スクールカウンセラーとは?必要な資格・給料・仕事内容を紹介
「スクールカウンセラー」とは、いじめや不登校など多様化する子どもたちの悩みに対応するために文部科学省が設置した職業です。
さまざまな学校で児童・生徒やその保護者、教員の抱える悩みを聞き、心理的な視点から解決への道を一緒に探していきます。
今回はスクールカウンセラーの仕事に興味を持っている方のために、給料や将来性・必要な資格・仕事内容について詳しくご紹介します。
「スクールカウンセラーって資格が必要なの?」
「スクールカウンセラーのお給料はどうなっている?」
と思っている方はぜひ参考にしてみてください。
- 目次
- 1. スクールカウンセラーとは?給料はいくら?
- 1-1. スクールカウンセラーに必要な資格
- 1-2. スクールカウンセラーの将来性は?
- 1-3. スクールソーシャルワーカーとの違い
- 2. スクールカウンセラーの仕事内容
- 2-1. カウンセリング
- 2-2. コンサルテーション
- 2-3. カンファレンス
- 2-4. 研修・講話
- 2-5. 査定、診断(見立て)、調査
- 2-6. 予防的対応
- 2-7. 危機対応・危機管理
- 3. 他にもある学校関連の心理系職業
- 3-1. スクールカウンセラーに準ずる者
- 3-2. 電話相談員
- 4. 社会人におすすめ心理カウンセリング資格
- 4-1. メンタル士心理カウンセラー®
- 4-2. 子供心理カウンセラー
- 5. まとめ
01スクールカウンセラーとは?給料はいくら?
いじめや不登校など児童・生徒たちの問題は日々複雑化しています。
そういった問題に対し早急に対応する必要があるとして文部科学庁が設定した職業です。
報酬 | 時給平均5,250円 |
---|---|
勤務日 | 基本的に週1~3日程度の勤務/td> |
勤務地 | 複数の学校を兼任することもあれば、1校のみを担当する場合も |
報酬参考:文部科学省|資料6 「スクールカウンセラー」について
常勤ではないため、心理カウンセラーなど別の仕事と掛け持ちで働く方が多いようです。
1-1スクールカウンセラーに必要な資格
スクールカウンセラーの選考は、都道府県または指定都市が選考することになっています。
専攻の条件は、実績も踏まえたうえで下記のいずれかに該当する人の中から選考されます。
- 《資格条件》
- 1.公認心理師
2.公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士
3.精神科医
4.児童生徒の心理に関して高度に専門的な知識及び経験を有し、学校教育法第1条に規定する大学の学長、副学長、学部長、教授、准教授、講師(常時勤務をする者に限る)又は助教の職にある者又はあった者
5.都道府県又は指定都市が上記の各者と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者
※引用:文部科学省|スクールカウンセラー等活用事業実施要領
条件は5つありますが、現状では「臨床心理士」もしくは「臨床心理士」と「公認心理師」両方を持っている人が大半を占めています。
1-2スクールカウンセラーの将来性は?
スクールカウンセラーの採用期間は、1年単位で契約の非常勤がほとんど。1か所フルタイムで勤務するスクールカウンセラーはほぼいません。
しかしスクールカウンセラーの必要性はかねてから話題となることもあり、今後は雇用人数の増員や常駐化などが検討される可能性もあります。
1-3スクールソーシャルワーカーとの違い
「スクールソーシャルワーカー」とは、教育・福祉両方の知識を有し、児童・生徒を取り巻く問題を解決へ導く専門家です。
内閣府|教育の支援について
スクールソーシャルワーカーは、基本的に社会福祉士や精神保健福祉士といった福祉に関する資格を持っている人が採用されます。
「児童・生徒やその保護者、教師が抱える悩みを聞き、解決への手助けをする」という点では、スクールカウンセラーと重なる部分があるスクールソーシャルワーカー。
このふたつは上記の表を見ても分かるように、解決のためのアプローチが少し違います。
アプローチの違い
スクールカウンセラーは心理資格をもった人が行うことからも「心理面」から児童・生徒たちの悩みをサポートします。
それに対しスクールソーシャルワーカーは環境面からサポートしていきます。
具体的に言うと不登校の問題に対しスクールカウンセラーは
「本人や家族に対しカウンセリングを行うことで、原因や生活状況を確認し、心のケアを行う」
のに対し、スクールソーシャルワーカーは
「家庭訪問をし面談を繰り返す、生きやすいように支援学級を準備する、無料塾などとの橋渡しを行う」
といったように具体的なアクションを起こします。
いずれにしても学校と連携し、問題解決を目指していくことに変わりはありません。
02スクールカウンセラーの仕事内容
- 《スクールカウンセラーの業務》
- ① 面接相談1-カウンセリング
② 面接相談2-コンサルテーション
③ 協議-カンファレンス
④ 研修・講話
⑤ 査定、診断(見立て)、調査
⑥ 予防的対応
⑦ 危機対応、危機管理(risk-management)
参考:文部科学省|5 スクールカウンセラーの業務
2-1カウンセリング
文部科学省が最も重視するべきと言っているのが、「面接」です。
教育相談担当や養護教諭の設定したスケジュール通りに面接することはもちろん、面接が必要と認められた児童・生徒やその保護者に対しても、積極的に面接を設定します。
面接を受けたがらない相手に対し、どうすれば受けてもらえるかどうかをクラス担任や担当教諭と検討しなければなりません。
長期的なカウンセリングが必要な場合は、外部のカウンセリング機関に依頼することも検討します。
2-2コンサルテーション
カウンセリングよりも指示的意味合いが強くなるのが「コンサルテーション」です。
相談者に対し具体的な意見が求められるため、臨床心理学的観点から的確にアドバイスする必要があります。
多くは教職員からの相談で、その内容は不登校・学級崩壊・虐待・PTSDなどに対する理解の仕方や対応方法などがあげられます。
他にも保護者からの子どもの不登校などの相談に対し、コンサルテーションを行うこともあるでしょう。
場合によっては、「近所の家で虐待をしているようだ」といった他の家の相談を受けることもあります。デリケートな問題なので信ぴょう性もあわせて詳しく話を聞き、慎重に対応する必要があります。
2-3カンファレンス
「カンファレンス」ではひとつの問題に対し、それに関わる担任・養護教諭などがスクールカウンセラーとともに現状報告・情報共有を行い、今後の方向性について話し合いをします。
スクールカウンセラーは心理の専門家の立場から意見を言う必要があります。場合によっては、カンファレンス用の資料作成のような作業を行うこともあるでしょう。
2-4研修・講話
保護者や教員だけでなく、地域の方々を相手に「講話」を行うことがあります。
講話の種類は情報伝達型や参加型・事例研究形式などさまざまです。
心理学の専門家だからといって専門用語ばかりでは誰も理解できません。分かりやすい言葉で、簡潔に説明できるように準備は念入りに行いましょう。
2-5査定、診断(見立て)、調査
スクールカウンセラーは心理検査を用いた「査定」を行うことがあります。
一般的な心理検査はある程度できるようにしておいた方がよさそうです。
2-6予防的対応
心理的な要因などが原因で問題がおきるのを防ぐために、「ストレスチェック」や「ストレスマネージメント」といった「予防的対応」を行います。
2-7危機対応・危機管理
災害・事件・事故などが起きた際にも、スクールカウンセラーは「危機対応」を行います。
PTSDのような精神的な問題もあるため、慎重に進める必要があります。
03他にもある学校関連の心理系職業
それが「スクールカウンセラーに準ずる者」「電話相談員」です。
3-1スクールカウンセラーに準ずる者
スクールカウンセラー資格を満たす人材が確保できない場合などに任用されるのが「スクールカウンセラーに準ずる者」です。
「スクールカウンセラーに準ずる者」とは、資格についての言及はないものの、相談業務の経験がある人を資格条件としています。
- 《資格条件》
- 1.大学院修士課程を修了した者で、心理業務又は児童生徒を対象とした相談業務について、1年以上の経験を有する者
2.大学若しくは短期大学を卒業した者で、心理業務又は児童生徒を対象とした相談業務について、5年以上の経験を有する者
3.医師で、心理業務又は児童生徒を対象とした相談業務について、1年以上の経験を有する者
4.都道府県又は指定都市が上記の各者と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者
ただし、前各号に掲げる者の任用は、地域や学校の実情を踏まえ、3(1)に掲げる者の任用よりも合理的であると認められる場合に行うことができるものとする。
※引用:文部科学省|スクールカウンセラー等活用事業実施要領
スクールカウンセラーと同等の業務内容ですが、時給はおよそ3,000円前後と、スクールカウンセラーよりは低く設定されています。
(時給参考:文部科学省|資料6 「スクールカウンセラー」について)
3-2電話相談員
文部科学省では全国統一の24時間利用可能の「24時間子供SOSダイヤル」を整備しています。
教員や、臨床心理士などの資格があると採用されやすくなる可能性はありますが、規定では相談業務に従事した経験がある人としています。
- 《資格条件》
- 電話相談や教育相談に関する知識及び経験を有し、本事業の趣旨を理解する者を、都道府県又は指定都市が選考し、電話相談員として認めた者とする。ただし、第三者への委託を行う場合は、この限りでない。
※引用:文部科学省|スクールカウンセラー等活用事業実施要領
時給は1,000円~1,350円程度(深夜割増あり)となっています。
(時給参考:NPO法人関西こども文化協会|24時間子どもSOSダイヤル相談員募集)
04社会人におすすめ心理カウンセリング資格
しかしどちらの資格も、規定の大学院を卒業していなければ受験資格すら得られません。
社会人になってしまった方にとっては、仕事や家事・子育てと両立をしながらの大学生活は非常に困難です。
そういった方は、通信教育で学べる心理資格を取得してみてはいかがでしょうか?
4-1メンタル士心理カウンセラー®
心理学を基本から学べる資格が「メンタル士心理カウンセラー®」です。さまざまなストレスについて学び、ストレスからくる症状や治療方法を身につけられます。
資格取得後はカウンセラーとして活動できます。
受験資格 | 特になし |
---|---|
受験日 | 年6回 |
受験料 | 10,000円(税込) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 正答率70%以上 |
4-2子供心理カウンセラー
乳児期・幼児期・学童期…と、子どもの環境は目まぐるしく変わっていきます。
その成長に応じた関わり方や子どもの悩みに対し助言できるのが「子供心理カウンセラー」資格です。
資格取得後は子ども心理アドバイザーとして親子教室やカルチャースクールなどで活躍できます。
受験資格 | 特になし |
---|---|
受験日 | 年6回 |
受験料 | 10,000円(税込) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 正答率70%以上 |
05まとめ
現在は主に臨床心理士・公認心理師が従事しています。
仕事内容はカウンセリングだけでなく、保護者や教員に対して研修を行ったり、心理的な問題がおこらないように予防することなどがあげられます。
現状では非常勤で働くことが多く、その仕事だけではなかなか生活できないという人が大半です。しかしその仕事の重要性から、今後は待遇が変わってくる可能性もあります。
「諒設計アーキテクトラーニング」では、さまざまな心理資格の取得を目指せる通信教育をご案内しています。心理関連の仕事に就きたいとお考えの方はぜひご検討ください。
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