噛む力が衰えたときに!ソフト食の基本と作り方について | 通信教育講座・資格の諒設計アーキテクトラーニング

0120-757-592
(平日9:30〜18:00)
噛む力が衰えたときに!ソフト食の基本と作り方について資格取得講座
介護食マイスター®

噛む力が衰えたときに!ソフト食の基本と作り方について

高齢者の介護で食事は非常に重要です。噛む力や飲み込む力が低下している高齢者の食事の中でも用いられることが多いのが「ソフト食」。ではソフト食とはどのようなものなのでしょうか。今回はソフト食の特徴や作り方についてご紹介します。

噛む力が衰えたときに!ソフト食の基本と作り方について

介護食マイスター®の資格を取得したい方へ

家にいながら、最短2ヶ月で資格が取れる!
目次

01ソフト食(やわらか食)とは?

「やわらか食」と呼ばれることも多いソフト食。そもそもソフト食とはどのようなものを指すのでしょうか。

1-1食材を一つずつ個別にミキサーにかけて固め直したもの

ソフト食とは、簡単に言えば食材を一つずつミキサーに掛け、それを再度固め直した食事のこと。一度ミキサーにかけることで、あごの筋力が低下して噛む力が弱くなった高齢者でも噛みやすいのが特徴です。さらに、再び固め直しているため、噛んだあとも口の中に残りにくく、まとまりやすいという利点もあります。
また、高齢者の場合には胃腸の働きも衰えているため、消化不良を起こしたり、そもそも食欲を感じないということも珍しくありませんが、もしきちんと食事ができないと、健康状態が低下、生きる意欲を失ってしまうこともあります。
単に食材を柔らかく煮たり蒸したりする食事では消化が難しいこともありますが、ソフト食はミキサーにかけているため消化と吸収が簡単。盛り付けなども普通の食事に近いことから、美味しそうな見た目と香りで食欲をアップさせる効果もあります。

1-2きざみ食やミキサー食のデメリットがカバーされている

ソフト食の特徴は、食材を細かく刻んだ「きざみ食」や、ミキサーにかけた「ミキサー食」のデメリットがカバーされている点にもあります。
そもそも、これらの食事は見た目が悪く、食欲を感じないこともありますが、ソフト食は見た目は普通の食事と変わらないため、食欲不振に陥る心配がありません。
特にミキサー食の場合、食材はすべてペースト状になっているため、何を食べているのか分からないということになってしまうもの。高齢者は身体の状態だけでなく、味を感じる味覚や香りを感じる味覚の働きも衰えているため、さらにどんなものを食べているのか分からなくなり、食事がつまらないものになりがちです。
しかし、ソフト食はミキサーにかけた食材を再び成型しているため見た目が普通食に近く、自分がどのようなものを食べているのかをはっきり認識することができます。
また、高齢者の食事で心配なのが誤嚥。誤嚥は食べ物を飲み込む力や、口の中で咀嚼した食べ物をまとめるの低下によって起こるもので、食物のかけらや水分が気管に入ってしまうことで誤嚥性肺炎につながることもあります。
しかしソフト食の場合にはきざみ食のように口の中でばらばらになってしまうことも少なく、誤嚥を起こしにくいというメリットもあります。

02高齢者ソフト食の特徴

高齢者の心身にとって様々なメリットがあるソフト食。
ソフト食の特徴は食事の見た目と香りを楽しめるという点。この点は食事によって生きる意欲を高めるためには非常に重要です。
食事は誰にとっても楽しみですが、高齢者になると食事を楽しめなくなってしまいがち。しかし、ソフト食を用いることで、いつまでも次の食事を楽しみにするという心の動きが生まれます。
また、歯がない人でも歯茎や舌を使って押しつぶせることや、すでに固まりになっていること、滑りがよいことで喉を通りやすいといった点も重要です。
高齢者は様々な点に身体の衰えが現れますが、その衰える部分は人によって様々。さらに将来の衰えを予想して、早めにミキサー食などを導入した場合、まだまだ元気な部分も弱りがちになってしまいます。
その点でも、つなぎなどを使わず口の中でまとまりやすいソフト食を用いることは、高齢者の健康維持に非常に役立つということができるでしょう。

03高齢者ソフト食の位置づけと導入ステップ

高齢者の介護食には様々な種類があるもの。また、それらの介護食を導入するためには、適切なステップが重要です。

3-1きざみ食:咀嚼機能の低い人

高齢者の介護食の中でももっとも最初に使われるのが「きざみ食」です。きざみ食は、普通食の食材を細かく刻んだ食事のことで、口がなかなか開きにくい人や、固いものを噛む力が弱くなっている人など、咀嚼機能が低下している場合に用いられます。
きざみ食は内容的には普通食とほぼ変わらないことや、何を食べているのかがはっきり分かることなどのメリットもありますが、口の中でばらばらになりやすく誤嚥を起こしやすいというメリットがあります。
最近、食べ物を食べると疲れてしまうという場合や、入れ歯に問題があるという場合に用いるのがよいでしょう。

3-2ミキサー食:嚥下機能の低い人

「ミキサー食」は、食材をミキサーにかけたもので、食べ物の形が残らないことが特徴です。
高齢者の場合、食べ物を噛む力だけでなく飲み込む力も衰えますが、ミキサー食は噛む力と飲み込む力が衰えた人向けの食事。単に食材をミキサーにかけるだけでなく、ゼラチンゼリーなどを使用することでより滑らかに喉を通る状態に仕上げられています。
ミキサー食は、咀嚼と嚥下の機能が低下している場合だけでなく、胃腸が衰えている場合でも消化と吸収が容易に行われるため、高齢者に向いた食事です。
また、ミキサー食で重要なのが水分。ミキサーを回すためにはある程度の水分が必要になるため、ミキサー食は通常よりも多くの水分を補給することができます。
しかし、多くの水分を使うとどうしても味が薄くなり、分量が増加。結果として、食事を残しがちになり、必要な栄養が補給できないということになってしまいます。
さらに、すべてをミキサーにかけてしまうことから、何を食べているのか分からないということになりがちです。

3-3ソフト食:咀嚼から嚥下までしやすい

ソフト食は一度食材をミキサーにかけているため、非常に柔らかい状態。そのため、咀嚼に問題がある人でもスムーズに食事を楽しむことができます。また、ミキサーにかけた食材を再び固めていることから、嚥下も簡単に行うことができます。
また、きざみ食のように誤嚥が起きる可能性も少なくなり、ミキサー食のように食欲が減退してしまうこともありません。
そのため、咀嚼と嚥下の双方または片方だけに問題がある場合にも用いることができます。

3-4導入ステップ

ソフト食は、身体の機能の衰えとともに導入するのが一般的。
ただし、いきなりすべての食事をソフト食にしてしまうよりも、普通食が難しくなったら、まずは食材の煮込み時間を長くしたり、圧力鍋を使用したりする軟菜食を用いましょう。
軟菜食は普通の食事と見た目は変わらないため、食事の楽しみが失われることもありません。また、あごやのどの筋肉を使うことから、衰えの速度を抑える効果も期待できます。
それでも軟菜食が難しい、食が進まないということになった場合、まずおかずのどれかをソフト食に置き換えて少しずつ慣れていくという方法がよいでしょう。

04ソフト食の作り方

高齢者にとってメリットの多いソフト食。では家庭でソフト食を作るときにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。

4-1食材選び

ソフト食を作るときには、まず繊維の少ない食材を選ぶことが必要です。繊維質が多いものの場合、ミキサーにかけても繊維が残ってしまうことがあります。
もし肉や魚を使うときには、赤身の部分は避けて脂肪が多く含まれている部位などを選ぶとよいでしょう。

4-2調理の方法

調理を行うときには、片栗粉やゼラチンでとろみをつけることが必要です。もし汁物などがサラサラしていると誤嚥の危険性が高くなります。
また、飲み込みやすくするためにはオリーブオイル、ごま油やバターなどの脂質を使うという方法も。油の香りは食欲を刺激するので、食欲が減退しがちだという場合にも役立ちます。

4-3つなぎを使用

口の中に入れた食材がばらばらになってしまうと、飲み込みにくくなり誤嚥の可能性が高くなってしまいます。
それを防ぐためには、つぶした食材同士をつなげるための卵や片栗粉、油などを活用します。
また、つなぎを使うと柔らかさを調整できるというメリットも。
歯の状態などにもよりますが、舌でつぶせる程度のほどよい硬さにするとよいでしょう。

05ソフト食の食材ごとの調理ポイント

ソフト食を作るためには、食材によって気を付けたい調理のポイントも異なります。

5-1野菜

ソフト食の中心の食材となるのが野菜です。野菜はできるだけ繊維を少ないものを選ぶと食べやすくなりますが、繊維が少なすぎると便秘などが心配になるもの。
ある程度の繊維が含まれている食材を使用するときには、繊維を垂直に断ち切る方向でカットすると、繊維が短くなり、ミキサーに残ることがありません。
また、出来るだけ薄く食材をカットするように注意するとよいでしょう。

5-2

高齢者にとってうれしいのが魚を使ったメニューです。魚を選ぶときにはしっかり脂がのったものを選びましょう。脂質が含まれている油は加熱してもバラバラになりにくく、のど越しもよくなります。
また、魚の骨はあらかじめ取り除いておくこと。骨が残っていると、口腔内を傷付けてしまうことがあります。調理の際には、つなぎを利用してまとめていくと、バラバラにならず、まとまりやすく扱うことができます。

5-3

肉を選ぶときにも、脂肪が多い部分を選んだほうがよいでしょう。もし赤身などを選ぶ場合には、しっかり筋を切った上で、叩いてから調理すると繊維がほぐれて肉が柔らかくなります。また、食べやすいイメージのあるひき肉ですが、実際は加熱するとバラバラになりやすいもの。もしひき肉を使用する場合には、卵などをつなぎに加えて口の中でバラバラにならないようにしましょう。

06まとめ

噛む力や飲みこむ力が衰えても、ソフト食を用いることでいつまでも食事を楽しむことができます。もし介護の食事に悩んでいるという方は、ぜひ一度詳しい知識を学んでみてはいかがでしょうか。

この講座は!プロの監修を受けています!

講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
石本淳嗣 先生
尼崎食支援研究会運営
1959年大阪生まれ。介護食資格保持者フードスタディマイスター。
石本淳嗣

20,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
あなたも早速受講して、資格を取得しましょう!
あなたも資格取得へ!
諒設計アーキテクトラーニングの通信講座で最短資格取得
無料資料請求
受講お申し込み

トップ
に戻る