどのようなメッセージを伝えようとしているのでしょうか。
犬が目をそらすときに、伝えようとしているメッセージは「注目しないで欲しい」「敵意をもっていない」というものです。
つまり、犬が目をそらすときは、相手を怖がっているということもできます。
02目をそらす場面
2-1自分の気持ちを抑えるとき
犬は非常に愛情深く、感情豊かな生き物です。そのため、うれしい場合や喜んでいる場合にはついつい羽目を外してしまうことも。
犬が目をそらすときには、興奮しすぎないようにと自分の気持ちを抑え、冷静になろうとしていることがあります。
特にしっかりとしつけができている犬の場合、目をそらして自分の気持ちを落ち着けて飼い主さんと接しようとしています。もしおやつやおもちゃなどを持って犬を呼んだときに、目をそらすようであれば、それは犬の喜びの大きさを表しているものと言えるでしょう。
2-2立場が上のものと目があったとき
動物にとって、目を合わせるのは相手と敵対したり、威嚇したりという気持ちの表れ。特に犬は群れの中で生活し、群れのルールや序列を忠実に守ります。
そのため、犬が目を反らすときには上下関係を気にしていたり、飼い主さんに服従しているということになります。
逆に積極的に犬のほうから目を合わせようとする場合には、服従していない、飼い主さんをリーダーとして認めていないという可能性もあります。
ただし、犬がまだ幼い場合など、飼い主さんを積極的に見つめることがありますが、これはまだ群れでの関係を理解していないだけで、反抗しようとしているわけではありません。
2-3都合が悪いとき
すでに述べたように犬は自分のストレスを和らげるために目をそらすもの。ストレスの原因となるのは、不安や緊張がほとんどです。
そのため、自分の都合が悪い場合や、困っている場合にも目をそらすことがあります。
たとえば、病院に連れて行かれる前や、いたずらが見つかった場合など。自分が好きではない場所に行くことを感じたり、いたずらをして怒られると思っている場合、緊張や不安を和らげるために目をそらしていると考えます。
また、目をそらすことは「現実を見たくない」という気持ちが現れていることもあります。
自分にとって都合が悪いことが起きた場合や、嫌なことが起きると分かっている場合など、それを直視したくないという理由から、見て見ぬふりをすることもあります。
もし犬が目をそらすとき、これと言った理由がない場合、犬が他のことに集中しているという可能性もあります。
たとえば、音が気になっている場合や、別の気配がする場合など、それに意識を集中させるため、犬が目をそらすこともあります。
03目をそらさない意味は?
3-1目を合わせるのは威嚇しているとき
すでに説明したように、動物同士で目を合わせるときには、相手に敵意を持っていたり、威嚇したりという気持ちが現れています。
これは動物同士だけでなく、飼い主さんと犬の間に起きることもあります。
たとえば、まだ上下関係がはっきりしない場合や、家庭の中で自分が優位に立っていると犬が思い込んでいる場合など、飼い主さんが言うことを聞かないと目を合わせることが少なくありません。
3-2じっと見つめる犬には注意
飼い犬だけでなく、他の犬でもじっと目を合わせる犬には注意が必要です。特に、吠える、牙をむき出しているという場合には、はっきりとした敵意が現れています。
そのような場合には大きなトラブルの原因となります。
飼い主さんだけでなく、犬が子どもに向かってじっと見つめている場合には、すぐにその場から引き離すよういしましょう。
3-3目をそらさない場合の例外もある
このように、犬が目を合わせるのは危険な状態であることが少なくありません。
ただし、犬が目を合わせるにはそれ以外の理由があります。
たとえば、自分に気づいてほしいとき。飼い主さんの関心が別の人や犬に向いている場合など、犬が自分に気づいてほしいと、目を合わせようとして来ることがあります。
また、ご飯や遊び、散歩などの欲求がある場合も、犬は飼い主さんの視界に入るところまで移動して、目を合わせようとします。その場合、尻尾を振る、脇腹を見せる、口を開けるといった行動が伴うこともあります。
それ以外にも、叱られた直後に目を合わせようとする犬もいます。
これは飼い主さんの言うことに不満を持っていたり、服従したくないと考えているわけではありません。飼い主さんに叱られてしまったことで強い不安を感じている、緊張しているという場合には、上目遣いで飼い主さんの様子を観察することがあります。
言い換えれば、目をそらすことができず、かといって正面から見ることも怖いという気持ちの表れです。
その他にも、犬が目を合わせるときには、飼い主さんを見ているつもりではなく、たまたまその方向を向いている場合もあります。特に老犬の場合には、視力も低下しているので、視界がぼんやりとしていて漠然とその方向に顔を向けていることも少なくありません。
04慣れない犬への接し方
4-1初対面の犬とはむやみに視線を合わせない
犬との接し方の基本は、「むやみに視線を合わせようとしない」ということです。人間同士の場合、目を合わせることは好意を表したり、敵意がないことを伝えたりという役割がありますが、犬の場合はその逆。そのため、犬は単に目を合わせるだけでも強い緊張を覚えます。
犬の性格によっては、緊張のあまり思わぬ行動をとってしまうことも。まず「犬は基本的にアイコンタクトを嫌う」ということはしっかりと覚えておきましょう。
4-2怖いと思わせない
犬は縄張り意識の強い生き物です。そのため、知らない人が自分の縄張りに入って来た場合や、散歩などで自分の縄張りの外に出ていると、非常に強い不安と緊張を感じています。
その状態で目を合わせると、思わず攻撃的な行動に出てしまうことも。それを防ぐためには、犬に「怖い」と思わせないことが重要です。特に、犬は動きには敏感に反応するもの。急に動いたり、手を出したりすると、反射的にかみついたり、走り出したりしてしまうことがあります。
4-3大きな声をあげない
犬が好きな人の場合、知らない犬でも積極的に近づいていこうとしますが、その場合、大きな声を上げないこと。
まだ慣れていない犬の場合、まずは安心させてあげることが必要ですが、大きな声を上げて知らない人が近づいてくると、犬は強い強不を感じてしまいます。
特に「かわいい!」などと声を上げて近づいていくのは要注意。どれだけ敵意がなく、ただ単に可愛がってあげようとしていたとしても、犬はそれを理解することができません。初対面の犬と接するときには、大きな声を出さないことにも注意しましょう。
4-4抱き上げようとしない
小型犬の場合、すぐに抱き上げようとする人もいますが、これもおすすめできない行動です。もともと小型犬は身体が小さく、緊張しやすいという特徴があります。また抱き上げられると犬は行動の自由がなくなることから、パニックに陥りがち。
さらに人によってはお尻に体重が掛かるような抱き方をすることがありますが、これは腰に体重が集中するため、犬にとっては非常に不快な状態になります。そのため、慣れていない場合はもちろん、ある程度顔を合わせていても、いきなり犬を抱き上げることは避けましょう。
4-5先に信頼関係を築くこと
犬も人間も、信頼関係を築くためには時間が必要です。
どれだけ犬が好きでも、慣れていない犬や初対面の犬と接する場合には、まずは信頼関係を築くことを優先しましょう。