介護食に関する資格の種類とは?取得方法と保有メリットについて解説 | 通信教育講座・資格の諒設計アーキテクトラーニング

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介護食に関する資格の種類とは?取得方法と保有メリットについて解説

人生100年と言われるようになった現代。長生きする人が増えたと同時に「介護」の必要性も高まっています。介護する中で重要なポイントのひとつが食事。一人ひとりの体調や状態に合わせた食事を考えることは必須といえるでしょう。
とはいえおいしくない食事は食べる気にはなりません。そこで最近注目されているのが、介護食に関する資格の取得です。
介護食に関する資格は栄養面も考えた安全でおいしい食事を提供できるスペシャリストに認定される資格で、介護の現場で役立ちます。
ここでは、おすすめの介護食に関する資格の種類や、取得方法についてご紹介します。

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目次

01介護食に関する資格が注目されている理由

介護食に関する資格が注目されている理由
加齢とともに噛む力や飲み込む力が低下すると、今まで普通に食べていた食事が「食べにくい」と感じてしまいます。その食べにくさのせいで食事が楽しくなくなったり、無理矢理飲み込んで誤嚥(ごえん)を引き起こしてしまったりすることがあるのです。
介護食は一人ひとりの体調や機能に合わせて食べやすく作られた食事です。
介護食に関する資格は、そのような介護食を作るプロフェッショナルに認定される資格のため、介護施設や福祉施設で働いている人だけではなく、家で介護している人にとっても非常に役に立ちます。介護食の資格保有者が求められている背景と役割には下記があります。

1-1介護食を必要とする人が増えている

超高齢社会に突入した日本は、今後も少子高齢化は加速すると予測されています。高齢になると、口の周りの筋肉や歯が弱くなり、うまく食事ができなくなるケースも少なくありません。また、若い頃に比べて食欲が低下し、食べる量が減ったり食べられるものが少なくなったりして、本人や家族も気づかないうちに栄養不足に陥ってしまう可能性があります。栄養不足によって体力や筋力、免疫力が低下すると、病気や寝たきりのリスクが高まってしまいます。このような事態を防ぐためには、食べやすさと栄養バランスを両立した食事の工夫が必要なのです。

最近では、平均寿命だけではなく、「何歳まで自立して健康で生きられるか」という健康寿命を延ばすことが重要視されています。高齢者が健康で長生きするには、栄養バランスの整った食事が欠かせません。
このような背景から、噛む力や飲み込む力が低下した人でも安全に食べられる介護食の必要性が、より注目されるようになってきました。

1-2介護食によって高齢者の生活の質向上につながる

介護食の最も重要な役割といえるのが、高齢者の健康を維持することです。高齢者が健康的な生活を送るためには、必要な栄養を無理なく摂取できる食事が欠かせません。
また、食事は単なる栄養摂取ではなく、日常生活の楽しみのひとつになるものです。おいしく食事ができれば精神的な満足感を得られますが、義務的に食べなければいけないと押しつけられると苦痛を感じることもあります。特に、活発に動き回ることの難しい高齢者にとって、毎日の食事は大きな刺激になることも…。だからこそ、「うまく食べられない」「食事がおいしくない」という悩みは、精神的なストレスになってしまうのです。
3度の食事が楽しいものになれば、高齢者の生活の質(QOL)向上にもつながります。高齢者の生活を豊かなものにするためにも、介護食は大きな役割を果たすのです。

1-3高齢者やその家族に安心感を与えることができる

介護食を作る上で必須となる資格はありません。正しい知識さえあれば、高齢の家族などのために介護食を作ることもできるでしょう。ただし、介護食を仕事にするには、専門的なスキルが必要不可欠です。
一口に介護食といっても、噛みやすさや飲み込みやすさに応じて、きざみ食から流動食までさまざまな種類があります。また、食べる人の状態によって、適した食材や形状、やわらかさ、味付けなどはそれぞれ異なります。さらに、介護食を作るには調理技術はもちろん、高齢者の健康や栄養、心理状態に関する知識も求められます。高齢者においしく食事を楽しんでもらえるように、彩りや盛り付けの工夫も必要になるでしょう。

介護食の資格を取得すると、このような幅広い専門スキルを習得し、それを対外的に証明することができます。介護食に関わる仕事に就く上で有利になるのに加え、高齢者やその家族に大きな安心感を与えることができるでしょう。

02おすすめの介護食に関する資格

介護食に関する資格には、さまざまなものがあります。国家資格から、初心者でも取得が目指しやすい資格まで、介護食に関する資格を7つご紹介します。

2-1管理栄養士

管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。この資格は高齢者だけではなく、あらゆる年代に合わせた食事の提供と栄養管理を、専門的な知識と技術を使って行える人に認定されます。
管理栄養士になるための方法は2つ。
「管理栄養士養成課程のある大学で学び、国家試験を受験する方法」と、「栄養士養成課程のある大学・短大・専門学校で学び、栄養士取得後何年か実務経験を重ねたのちに国家試験を受ける方法」です。実務経験年数は、何年間栄養士養成施設で学んだかによって異なります。
試験は簡単ではありませんが、しっかり大学で学び試験に向けて学習すれば、決して取得できない資格ではないようです。受験資格があるため、その点も含めて資格取得を目指すか考えると良いでしょう。

2-2介護食マイスター

介護食マイスターは、日本安全食料料理協会(JSFCA)の認定資格です。介護食の種類や作り方・状況に応じてどのような介護食を選べばいいのかを学び、食事介助の方法に精通した人に認められる資格です。

介護食マイスターの認定試験は、誰でも受験することができます。受験料は1万円で、在宅受験形式です。合格基準は70%以上の正答率と定められています。
なお、介護食マスターは、諒設計アーキテクトラーニングの通信講座で学ぶことができ、自分一人で勉強するのは不安な人におすすめです。

2-3介護食作りインストラクター

介護食作りインストラクターは、日本インストラクター技術協会(JIA)の認定資格です。介護食の役割や介護食の作り方などの知識を習得したことを証明します。介護食に欠かせない栄養バランスや高齢者一人ひとりに合わせた介護食づくりなど、取得には幅広い知識が必要です。

介護食作りインストラクターの認定試験は、誰もが受験可能。受験料は1万円で、在宅受験形式です。合格基準は70%以上の正答率と定められています。
なお、介護食作りインストラクターは、諒設計アーキテクトラーニングの通信講座で学ぶことができ、資格取得後は、さまざまなフィールドで活動できるでしょう。

2-4介護食士

介護食士は、内閣総理大臣認定の公益社団法人全国調理職業訓練協会が認定する資格です。1〜3級まで3つのグレードに分けられています。
介護食士3級は誰でも受験できますが、協会が開催している講習会を受けなければいけません。高齢者の身体的機能の特徴や栄養に関する知識のほか、食品の扱いや調理する際に必要な衛生面の知識も必要です。講習会後の修了試験に合格すれば取得できます。
介護食士2級は、受験資格が介護食士3級の資格取得者で、講習会を受けた人です。医学的基礎知識や高齢者の心理面・生活習慣病を予防する食事についても学びます。
介護食士1級は、介護食士2級の資格に加えて2年以上の介護食調理の実務経験が必要です。栄養状態を判断する知識や食品と薬との関係など、より専門的な知識が求められます。
介護食士3・2級は比較的取得しやすいですが、介護食士1級は実務経験も必要とされるため取得難度は高いです。

2-5介護食アドバイザー

介護食アドバイザーは、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する資格です。有資格者は、高齢者の心理・病気・栄養に関する正しい知識を持ち、介護食レシピを実践できる技術があると証明されます。
こちらの資格試験は、協会指定の認定教育機関が主催するカリキュラムを修了した人しか受験できません。受験料のほかに講座受講料も必要です。試験はカリキュラム修了後にいつでも在宅で受験可能です。講座をしっかり受講して知識を身に付ければ、比較的簡単に取得できるといわれています。

2-6介護食コーディネーター

介護食コーディネーターは、一般社団法人日本味育協会の認定資格です。介護食の正しい知識や調理スキルだけではなく、栄養や食事介助の基礎知識も必要です。
指定の通信講座を受講後、課題を提出し資格試験に合格すれば取得できます。受験料は講座受講料に含まれています。課題を通して知識の確認をするため、比較的取得しやすい資格です。

2-7介護食コンサルタント

介護食コンサルタントは、一般社団法人日本能力教育促進協会(JAFA)が認定する資格です。介護食の基礎知識から具体的な実践方法・食の重要性に至るまで、介護食のいろはを十分理解していると証明してくれます。
協会が指定する認定機関の講座を受講しなければ取得できません。受験料は講座料に含まれ、講座受講後なら試験はいつでも在宅で受けられます。講座をしっかり受講して知識を身に付ければ、比較的簡単に取得できる資格です。

03介護食に関する資格を取得する方法

介護食に関する資格を取得する方法
介護食に関する資格は、具体的にどのように取得したらいいのでしょうか?ここからは取得を目指すための方法についてご説明します。

3-1書籍などで独学する

資格取得のための方法として最も手軽なのは、参考書やウェブの情報を利用した独学です。
この方法のメリットは自分のペースで学習を進められることです。仕事や育児などで自分の時間が限られている人でも、都合の良いタイミングで勉強できます。また、学校や通信講座だとまとまったお金が必要ですが、独学の場合は参考書の購入のみなど最低限のお金で学べます。
しかしこの方法には挫折する人が多いという声も。自分一人での学習では、励まし合える仲間や質問できる相手がいないため、モチベーションを維持するのは難しいこともあるようです。
またどのように学習を進めていくのか自分で考えなくてはいけないこともあり、学習計画を間違えると必要のない知識に時間を取られてしまったり、学ばなくてはいけない知識が抜けていたりといった、学習にロスが出ることもあります。目標に向かって適切な学習計画を立て、それを行える強い意思を持った人でなければ難しい方法といえるでしょう。

3-2専門学校、大学に通う

確実に知識を身に付けたい人におすすめなのは、大学や専門学校・スクールに通う方法です。
この方法のメリットは直接対面で講師が指導してくれること。目の前で見て学べ、自分の手技を直接見て指導してもらえるため、効率的に知識・技術の習得ができます。特に調理の技術を直接見られるのは大きいです。わからないことがあればリアルタイムで講師に質問できます。
また同じように資格取得に向けて学ぶ仲間がいることも大きなメリットでしょう。ともにがんばる姿を見て自分のモチベーションも上げられます。
一方で場所や時間が限られているというデメリットも。日中働いている人や育児・介護でまとまった時間を取りにくい人の場合、指定された時間に授業を受けられないこともあるかもしれません。
またまとまった授業料が必要です。大学に通うとなると数百万円という額になる可能性もあるでしょう。独学と比較すると気軽に選べる方法ではないかもしれません。
しかし管理栄養士など大学を卒業でないと取得できない資格や、協会が指定したスクールに通わないと受験できない資格があるため、選ぶ資格により対応を考える必要があります。

3-3介護現場で実践から身に付ける

高齢者施設などに就職し、働きながら介護食の知識を身に付けていく方法もあります。
少子高齢化の影響もあり、介護業界は人手不足が続いているため、未経験でもやる気のある人なら高齢者施設で働くことは可能でしょう。実際に高齢者や家族と話をしたり、食事の介助をしたりする中で、「どんなメニューが喜ばれるのか」「介護食に求められているものは何か」といったことが、より明確に見えてくるかもしれません。高齢者にとっての食べやすさや栄養はもちろん、食べさせる側の介護者にも配慮した食事作りを学ぶことが可能です。

ただし、資格や経験がない場合は、初めから介護食に関わる業務に携われるとは限りません。就職してからは「介護食の仕事がしたい」という意欲をアピールしつつ、自分でも勉強を進めていく必要があることも。努力や希望が認められれば、調理補助や盛り付け作業などから始まり、いずれは介護食のメニュー開発にも携われるようになるかもしれません。職場によっては、資格取得に向けたサポートが受けられる場合もあります。

3-4通信講座で学ぶ

介護食に関する通信講座はたくさんあります。通信講座で学ぶ方法のメリットは自分の好きなタイミングで講座が受けられること。
まとまった時間が取れなくても空いた時間に自分のペースで学習を進められます。独学と異なり専用の教材が用意されているため無駄なく知識を習得可能です。サポート体制が充実している講座が多く、わからないことは講師に聞けるサポート体制も整っていることが一般的です。
またどこでも学習できるため自宅で気軽に取得対策できる点もメリットのひとつ。一方で、自分のペースで進めていく必要があるため、飽きっぽい人には向きません。コツコツと計画を立てて学習を進めていける人におすすめです。

04介護食に関する資格を持つメリット

介護食に関する資格は、介護業界や食品業界でキャリアアップしたい人のほか、高齢の家族や親族がいる人にもおすすめです。介護食に関する資格を取得する主なメリットをご紹介しましょう。

4-1活躍の場が広がる

高齢者向けの介護施設をはじめ、訪問介護のヘルパー、宅食サービスを手掛ける外食業界など、介護食に関する資格を持つ人の活躍フィールドは多岐にわたります。食事と健康の関係性が重視されている昨今、介護食に関する資格保有者へのニーズはますます高まっています。活躍の場を広げたい人や、すでに介護食として働いている人にとって、資格取得はキャリアの幅を広げるきっかけになるはずです。
また、近年では介護食市場も拡大傾向にあり、温めるだけで簡単に食べられるレトルト介護食など、多種多様な商品が登場しています。介護食の資格を活かして、介護食を扱う食品メーカーで企画や商品開発、マーケティングなどに携わることも可能です。そのほか、介護食のメニューや作り方などを教える料理家として活動する道もあります。

4-2就職に有利になることも

高齢者などを対象とした介護食は、一般的な食事に比べて、健康に及ぼす影響がより大きくなります。そのため、介護食に関する仕事をするなら、高齢者の健康や栄養などに関する専門知識は必須です。
しかし、介護業界の中でも、介護食の専門知識を持つ資格者はまだまだ少ないのが現状です。資格があれば、介護食に関する専門的な知識やスキルを持つ証明になるため、介護業界への就職を希望する際に大きな武器になります。

さらに、介護食の資格は、介護業界以外への就職や転職を希望する際にも活かせます。例えば、資格を通して身に付けた栄養の知識は、食に関わるあらゆるシーンで役立つはずです。近年では高齢化の影響もあり、高齢者向けのメニューを提供する飲食店なども増えています。介護食に関する資格があれば、高齢者でもおいしく食べられるメニューや、塩分控えめなど健康志向のメニューを開発することもできるでしょう。

4-3家族のケアに役立つ

介護食に関する資格は、両親や祖父母など身近な人の健康サポートにも役立ちます。高齢の家族や親族がいる場合、資格を通して学んだ介護食の知識を、毎日の食事づくりに活かすことができます。
健康状態に合わせたおいしく食べやすい食事は、年齢を重ねても食べる楽しみを実感することができ、必要な栄養をバランス良く摂取できれば、体力や免疫力の低下を防ぐことにもつながるでしょう。「高齢の家族や親族にいつまでも元気で長生きしてもらいたい」と考えている人にとって、介護食に関する資格は非常にメリットが大きいといえます。

そして、資格を活かして作る介護食は、家族とのコミュニケーションにも一役買ってくれます。彩りや盛り付けを工夫すれば食卓が華やかになり、家族の気持ちも明るくなるはずです。今は介護が必要でなくても、将来的に家族を介護しなければいけない時期がやってくるかもしれません。時間と気持ちに余裕のあるうちに介護食の知識を学んでおけば、いざというときにも慌てずに対応できます。

05介護食に関する資格で高齢者の健康をサポートしよう

年齢を重ねるうちに、噛む力や飲み込む力は弱まってしまいます。介護食は、そのように食事に難がある人の助けとなる食事です。
介護食資格を取得するなら、一人ひとりに合わせた安心でおいしい食事を提供することができます。
介護食資格にはさまざまな種類がありますが、どの資格取得を目指すかは、受験条件や難度・自分のライフワークバランスなどを総合的に考えて決めるといいでしょう。
健康寿命がどんどん延びている昨今。介護食資格はさらに需要が高まる資格だといえます。
通常の食事とは異なる介護食に精通したプロを目指し、資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか?

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講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
石本淳嗣 先生
尼崎食支援研究会運営
1959年大阪生まれ。介護食資格保持者フードスタディマイスター。
石本淳嗣

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