しつけに役立つ犬のマズルコントロールとは?基本知識とやり方について | 通信教育講座・資格の諒設計アーキテクトラーニング

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しつけに役立つ犬のマズルコントロールとは?基本知識とやり方について

慣れていない人にとって犬のしつけは難しいもの。もしかすると専門家でなければできないと思っている方も多いかもしれません。そんな方におすすめなのがマズルコントロールです。今回は犬のマズルコントロールについての基本知識ややり方についてご紹介します。

しつけに役立つ犬のマズルコントロールとは?基本知識とやり方について

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目次

01マズルコントロールとは?

「マズルコントロール」という言葉を始めて聞いたという方も少なくないはず。それではこのマズルコントロールとはどのようなものなのでしょうか。

1-1マズルとは

「マズル」とは、犬の口の周りから鼻先の部分のことです。「口吻」と呼ばれることもあり、英語では犬の口から鼻の部分だけでなく、犬につけられる「口輪」を指すこともあります。
このマズルは犬にとって非常に敏感な部分。ここを触られるのを嫌がる犬も少なくありません。この習性を利用した犬のしつけが「マズルコントロール」と呼ばれるものです。

1-2犬のマズルコントロール

マズルコントロールは、本来は母犬が子犬に行うしつけです。やってはいけないことをやった子犬のマズルを母犬が噛むことで、それがルール違反であることを伝えると同時に、「自分は守れるぐらいに強い」ということを教える行為です。
それを人間が行うのが犬のマズルコントロール。
マズルコントロールを行うことは、犬に対してルールや上下関係を教えることにつながります。

02犬のマズルコントロールをする目的

犬のしつけには様々な意味があるものですが、マズルコントロールを行うにはどのような目的があるのでしょうか。

2-1本来母犬が行うことを飼い主が疑似的に行う

すでに説明したように、マズルコントロールは本来母犬が行うもの。生まれたての子犬はまだまだルールを理解していないため、遊んでいるつもりでも強く噛みすぎてしまったり、興奮して無駄吠えをしたりという行動が多いもの。それをやめさせて、「やってはいけないことだ」と教える犬のボディランゲージです。
しかし、すべての子犬が母親からマズルコントロールによるしつけを行われるわけではありません。
そこで母犬に変わって、飼い主がマズルコントロールを疑似的に行います。

2-2飼い主がリーダーであることを理解させる

マズルコントロールには、誰がリーダーであるのか理解させるという役割があります。犬は群れで生活する生き物なので、リーダーが誰かということに対して非常に敏感。もし飼い主が甘やかしたり、犬の要求をなんでも聞いてしまったりすると、犬は自分が飼い主よりも優位にいると勘違いして好き放題に振舞うようになります。
そこでマズルコントロールを行うことで、犬に対して飼い主がリーダーであることを理解させるのです。

2-3愛犬が安心して飼い主に従えるように行う

マズルコントロールはしつけですが、同時に信頼関係を築くための行為でもあります。
犬にとって、武器である牙や、においをかぐための鼻は非常に大切な存在。そのため、それらの重要な器官が集中しているマズルを触られることは非常に嫌がります。
しかし、飼い主と愛犬の間に信頼関係が生まれると、犬も「この人なら触らせても大丈夫」と理解するようになり、さらに犬との絆が深まるようになります。

03マズルコントロールの効果

マズルコントロールは犬の特性を活かしたしつけの方法。マズルコントロールを行うとどのような効果が生まれるのでしょうか。

3-1興奮している愛犬を落ち着かせることができる

犬種にもよりますが、まだまだしつけがされていない場合、非常に興奮しやすいものです。悪意があるわけではなく、うれしいことが合った場合にはついつい興奮して暴れてしまうことも。
しかしマズルコントロールを行うことで、犬は冷静さを取り戻し、落ち着いた状態を保つことができます。

3-2日頃から行うことで歯のお手入れがしやすい

マズルコントロールは犬の健康に対しても非常に役立ちます。
犬も人間と同様、口や歯のお手入れが大切ですが、多くの犬はなかなかこの口腔ケアが苦手なもの。そのため、最初の頃はどうしても抵抗しようとします。
しかしマズルコントロールを行うと、口を触られることに慣れてくるため、簡単に口腔内のケアを行うことができます。

3-3病院でも暴れにくい

愛犬が病気になったとき、まず駆け付けるのが動物病院ですが、ほとんどの犬は病院が苦手なものです。そのため、動物病院の中でも暴れてしまうことも。
しかしマズルコントロールができている犬は病院でも暴れにくく、スムーズに診察を行うことができます。

04マズルコントロールのやり方

数多くのメリットがあるマズルコントロールですが、実際に行うときにはどのようにすればよいのでしょうか。

4-1まずは犬が触られて喜ぶところに触れる

どんな犬でも、いきなりマズルを触られるとびっくりしてしまいます。中にはびっくりしたあまりに思わずかみついてしまうことも。
そのため、まずは犬が触られて喜ぶアゴ周りや頭などを優しく触れるところから始めましょう。
普段からスキンシップをしていない場合、犬が触られたことに驚いてしまうこともあるので、ゆっくりと時間をかけて犬を触ってあげましょう。

4-2リラックスしたらやさしくマズルを包む

犬が落ち着いてきたり、気持ちよさそうな顔をしたら、やさしくマズルを触ります。
そのときには、力を入れてぎゅっと握ってはいけません。まずは優しくマズルを包むようにするとよいでしょう。
もし慣れていない場合には、数秒で十分。まずは少しずつ犬を慣らしていきましょう。

4-3数秒間おとなしくしていたら褒める

数秒でもマズルを触らせてくれて、しかも暴れなかった場合にはしっかりほめてあげましょう。その後、再び頭やアゴなどをなでてリラックスさせて数秒マズルを触る、褒めるを繰り返すことで自然にマズルコントロールが身に付きます。
その状態に慣れてきたら、飼い主が手を出すだけで自然にマズルを触らせてくれるようになります。
その段階になったら、少しずつ時間を伸ばしたり、左右に振ったりしながら、しつけを進めていきましょう。

05マズルコントロールの注意点

このようにマズルコントロールは犬のしつけにとって重要ですが、いくつか注意したいポイントがあります。

5-1マズルコントロールは必ず必要なしつけではない

まず覚えておきたいのは、マズルコントロールは絶対に必要なしつけではないということです。マズルコントロールは犬の習性を利用したしつけで、様々な場面で役に立ちます。
しかし、飼い主と犬との間にしっかりした主従関係がある場合には、必ずしも行う必要はありません。そのため、無理に犬にマズルコントロールを行うのはやめましょう。
また犬種によってはマズルコントロールに向いていないこともあります。

5-2人間に不信感を抱いている犬にはおこなわない

もし犬が人間に対して不信感を抱いている場合、マズルコントロールを行うのはやめましょう。特に、以前虐待を受けていたといった犬の場合、人間を怖がっていることもあります。そこで無理にマズルコントロールをしようとしても、抵抗されるだけ。その場合には、まずは信頼関係を築きましょう。

5-3子犬のときからおこなうのが理想

そもそもマズルコントロールは母親が子犬に行うもの。そのため、子犬のときから行うのが理想出来です。また大人になってからの場合、なかなか効果が現れないこともあります。

06まとめ

マズルコントロールを身につけておけば、犬を落ち着かせるだけでなく、歯のケアや投薬にも役立つもの。しかし、無理に押し付けることはできないので、犬の性格や個性を見ながら、ゆっくりとしつけていくのがよいでしょう。

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講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
藤綱麻沙美 先生
ドッグセラピスト
1980年生まれ。部品メーカーを経てドッグセラピー業界へ。
日本療育犬研究会でのセラピー活動後、現在は精神科病院での専属ドッグセラピストとして活動中。
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