憧れの職業!華道家の仕事と年収について
生け花や華道を習っている人の中には、いつかは華道家として働きたいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。では、実際の華道家の働き方はどのようなものなのでしょうか。また、年収はどの程度なのでしょうか。今回は華道家の仕事や年収についてご紹介します。
- 目次
01華道家の働き方
1-1認定華道教室
華道家としての仕事の中心は、自分が学んだ華道の技術や生徒を教えることになります。その場合、自分自身の教室を開くだけではなく、所属している流派や卒業した学校の認定華道教室で講師になるという方法があります。また、自分と関わりのある華道家のアシスタントとして働くこともあります。
1-2企業に就職
意外に思えるかもしれませんが、華道家として企業に就職、そこで活躍するというケースも少なくありません。
たとえば華道教室や専門学校の講師だけでなく、ブライダル会社、結婚式場、ホテルなどの施設で華道の技術を生かして作品を作るというケースも。これらの業界は技術を身につけた華道家は引っ張りだこ。その他にも、イベント業界や飲食業界、空間デザインなどの世界でも華道の技術は求められています。
1-3独立開業、フリーランス
華道家の中には、自ら独立開業したり、フリーランスとして働いたりする人も少なくありません。
独立開業の中でも多いスタイルが、自宅で華道教室を開くというもの。自宅で華道教室を開けば、多くの資金は不要で自分の時間の都合に応じて働くことも可能です。
また、自宅ではなく別の場所に教室を借りたり、カルチャースクールの講師として働いたりという方法もあります。その他にも、定期レッスンや個人レッスン、スポットレッスンで華道を教えるという出張講師としての働き方も。
さらに、開いた時間を利用して展覧会に出展したり、作品展を開催することで注目を集めて、イベントや施設などから作品や空間プロデュースの依頼を引き受けることもあります。
02華道家の仕事内容
2-1華道教室の講師
華道教室の講師として働く場合には、教室を自宅で開くか、別の場所に借りるか、カルチャースクールの講師になるかなどによって働き方は大きく変わります。
また、華道の講師として働くときには、企業などの団体や学校への出張講師として働くことも多いもの。さらに近年では、外国人向けに華道を教えるワークショップなどの依頼も増加。その際には英語での対応も必要になります。
2-2展覧会への出展
一度華道家になったからといってそれがゴールというわけではありません。華道家は常に自分の技術を高めて新しい作品を作り続けなければならないもの。
そのため、定期的に展覧会に出展する華道家は少なくありません。
展覧会への出展には、依頼を受けて作品を製作することもありますが、数人の華道家で共同の展覧会を開いたり、公募の作品展に応募するなど様々な種類があります。
2-3店舗、施設の空間デザイン
お店や公共施設のディスプレイには花は欠かせないもの。そんなとき、店舗や施設から作品を作って欲しいと依頼されることもあります。
作品を提供する場所は、ホテルや旅館などのホテルや旅館などの宿泊施設、レストランや料亭などの飲食店、美容関係などの店舗など幅広く、それらのニーズに合わせて作品のカラーを決める必要があります。
また、展示スペースによってサイズも様々で、大きな作品を作るだけでなく、小さな作品をいくつも展示することがあります。
もし展覧会などで有名な賞を受賞すると、ひとつの作品だけでなく、店舗や施設全体の花に関する空間デザインを依頼されることも夢ではありません。
2-4イベント会場の空間デザイン
華道家の活躍する場所としては、結婚式や葬祭関係が一般的ですが、それ以外にもレセプションパーティやコンサートといった多くの人が訪れる場所では多くの作品が必要になります。
これらのイベント会場での仕事は華道家としてステップアップするためにも重要です。
2-5企業就職の場合
華道家として企業に就職した場合、業種や企業の規模によっても異なりますが、華道以外の業務と兼任になることも少なくありません。
華道だけに打ち込むことは難しい場合もありますが、収入が安定するというメリットもあります。
03華道家の年収・収入
3-1働き方や生徒数、金額設定などによってさまざま
華道家には様々な働き方があります。そのため、どんな働き方をするかによって収入は上下します。
教室を開いている場合でも、生徒の数や月謝などの金額設定によって収入は異なりますが、一般的な平均年収は約250万円から350万円程度と言われています。
ただし、生徒や弟子の数が多い場合や、数が少なくても高い料金設定をしている場合には収入は大幅にアップします。
その他にも、小さなワークショップやスポット講師の数を増やすといった方法で収入を安定させている華道家の方も少なくありません。
3-2基本的に収入は安定しない
華道家はやりがいのある仕事ですが、収入面で安定することは非常に難しいといえるでしょう。
たとえば華道教室の場合には生徒数が収入に直結しますが、華道教室の数は非常に多いため、新規の生徒の獲得はなかなか難しいもの。特に教室を始めた直後では、生徒が集まらず収入が月に数万円ということも珍しくありません。
ただし、教室や講師のオリジナリティをアピールしたり、上手に教室の特徴を伝えたりと工夫することで生徒数を増やし、収入のアップを狙うことも可能です。
その点、外部のスクールやカルチャーセンターでの講師は比較的集客が簡単ですが、こちらも契約の形態や授業の数が収入に影響します。特に花や器、道具などの経費も必要になるため、あらかじめしっかり契約を確認する必要があります。
講師以外の華道家の仕事としては空間デザインが挙げられます。空間デザインの仕事に対する報酬は、華道家としての知名度が大きく影響します。依頼の数も収入に直結するため、実際には講師として働きながら空間デザインの仕事も手掛けるという人が多いようです。
3-3企業就職の場合、収入は安定
もし華道家としての収入を安定させることを目標にするなら、企業に就職するのがおすすめの働き方。
冠婚葬祭関係や生花業の場合、多くの華道家が社員や職員として働いています。その場合、月収や年収は企業の規模によって異なり、大手企業であれば好待遇が期待できます。
ただし、華道や空間デザインといった仕事以外の業務との兼務になるというデメリットも。企業の雇用形態によっても異なりますが、華道や空間デザインよりもそのほかの業務が中心になるといったケースも考えられます。
04華道家として高収入を得るには?
4-1メディアへの露出
有名な華道家になるために重要なのがメディアへの露出です。特にテレビなどに取り上げられた場合には一気に知名度がアップ、依頼の数だけでなく単価も上がるため、高収入に直結します。
といっても、急に大きなメディアに取り上げられるのもなかなか難しいもの。そんなときにまずおすすめなのがSNSや動画サイト。これらのメディアを活用して知名度アップを狙って活動する華道家も少なくありません。
4-2個展やコンクールへの出品
華道家として知名度をアップするための方法としては、個展やコンクールへの出品も重要な方法です。
華道家にとって重要なのはどのような作品を作ることができるのかということ。実力を認められて大きな賞を受賞することは、華道家として活躍する上で必要不可欠といえるかもしれません。実際に何度もコンクールで賞を受賞して一般にも知られるようになり、有名な華道家になった方は少なくありません。
4-3出版、講演
華道家としてある程度の知名度が生まれると、出版や講演といった依頼も増えるもの。これらの仕事は時間と労力が必要になりますが、知名度を高めるためには絶好の機会です。