お菓子作りを失敗しないためのコツについて
お菓子の手作りは楽しいものですが、初心者の頃は失敗することも少なくありません。頑張って作ったお菓子が成功せず、がっかりした経験は誰にでもあるかもしれません。実はお菓子作りを失敗しないためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。今回はお菓子作りを失敗しないためのコツについてご紹介します。
- 目次
01お菓子作りの初歩的な失敗
1-1材料の計り方がアバウト
お菓子作りでもっとも大切なのが材料の計量です。特に小麦粉や砂糖などが多すぎたり不足したりすると、仕上がりに大きく影響します。
適当に材料を計ったり、目分量で材料を加えたりすると、必ず失敗してしまうもの。
きちんと材料を計ることが成功への第一歩です。
1-2材料を代用したり、余計なものを加えている
お菓子を手作りしていると、材料が足らないこともあるもの。そんなとき、バターをサラダ油で代用したり、グラニュー糖でなく上白糖を使ったりすると、失敗の可能性が高くなります。
同じ油や砂糖でも、種類によって働きが異なります。
また、自分なりのアレンジを加えるのもおすすめできません。
アレンジを加えるときには基本のレシピをしっかり守ってからにしましょう。
1-3ベーキングパウダーの賞味期限切れ
お菓子作りで注意が必要なのが食材の賞味期限。特にベーキングパウダーは余りがちになるため、ついつい賞味期限が切れたものを使ってしまうことがありますが、賞味期限が切れたベーキングパウダーではお菓子を膨らませることができません。
パッケージに記載された賞味期限は必ず守りましょう。
1-4レシピに忠実に従っていない
実はレシピ通りに作れば、お菓子作りには失敗はありません。もし失敗する場合には、きちんとレシピを守っていないことがほとんど。
たとえば「冷めてから加える」と書かれているのに、冷める前に加えてしまったり、「5分間泡立て」や「つのが立つまで泡立て」という指示を守らず泡立てが不十分になったりという場合、ほぼ間違いなく失敗します。
02お菓子作りの基本
2-1材料選び
お菓子作りに欠かせない材料といえばバターです。バターは有塩バターがポピュラーですが、お菓子作りに使用するときには無塩バターを選びましょう。
また、バター同様砂糖も欠かせないものですが、砂糖の種類もきちんとレシピに書かれているものを選びましょう。
お菓子作りでは軽く仕上がるグラニュー糖が一般的です。上白糖は焦げやすく、吸水性が高いなどの特徴があり、カステラなどの和菓子などしっとり仕上げたいときには上白糖が向いています。
このようにお菓子によって砂糖の種類も異なるため、手元にあるもので代用はしないことが無難です。
2-2計るとき
すでに説明したように、お菓子を作るときには材料をきちんと計量することが欠かせません。
もしきちんと計っているつもりなのに失敗するという場合、スケールに原因があることも。
アナログ式のスケールは目盛りが狂いやすいため、できれば正確に計量できるデジタル式の物を使用しましょう。
また、大さじや小さじなどはきちんと計量スプーンを使うこと。家庭用のカレースプーンやティースプーンで代用すると、失敗の原因となります。
2-3材料の温度
お菓子作りのレシピには、材料の温度は書かれていないことがありますが、特に「冷やしておく」といった注意書きがない場合、まず材料を常温に戻しておきましょう。
冷蔵庫から出したばかりの材料を使うと、全体の温度が下がりすぎてしまうことがあります。
また、特に常温に戻しておきたい素材がバターです。
冷えたバターは非常に固く、扱いにくいもの。その結果、材料に混ぜるのに時間が掛かったり、ダマになって混ざり切らないことがあります。
それを避けるためにもバターは常温に戻すことが必要です。
ただし、常温に置いておくと、表面と内側の温度にばらつきができ、柔らかい部分とそうでない部分に分かれてしまいます。
それを防ぐために、バターを均等の薄さにカットしておきましょう。そうすることでバターの変質を防ぐだけでなく、固まりのままよりも早い時間で室温に戻すことができます。
03お菓子作りの工程別のコツ
3-1溶かすとき
バターやチョコレートを溶かすときには、直火は禁物。直火の場合はなべ底の温度が上がりすぎて材料が焦げてしまいます。溶かすときは、湯煎でゆっくりが基本です。
3-2泡立てるとき
卵やクリームを泡立てるときにはハンドミキサーがあると便利です。また、そこに別の素材を加えるときは、何度かに分けて加えましょう。
最初からすべてを入れてしまうほうが楽に思えるかもしれませんが、すべての素材をまとめて泡立てると泡立ちにくく、結局は時間がかかってしまいます。
3-3混ぜるとき
特に指示がないときでも、小麦粉や砂糖などはきちんとふるっておきましょう。そうすることで固まった部分を取り除けるだけでなく、空気を含ませることでふんわりとした仕上がりになります。また、生地を作るときには材料は何度かに分けて加えること。
その際、混ぜる材料の温度差にも注意しましょう。生地の温度が急に変化するのは失敗のもとです。特に温度が低すぎると、混ざりにくくなるだけでなく、分離しやすくなります。それを防ぐためにも、卵やバターは室温に戻しておきましょう。
生地は作るお菓子の種類によって混ぜ終わりが変わります。クッキーやタルトは粉っぽさがなくなった直後、パウンドケーキやマフィンは粉が馴染み、生地に艶が出たら混ぜ終わりのサインです。
そこからさらに混ぜてしまうと、生地にグルテンが生まれて上手に焼き上げることができなくなるので注意しましょう。
3-4焼くとき
お菓子作りで特に注意しなければいけないのがオーブンの扱いです。
オーブンは使っている機種や環境によって、焼ける部分や焼けない部分などが生まれます。まずオーブンのクセをしっかりとつかんでおきましょう。
また、オーブンを使うときに必要なのが予熱。しっかりと予熱をしておかないと、低い温度から焼き上げることになり、生地が思い通りに膨らまず、生焼けになってしまうことがあります。
もししっかりと予熱をしていても、オーブンの扉を開けると大幅に温度が下がってしまうため、温度は高めの設定がおすすめです。
焼き時間はレシピ通りが基本ですが、オーブンの種類によっては思い通りにいかないこともあります。
もしクッキーやタルト生地の場合は焼き色を参考にしたほうがよいケースもあります。
分厚いケーキ生地などの場合、竹串を使う方法があります。生地の一番分厚い部分に竹串を刺して数秒ほど待ってから引き抜いて、生地がついてこなければ中心まできちんと焼き上がっているということになります。
ただし、生地がゆるいお菓子などの場合には竹串を使うことができません。その場合には、温度計で中心の温度を測るとより正確です。
04まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
短大食物科卒業後、同校の調理研究室の助手として10年勤務し、校内の先生、外部講師のホテルシェフや料理家からも技術を習う。
その後、洋菓子研究家 柴川日出子氏のアシスタントとして10年研鑽を積む。
東京都菓子学園卒業。
企業の商品開発を行いながら材料・素材の知識を深めるほか、海外留学や国内外多くのシェフより技術を習うなど、現在も勉強を続けている。
著書も多く、海外で翻訳本も発売されている。
企業や雑誌等へのレシピ・写真・動画提供も多数行っている。