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アダルトチルドレンとは?原因・特徴・回復までの流れを紹介

「アダルトチルドレン」とは医学的な名称ではありません。
アルコール依存症の親に育てられた人や、「機能不全家族」の中で育った人のことを言います。
アダルトチルドレンは成長してからも生きづらさを感じたり、人間関係を築くのが苦手だと感じたりする人が多いのが特徴です。
中には精神疾患を患う人もいます。
ここではアダルトチルドレンの定義や7つのタイプ、回復までの流れをご紹介します。
毎日を楽しく生活できずに、
「もしかして私はアダルトチルドレンなんじゃないか?」
と心配している方は、参考のためにぜひご覧ください。

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目次

01アダルトチルドレンとは

「アダルトチルドレン」とは病気の名前ではなく、医学的な名称でもありません。
「大人になりきれない大人」と言われることもありますが、それは間違った考え方です。
もともとアダルトチルドレンは、「アルコール依存症の親のもとで育った人」の意味で使われていました。
アルコール依存症の親のもとで育った子どもたちの多くは、大人になると「対人関係」の問題を抱えたり、「生きづらさ」を感じるようになるという共通点が分かってきました。
さらに「機能不全家族の中で育った人」にも同様の共通点があることが分かり、最近ではこれらをまとめて「アダルトチルドレン」と呼んでいます。
「機能不全家族」とは、子どもを育てるための機能を果たしていない状態にある家族のことです。機能不全家族となる要因には、以下のものがあげられます。

《機能不全家族となる要因》
・親からの性的虐待や暴力(肉体的・言動的)
・両親の不仲
・ネグレクト
・貧困
・親からの過剰すぎる期待 など

これらのことからも分かるように「アダルトチルドレン」とは、子どもの頃に何らかの家族の問題を抱えていた人と言えるでしょう。

02アダルトチルドレンの7つのタイプ

アダルトチルドレンの7つのタイプ
アダルトチルドレンには7つのタイプが存在します。ここではそれぞれの特徴をタイプ別にご紹介します。
アダルトチルドレンは7タイプのうちの一つだけに当てはまるわけではなく、複数のタイプを持っている場合が多いです。

2-1ヒーロー(hero/英雄)

「ヒーロー」タイプは、家族から受ける期待値が大きく、頑張りすぎてしまう傾向があります。
承認欲求が強く、期待に応えられずに家族仲が悪くなることを恐れ、さらに頑張ろうと追い込みます。
大人になってからは周囲に認められないことに絶望や怒りを感じ、精神的に不安定になりやすいです。またチームプレーが苦手なのもヒーローの特徴です。

2-2スケープゴート(scapegoat/生贄)

ヒーローとは逆のタイプが「スケープゴート」です。
親から否定され続けることで問題児になったり、人を傷つけるような言動をするようになったりします。
家族の不満や怒りを一身に受け、自分が悪者になることで家族のバランスを保とうとします。
このタイプは大人になっても自己否定し続けたり、自らがDVの加害者になってしまったりするのが特徴です。また存在意義を見つけられず、誰かに好かれることも苦手です。

2-3ロストワン(lost one/いない子)

「ロストワン」は、集団が苦手で目立たないようにおとなしくしているタイプです。
干渉されないために自己主張をすることもありません。
大人になっても集団は苦手で、一人でいることを好みます。職場に馴染めず、引きこもりになってしまう場合もあります。

2-4ケアテイカー(Care taker/世話役)

困っている人に対し献身的にお世話をすることで、自分の価値を感じるのが「ケアテイカー」の特徴です。
自分のことは後回しにし、家族を支えることに徹する子ども時代を過ごします。その結果大人になると、周りからは思いやりがあり優しい人だと思われがちです。
しかし本人は誰かのお世話をしなければ自分の価値を見出せないため、世話をしすぎて相手を依存体質にしてしまうことがあります。

2-5プラケーター(placater/慰め役)

「プラケーター」はとくに女性に多いと言われています。
プラケーターは母親の不満や不安を聞き、慰め役に徹します。周囲からは優しく信頼できると思われやすいタイプです。
大人になってからも誰かから相談され頼られることで自分の存在意義を感じます。
自分を犠牲にしてまで相手に同情してしまうと、プラケーターの気質が強くなります。

2-6クラウン(clown/道化師)

「クラウン」は周りを和ませるために、おどけたり冗談を言ったりする傾向があります。
一見明るい性格で問題ないように見えますが、実際はもめごとが起きないように常にびくびくし、不安を抱いています。
大人になっても自分の感情を押し殺し、作り笑いをし続けるタイプです。

2-7イネイブラー(enabler/支え役)

親の代わりに家族の支え役になるのが「イネイブラー」です。
嫌われたくない気持ちが強く、献身的に尽くしすぎてしまいます。困っている人を見ると「助けなければ」と感じ、頼まれると断ることができません。
大人になってもその傾向は抜けず、自分の子どもに対し過干渉になってしまう傾向があります。

03アダルトチルドレンの特徴

アダルトチルドレンという考え方を世に広めたアメリカの「ジャネット・ウォイティッツ」がまとめた13種類の特徴があります。
特徴は以下のとおりです。

《アダルトチルドレンの13の特徴》
1.正しいかどうか確信が持てない
2.最後までやり遂げられない
3.嘘をつく
4.自分を批判する
5.楽しめない
6.まじめすぎる
7.親密な関係になりにくい
8.コントロールできない変化に過剰反応する
9.他者からの肯定・受け入れを求める
10.人と違うと感じる
11.責任をとりすぎる/とらなすぎる
12.過剰に忠実
13.衝動的・一つのことにとらわれすぎる

これらは他の精神疾患などによって引き起こされることもあります。当てはまるからといって必ずしもアダルトチルドレンだとは限らないため注意が必要です。

04アダルトチルドレンの傾向

アダルトチルドレンの傾向
上記の特徴から、大人になってもさまざまな傾向があらわれます。

4-1世代間連鎖が起きやすい

アダルトチルドレンの傾向の一つに「世代間連鎖」が起きやすいことがあげられます。
世代間連鎖とは、貧困や虐待などの問題が親子間で伝わってしまうことです。親の抱えている問題は子どもに伝わり、それがまた孫にも伝わる可能性を意味しています。
世代間連鎖が起きやすい代表例は以下のとおりです。

・アルコール依存症
・ギャンブル依存症
・毒親(子どもに悪影響を及ぼす親のこと)など

例えば、親から虐待されて育った子どもは、自分が親になったとき同じように自分の子どもに対しても虐待してしまいかねません。
そのことを理解し、負の連鎖が繰り返されないためにどうすればいいのかを考える必要があります。

4-2精神疾患

アダルトチルドレンの疑いのある人が診断されやすい精神疾患には、以下のようなものがあります。

・うつ病
・不安障害
・解離性障害
・PTSD(心的外傷後ストレス障害)
・適応障害 など

ただしこれらの精神疾患は、過去の経験だけでなく現在進行形で感じているストレスや悩みなどが原因の場合もあります。
必ずしもアダルトチルドレンが原因とは言えませんが、不調を感じているのであれば、専門機関でカウンセリングを受けることを検討してみましょう。

4-3人間関係を築くのが苦手

アダルトチルドレンは、子ども時代に人間関係の基本を学べなかったため、どのように人と接したらいいか分かりません。
人との距離感がつかめず過度に依存してしまうこともあれば、誰のことも信用できないなど極端になってしまうこともあります。

4-4生きづらさを感じる

アダルトチルドレンは自己評価が低い傾向にあります。
日々を楽しむこともできず、毎日生きていくことを苦痛に感じやすい性格です。誰かに認めてほしいのに、自分は「他人とは違う」と感じなにもできなくなってしまいます。

05アダルトチルドレンからの回復方法

アダルトチルドレンは病気ではありませんが、医師やカウンセラーに相談することで現在出ている症状を緩和し、本来あるべき自分を取り戻すきっかけを作れるかもしれません。
また自助グループに参加して、アダルトチルドレンとして同じ悩みを抱える人と自分の体験を話し合うことで、つらい気持ちが安らぐこともあります。
自分自身の考え方を意識的に変えることでも対処できます。そのための3つの方法をご紹介します。

5-1過去の自分を認める

アダルトチルドレンから回復する方法は、まず自分を認めてあげることです。
今まで家族にも言えなかったことを、誰かに聞いてもらったり、文章にして書いてみたりしてみましょう。そうすると自分がどんなことに傷ついていたのかを理解できます。
このステップは、アダルトチルドレンについて理解し、自分はダメな人間ではないと気付くのを助けます。

5-2過去と現在を結びつける

過去を含め、今の自分を見つめ直します。
自分史の再構築を行うことで、過去の自分を今までとは違う視点で見られるようになります。
本来の自分を取り戻すためのステップです。

5-3考え方を再構築する

自分の考え方や物事の感じ方を再構築し、感情や行動を本来あるべき方向へと導いていきます。
これは「認知行動療法」ともよばれる心理療法の一種です。自分自身を取り戻し、人間関係を正常に修復する効果が期待できます。
これらのステップは決して簡単に進められるものではありません。過去を振り返るのは苦痛が伴い、さまざまな感情がうずまくこともあるでしょう。
アダルトチルドレンの回復で大切なのは、少しずつでもいいから前進していくという気持ちです。

06心理についての知識を身につける

人とのかかわりや、悩みの解決方法についてもっと深く知りたいという方は、心理学を学んでみるのも一つの方法です。「諒設計アーキテクトラーニング」では、さまざまな心理資格を学べる通信講座をご用意しています。

6-1メンタル士心理カウンセラー®

日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)主催の「メンタル士心理カウンセラー®」は、心理学の基礎知識を学べるため、心理学に初めて触れる方にぴったりの資格です。
資格取得後はカウンセラーとして活動することができます。

6-2子供心理カウンセラー

「子供心理カウンセラー」の通信講座では、乳児期・幼児期・学童期など成長に合わせた子どもとの関わり方や子どもに与える影響、子どもの悩みに対する接し方などが学べます。
資格取得後は子ども心理アドバイザーとして、カルチャースクールなどで働けます。

07まとめ

「アダルトチルドレン」とは、アルコール依存症の親に育てられた人や機能不全家族の中で育った人のことを言います。
大人になっても人間関係を築くのが苦手で、生きづらさを感じるなどの傾向があります。
アダルトチルドレンからの回復には自助グループに参加したり、カウンセリングを受けたりすることが有効です。現在の症状を緩和し、自分らしい生活に戻すためのステップを踏んでいきましょう。
簡単な作業ではありませんが、少しずつでも前進していけるよう努力を続けることが必要です。
アダルトチルドレンに限ったことではありませんが、生きづらいと感じる方は何かの精神疾患が関わっている可能性があります。
一人で悩まずに、誰かに相談して助けを求めることも考えてみましょう。

この講座は!プロの監修を受けています!

講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
あーちゃん 先生
精神科クリニック勤務
1992年生まれ。静岡市出身。精神科クリニック勤務と学校のスクールカウンセラーを兼任しており、普段はカウンセリングや知能検査を実施している。

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