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いうことを聞かないのは誰のせい?犬の問題行動の原因と飼い主の意識改革

犬を飼っていると、問題行動に悩まされることも珍しくありません。もし犬が問題行動を起こしている場合、その原因は飼い主にあることもあります。今回は犬の問題行動の原因と、飼い主の意識改革についてご紹介します。

いうことを聞かないのは誰のせい?犬の問題行動の原因と飼い主の意識改革

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目次

01犬が起こす問題行動

問題行動とは、飼い主を困らせるような犬の行動のこと。問題行動は飼い主だけでなく、他の犬や人に対して迷惑をかけることもあります。では問題行動にはどのような種類があるのでしょうか。

1-1分離不安

分離不安とは、飼い主の姿が見えないだけで我慢できなくなったり、強い不安から様々な行動を引き起こすものです。家の物を噛んだり壊したりといった行動や、トイレ以外の場所での排泄だけでなく、自分の身体を噛む・舐めるいった行動や、下痢や嘔吐といった体調面の変化として現れることもあります。

1-2甘噛み

甘噛みは犬同士が家族や兄弟の間で身体などを軽くかみ合うことです。犬によっては、人間に対しても甘噛みを行うことがあります。もちろんケガをするほどの強さではないことがほとんどですが、稀に強く噛みすぎててしまうことや、自分のほうが優位だと勘違いして甘噛みを行うことがあります。

1-3無駄吠え

突然理由もなく吠える、意味もなく吠え続けるといった無駄吠えも問題行動のひとつです。吠える前に、歯をむき出して相手を威嚇するといった行動も問題行動の一種であると考えられます。

1-4食糞行動

食糞行動は犬や他の動物のフンを食べる行為です。主に子犬が行うもので、成長するとともになくなりますが、飼い主の注意を引きたいといったケースも考えられます。

1-5無視

通常の場合、犬は名前を呼ばれれば反応して、飼い主の方を見るものですが、名前を呼ばれても反応しない、何度も名前を呼ばなければこちらを向かないといった場合、問題行動の一種だと考えられます。

1-6脱走

問題行動には勝手に家から出ていったり、散歩中に走って行ってしまったりという脱走行動がみられることもあります。脱走はくせになりやすいため早期に対処することが必要です。

1-7飛びつき

犬が人間に飛び掛かる行為を飛びつきと呼びます。これは犬が相手を自分より下に見ているときに起こるもので、子どもを相手にすることもあり、放置するとトラブルの原因となることもあります。

02問題行動を起こす原因とは?

問題行動には様々な種類がありますが、共通する原因によって問題行動に走ってしまうケースがあります。

2-1甘やかしすぎる

犬が問題行動を起こす大きな理由として飼い主の甘やかしすぎが挙げられます。犬は群れのリーダーに従う本能を持っていますが、飼い主がなんでも犬の要求を聞いていると、やがて人間ではなく自分がリーダーだと勘違いして上下関係が崩れてしまいます。

2-2構いすぎる

犬は社会性の強い生き物。そのため、飼い主と一緒にいないと不安を感じることがありますが、そこで大げさに反応したり、構いすぎたりすると、犬が飼い主に依存、少しの間目を離しただけでも問題行動を起こしてしまうことがあります。

2-3感情的に叱ってしまう

しつけのとき、犬を叱ってしまうことがありますが、もし感情的に叱っているようなら要注意。その場合、犬は飼い主に叱られることに恐怖を感じるようになります。
その場合、犬は強いストレスを感じて心身に悪影響を及ぼし、結果として問題行動につながってしまうことがあります。

03問題行動をなくすために飼い主が意識すること

犬の問題行動は飼い主にとっては大きな問題です。では問題行動をなくすために飼い主が意識すべきなのはどのようなことなのでしょうか。

3-1健康管理

問題行動をなくすため、飼い主がまずできることは犬の健康管理です。
たとえば散歩。犬種や年齢によっても異なりますが、散歩の量が足りないと犬は運動不足になってストレスをため込んでしまいます。このストレスは問題行動の大きな原因。
また、身体に具合が悪い部分があるといったことがストレスの原因となることも考えられます。
まずは犬の健康管理をしっかりと行いましょう。

3-2環境・衛生の管理

犬にとって、清潔な環境は非常に重要です。爪切りやグルーミング、耳掃除などを行うだけでも、犬の問題行動が収まることもあります。
また、問題行動が起こりにくいように環境を整えるというのもよい方法です。
たとえば食べ物を出しっぱなしにしない、壊されたくないものや齧られたくないものを見えるところに置かないといったちょっとした工夫で、問題行動を抑えることができます。
もし室内での問題行動が多い場合には、リードを付けたままにして犬の行動を制限することも効果があります。

3-3愛犬に満足感をあたえる

犬は群れで暮らす社会的動物。そのため、家族とのコミュニケーションやスキンシップが不足するとストレスが溜まり、問題行動に走りやすくなります。
このコミュニケーションはエネルギーの発散にもなるため、問題行動対策としてはおすすめの方法。
また、犬は犬種によって好きな遊びがあるもの。犬が好む遊びを生活に取り入れてやることで、エネルギーとストレスを発散することができます。

3-4一貫性のある行動・言動を行う

犬がいうことを聞かない場合、「言われている意味が分からない」ということも少なくありません。たとえば飼い主の言動や指示に一貫性がないという場合、犬は何にしたがっていいのか分からなくなってしまいます。
まず、飼い主自身が犬に何を伝えたいのかはっきりさせて、一貫性のある行動を取りましょう。

3-5しつけを中途半端にしとかない

犬のしつけには時間と根気が必要です。もし時間がないなどの理由でしつけが中途半端になっている場合、犬は「これはやらなくてもいい」と判断してしまいます。
もししつけを行う場合には、しっかり時間を取ってある程度できるようになるまで行いましょう。

3-6むやみに叱らない

犬を叱ることは実は非常に難しい行為です。というのも、犬にとっては何を叱られているのか分からないということがあるから。一時的に大きな声で怒られてその行動が収まったとしても、犬がやってはいけない行動を理解したからではなく、単にびっくりしたからという可能性もあります。
また、叱り続けていると、やがて犬との信頼関係も壊れてしまいます。
しつけには叱るよりもほめることが重要です。

04愛犬の問題行動が収まらない場合は?

問題行動は犬だけでなく飼い主に問題があることもあります。しかし、考えられる対処をしても問題行動が収まらない場合、どう対処すればよいのでしょうか。

4-1一時的な対処法として家にいない時は家族などにみてもらう

もし飼い主から離れる分離不安が強いという場合、飼い主がいないときは家族や友人などに見ていてもらうという方法があります。
飼い主がいないことは不安だけれど、誰かが近くにいることで犬が安心して分離不安が軽くなることがあります。
ただしそれはあくまでも一時的な処置として考えましょう。

4-2獣医に相談

飼い主がどう対処しても問題行動が収まらないという場合には、獣医さんに相談するというのもひとつの方法です。
というのも、犬の問題行動の原因には飼い主の意識だけでなく、犬の体調に問題があることも考えられるから。もし心身のトラブルが原因で問題行動を起こしているなら、その原因がなにか、きちんと調べることが必要です。

4-3ドッグトレーナーに預けてみる

もし問題行動がひどい場合には、ドッグトレーナーに預けてみるのがおすすめです。犬の問題行動は飼い主にとってもストレスになり、それが犬に伝わって、さらなる問題行動の原因となることがあります。
まず一度専門家であるドッグトレーナーに相談してみましょう。

05まとめ

愛犬の問題行動の背後には、犬自身の問題だけでなく、家族の行動や意識が背後に潜んでいることも少なくありません。もし犬が問題行動を起こした場合、犬だけでなく自分自身の飼い方にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
藤綱麻沙美 先生
ドッグセラピスト
1980年生まれ。部品メーカーを経てドッグセラピー業界へ。
日本療育犬研究会でのセラピー活動後、現在は精神科病院での専属ドッグセラピストとして活動中。
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