こうすれば分かる!猫の気持ちや感情による鳴き声の変化について
猫を飼っている人なら、一度は「猫の気持ちを知りたい!」と思ったことがあるはず。実は猫は鳴き声によって気持ちや感情を伝えています。鳴き声の変化を知ることは、猫の感情を理解することにつながります。今回は猫の気持ちや勘定による鳴き声の変化についてご紹介します。
- 目次
01猫は本来あまり鳴かない動物
たとえば犬は、群れを作って仲間や親子など、集団で暮らす生き物。そのため、周囲の仲間たちと密接なコミュニケーションを行う必要があります。そこで使われたのが鳴き声。犬を始め、群れを作る動物は、よく鳴くことで自分の状態や環境を周囲に伝えようとしています。
一方、猫は単独で行動することが多い生き物。そのため、鳴き声によってコミュニケーションを取る必要はほとんどありませんでした。
猫同士で鳴く場合、多くは「縄張りの主張」「争い」「発情期」「親猫と子猫のコミュニケーション」が理由。これら以外の状況では、主にニオイなどによってコミュニケーションが図られています。
しかし、やがて猫は人と暮らすことが増加、鳴き声は飼主とのコミュニケーション手段にも使われるようになりました。
02猫の鳴き声の種類
2-1親猫や飼い主に対して甘える時の鳴き声
飼い主に対して猫がもっとも頻繁にコミュニケーションを取ろうとするのは、甘えたいとき。もし相手に構って欲しい場合には、「ミャアミャア」とリズミカルに鳴くことで、相手の注意を自分に向けようとします。
また、猫がのどを鳴らす「グルル」「ゴロゴロ」という声は、リラックスしている証拠。相手に甘えたり、安心しているときにのどを鳴らすように鳴きます。これらの鳴き声は子猫が母親に甘えるときにも使われます。
特に「ゴロゴロ」という鳴き声は自分をリラックスさせたいという気持ちが現れていて、身体に不安や痛み、不快感がある可能性も考えられます。その場合、痛い部分を触ってしまうと猫に引っかかれたり、噛みつかれたりということも考えられるため、猫の様子をしっかり見極めることが重要です。
2-2猫や飼主を呼ぶときの鳴き声
猫の鳴き声といえば「ニャー」というのが一般的ですが、長さや短さでも少しずつ意味が変わります。
たとえば、「ニャッ」という短い鳴き声は、挨拶や返事。親しい猫や飼い主に呼ばれたとき、遊んでもらったときなど、このような短い鳴き声が使われます。
一方、「ニャーーン」と長く鳴くときは、何かしてほしいことがある証拠。ご飯が欲しい、トイレをきれいにして欲しいときなどには、長く鳴くことで要求を訴えています。
また、ちょっと相手の気を引きたいときには「ニャン」という鳴き声が使われます。
もし猫が普段より高い声で鳴く場合、それも飼い主さんの気を引こうとしている証拠になります。飼い主さんの姿が見えないという場合や、遊んで欲しい場合も鳴き声のトーンが高くなります。
2-3攻撃や威嚇行動に使われる鳴き声
猫の鳴き声は好意的なものばかりではありません。たとえば、口を閉じて「ウー」「ンー」などと低い声でうなるときは威嚇の意味が込められています。
飼い主さんや親しい相手にこういった鳴き声を出すことはあまりありませんが、「今は遊びたくない」「触らないで欲しい」というときにこのような鳴き声を出すことがあります。
もし他の猫と遊んでいるときに、別の猫が低い声で鳴いたら、それは抗議の表現。その場合、特定の猫だけでなく、すべての猫を均等に可愛がってあげましょう。
一方「シャー」「フー」などと息を吐き出して鳴くのは、相手に敵意を持っている証拠。相手を縄張りから追い出したい、これから攻撃をするというときの鳴き声として使われます。飼い主さんにこのような鳴き声を使うときは、自分の方が優位な存在と思い込んでいるのかもしれません。
2-4その他の鳴き声
猫は「カッカッカッ」といった短い鳴き声を出すことがあります。これは「クラッキング音」と呼ばれるもので、獲物を狙っているときに使われる声です。声だけではなく「カチカチ」と歯を慣らすこともあります。
他にも発情期だけに使われる「アオーン、アオーン」という声も有名です。
03猫は鳴き声だけでなく体全体で気持ちを表している
3-1しっぽ
猫の感情表現では、しっぽがよく用いられています。
もししっぽがまっすぐに立っているときには、「うれしい」という気持ちの表れ。飼い主さんに対して行われるときには、「甘えたい」「遊んでほしい」といった気持ちを表現しています。
逆に尻尾を垂らして両足の間に巻き込んでいる場合、「怖い」という気持ちを表しています。もしこの姿勢を取っているときには、何に対して怖がっているのかをチェックして、それを取り除いてあげましょう。
しっぽは場所だけでなく、動き方によっても猫の感情を知ることができます。
尻尾が激しく早く動いているときは、機嫌が良くないとき。この場合には、あまり猫を構わないほうがよいでしょう。また、タヌキのように膨らんでいるときは何かを威嚇している証拠です。
3-2耳
猫は耳の状態によってもそのときの感情を知ることができます。耳をぺたりと伏せて力を抜いているときはリラックスしている状態、逆にピンと立てて動かしている時は警戒している状態です。
3-3全身の様子
猫の感情を知るときには全身の様子に注目するのも良い方法です。
たとえば、毛を逆立てて背を丸めている時は相手を威嚇しているとき。尻尾だけでなく、身体をできるだけ大きく見せるのが特徴です。
逆に身体を小さく見せようとうずくまったり伏せて緊張しているときは相手を怖がっている証拠です。
同じような状態を表す仕草としては、片足を上げて止まっている状態が挙げられます。この場合には相手の出方をうかがって緊張しているか、緊張して身体が固まっていることが考えられます。
一方、お腹を上にして寝転がっているときはとてもリラックスしている状態です。
04鳴き声としつけ
4-1鳴いて良いことがあると猫は学習する
猫はそもそも、あまり鳴くことがない動物でした。そんな猫が鳴くようになったのは、飼い主さんとコミュニケーションを取るだけではなく、鳴くとよいことがあると学習するようになったから。
たとえば、鳴いたらおやつが出てきた、鳴いたら飼い主さんに遊んでもらえた、鳴いて飼い主さんの気を引くことができたといった経験が重なるうちに、猫は鳴くとうれしいことがあると学習、その結果として、さらに鳴く回数が増えるようになっていきます。
4-2鳴くのをやめさせたい場合は
それでは、猫が鳴くのを止めさせたいという場合、飼い主さんはどのようなしつけをすればよいのでしょうか。
もっともやってはいけないことは、猫が鳴くたびに怒ること。猫は叱られると緊張と不安が高まり、それがストレスになってさらに鳴き声を出したり、体調を崩したりしてしまうことがあります。
猫が鳴くのをやめさせるためのもっともよい方法は、鳴いても要求に応じないということ。
猫は学習によって、「鳴くといいことがある」と考えているため、「鳴いてもいいことがない」と逆の方向に学習させることで、猫が鳴くことを止めさせることができます。
また、他のもので気を反らす、先回りして鳴かない環境を作るというのも猫のしつけとしては良い方法です。
たとえば、遊ぶときには遊ぶ、遊ばないときには遊ばないとメリハリをつけたり、すべての要求に答えないといった工夫を重ねることで猫をしつけることができます。
飼い主さんも長い間猫を飼っていると、猫が鳴くタイミングや、遊びなどを要求する時間が分かってくるもの。その前に猫と遊んであげることで事前に鳴き声を防止するという方法もあります。