こうすれば学べる!介護食の資格と勉強について
介護の中でも食事は非常に大きな問題。もし家族の介護を行う場合や、これから介護業界で働きたいと思っている方にとって、介護食の資格は非常に役立つものです。では介護食の資格にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は介護食の資格と勉強の方法についてご紹介します。
- 目次
01介護食とは?
1-1高齢者にとって食事・食材の食べにくい部分を改善して食べやすくした食事
介護食とは、簡単にいえば高齢者にとって食べやすい食事のこと。高齢者はどうしても咀嚼や嚥下の力が衰えてしまうもの。また、食事のメニューや使用する食材によっては食べにくいものも増えてきます。
高齢者独特の食べにくい点を改善し、食事を楽しめるように作られたものが介護食と呼ばれるものです。
1-2高齢者の口腔機能の状態にあわせた介護食がある
一口に介護食といっても、その中には様々な種類があります。というのも、身体のどの機能に衰えがあるのかは人によって異なるもの。また、歯など口の中の口腔機能にも人それぞれの違いがあります。
単に食事を細かくした「きざみ食」やミキサーにかけて食べやすくした「ミキサー食」、歯茎や舌だけでも簡単につぶして飲み込める「ソフト食」など、どの程度食べる力があるかによって使い分けることができるのが介護食の特徴です。
1-3高齢化する社会で需要が高まっている
現代は急速に高齢化が進む少子高齢化の時代。まだまだ専門家の数も不足しているだけではなく、今後はさらにその需要は高まっていくと予想されています。
特に食事は介護の中でも非常に重要な存在。介護に関する食の知識を身につけておくと、就職や転職で待遇が有利になることはもちろん、家庭で介護を行う場合にも非常に役立つことでしょう。
02介護食の需要と活躍の場
2-1介護業界・福祉業界
介護食の知識や技術が活用できる場所としては、なんといっても介護業界や福祉業界が挙げられます。
特に介護施設や訪問介護などでは食事が欠かせないものですが、多くの人は専門知識がなく、限られた知識で食事の準備をすることも少なくありません。
そういった現場では、介護食の正しい知識と技術はすぐにでも必要とされています。
また、介護食の資格を取得しておくと、病院での管理栄養士などとしても活躍することができます。
2-2飲食業界・食品業界
介護食の知識と技術は、飲食業界や食品業界でも必要とされています。
現在、介護食のマーケットは急拡大中。そのため、メーカーでは使いやすい介護食の開発が急務となっています。
もし介護食の資格を取得すれば、商品開発やメニュー開発の現場でも役立つと考えられます。
2-3在宅介護
「できるだけ自宅で過ごしたい」と考えている高齢者の方は多いもの。さらに住んでいる地域や生活状況によってはなかなか施設に入所できないという方も少なくありません。
その場合、自宅での介護が必要になりますが、介護食の資格はその場合でも役立ちます。
しっかりと食事を食べることができればその分、健康で過ごせる時間が長くなるもの。介護される人にとっても、美味しく食べやすい食事は元気の源です。
つまり、介護食について知っておくことは、介護する人にとっても、される人にとっても大きなメリットを生むことになります。
2-4自分の老後や将来への備え
今後、さらに高齢者人口が増加することが考えられる現代では、自分の老後や将来の備えは自分自身で行う必要があります。
健康で元気なうちから介護食の知識や技術を身につけることは、将来家族の誰かが介護を必要としたときだけでなく、自分自身が高齢者になったときにも役立つことでしょう。
03介護食の資格の種類
3-1介護食士
介護食士は公益社団法人「全国調理職業訓練協会」が主催する認定資格制度。要介護者向けの介護食に関して専門的な知識と調理技術の持ち主に与えられるもので、訪問介護や介護施設の栄養士、調理師などの多くの人がこの資格を取得しています。
介護食士には一級から三級までがあり、それぞれ学科や実習を合わせて七十二時間の講習会に出席、試験を受験して合格することが資格取得の条件となります。
3-2介護食マイスター
「介護食マイスター」は「日本安全食料料理協会」が主催する資格です。介護食についての基本的な知識の持ち主に与えられる資格で、介護食の作り方はもちろん、介護食の種類や食べ始めるタイミング、常態に応じた介護食の種類などについての知識が必要になります。
また、高齢者と栄養の関係や具体的なケアについての知識や技術を身につけることができるため、介護食についてくわしく知りたいという方にもおすすめの資格です。
3-3介護食作りインストラクター
「介護食作りインストラクター」は「日本インストラクター技術協会」が主催する資格です。
介護食作りインストラクターはインストラクターとしての介護食の役割や介護食の作り方に関する基本的な知識が必要になります。
介護食の栄養バランスや施設での食事はもちろん、誤嚥が原因で起きる肺炎を防止するための注意点や高齢者の口腔ケアに関しても学ぶことができます。
さらに高齢者の機能低下に応じた様々なレシピを学ぶことも可能。資格取得後は介護食作りインストラクターとして自宅やカルチャースクールなどで講師として活躍することも可能です。このように介護食には様々な資格があるため、自分の目的に合わせて資格を選ぶことが重要になります。
04介護食のいろいろな勉強方法
4-1教室、スクーリング
介護食に関する資格取得を目指した場合、専門学校や民間の教室、スクーリングで学ぶという方法があります。
これらの学校に通った場合の大きなメリットは、短期間に専門知識を効率的に学ぶことができるということ。通学の場合、実技に関する講習が行われることも多いため、実際に介護食を作る場合の注意点などを細かく身につけることができます。
また、学校に通うメリットのひとつが、同じ資格を取得するための仲間や友人ができるということ。それぞれの勉強や介護についての悩みを相談できる相手を見つけることができるのは通学の大きな長所です。
ただし、通学の場合にはある程度の学費が必要。通学などに時間がかかる場合もあります。
4-2通信講座
もし学校に通う時間がない、経済的に学費を払うのが難しい、近くにスクールがないという場合には通信講座で学ぶという方法があります。
通信講座のメリットは自分の都合で勉強できるということ。テキストやカリキュラムもしっかりしているため、効率的な学習を進めることが可能です。
ただし通信講座の場合も学費は必要。また、実技などを学ぶのが難しいというデメリットもあります。
4-3独学
もしできるだけコストを掛けずに学びたいという場合には、書籍やネットを通じて独学を行う方法もあります。
独学のメリットは何と言ってもお金がかからないこと。図書館やネット、動画の情報を利用すれば、無料で知識を身につけることができます。
ただし、分からないことがあっても質問できない、効率的な学習が難しいという点がデメリットです。