薬膳に関する資格とは?資格の種類や取得難度について解説
薬膳とは、中国伝統医学(中医学)の考え方をベースに作られる料理のことです。薬膳に関する資格は、中医学や薬膳の知識を持ち、体調や季節に合わせた食材を使って美味しい薬膳を作れるスペシャリストに認定されるものです。
薬膳に関する資格の種類はさまざまあるため、どの資格を取得すればいいか迷ってしまう人も多いかもしれません。ここでは初心者でも目指せる、おすすめの薬膳に関する資格と取得方法のほか、仕事へ活かす方法について紹介します。
- 目次
- 1. 薬膳とは?
- 2. 薬膳に関する資格を取得するメリット
- 2-1. 薬膳に詳しくなる
- 2-2. 仕事や就職にも活かせる
- 2-3. 体の中から健康を目指せる
- 2-4. 家族にも喜ばれる
- 3. 薬膳に関する資格を取得するメリット
- 3-1. 薬膳料理専門店
- 3-2. 料理教室
- 3-3. 健康や美容分野の商品開発
- 3-4. 家庭
- 4. 薬膳に関するおすすめの資格
- 4-1. 漢方コーディネーター®
- 4-2. 薬膳調整師®
- 4-3. 薬膳アドバイザー
- 4-4. 薬膳インストラクター
- 4-5. 和漢薬膳師(薬膳マイスター)
- 4-6. くらし薬膳プランナー
- 4-7. 漢方養生指導士 ベーシック
- 4-8. 国際薬膳師
- 5. 自分に合った薬膳に関する資格を選び、無理なく知識を身に付けよう
01薬膳とは?
それに対して中医学は、生薬などを用いて、人間が本来持つ自然治癒力を高めることを重視します。食材にはそれぞれ、体を温める・冷やす・巡らせる・余分な物を排出するといった作用があります。薬膳料理では、このような食材の作用をうまく活用し、疾病の予防や治療・回復、老化防止を目指すのです。
02薬膳に関する資格を取得するメリット
2-1薬膳に詳しくなる
薬膳は、食べる人の体質やその日の体調に合わせて食材を選び、組み合わせによる効果を考えた上で料理を作ります。そのため、一つひとつの食材の働きはもちろんのこと、体の仕組みや、ベースとなる中医学の知識も身に付きます。
独学でも薬膳に関する情報収集をすることはできますが、実践的な知識を身に付けるには限界があります。薬膳に関する資格を取得することで、薬膳料理の基礎から応用まで効率良く学ぶことができるでしょう。
2-2仕事や就職にも活かせる
近年では、料理の一部に薬膳の食材を取り入れたり、一人ひとりの体質に合わせた薬膳メニューを提供したりする飲食店も増えています。また、薬膳の専門知識は、エステサロンなどの美容業界や、健康をサポートする医療・介護業界でも役立ちます。資格取得によって活躍の幅が広がり、就職に有利になる可能性もあるのです。
2-3体の中から健康を目指せる
日々の食生活に薬膳を取り入れることによって、体の内側から体質改善を目指せます。冷えや便秘、肩こり、腰痛などの慢性的な不調に対しても、効果的に働きかけることができるでしょう。薬膳料理を継続して食べていると、知らず知らずのうちに悩んでいた不調が解消されることも。疲れやストレス、食欲不振など、「病気ではないけれど、なんとなく調子が悪い」というときにも、体質改善を促す薬膳はおすすめです。さらに、むくみや肌トラブルなど、美容の悩みにも効果が期待できます。
2-4家族にも喜ばれる
薬膳は、必ずしも特殊な食材を使わなければいけないわけではありません。漢方や生薬を使わなくても、中医学の考え方に沿った料理であれば薬膳と呼ばれます。薬膳に関する資格を取得すれば、身近な食材を活用して薬膳料理を作れるようになるはずです。毎日の食卓に薬膳を取り入れれば、大切な家族の健康管理や病気予防にもつながり、ダイエットやアンチエイジング、肥満といった悩みにも、無理なく対策ができるかもしれません。
03薬膳に関する資格を取得するメリット
3-1薬膳料理専門店
薬膳料理専門店には、健康・美容意識の高い人が多く来店します。薬膳の専門知識があれば、おすすめメニューを相談されたときにも適切なアドバイスができるでしょう。
また、最近では他店との差別化を狙い、薬膳料理をメニューに加えるカフェやレストランも増えています。薬膳の専門知識を持つ資格保有者は、まだそれほど多くないため、即戦力として活躍が期待されるはずです。資格取得によって、家庭ではあまり使用しない薬膳食材についての知識も深まるため、オリジナルメニューの開発などに携わることも可能です。
3-2料理教室
薬膳料理の認知度が広がるにつれて、「日々の食事に薬膳を取り入れたい」「自分で薬膳料理を作れるようになりたい」というニーズも増加傾向にあります。資格を活かして薬膳料理の教室を開いたり、カルチャースクールやセミナーで講師活動を行ったりすれば、多くの人に喜ばれるはずです。
加えて、初心者でも挑戦しやすい薬膳レシピや、幅広い世代に好まれる味付けなどをレクチャーすれば、人気の料理教室として話題を集められるでしょう。経験を積み、講師として独立することも可能です。
3-3健康や美容分野の商品開発
薬膳に注目しているのは、飲食業界だけではありません。健康や美容の分野でも、薬膳の考え方を取り入れた商品開発などが行われています。薬膳の専門知識やスキルを活かせば、冷えやむくみ、疲れなど、多くの人が何となく感じる不調の緩和を目指す商品を生み出せるかもしれません。
また、美容関係のサロンなどでも、肌トラブルやダイエットに悩む人に、体の中からアプローチする方法をアドバイスできるようになります。
3-4家庭
薬膳は現代医学の薬とは異なり、副作用などのリスクが低く、ゆるやかな効果が期待できるのが特徴です。そのため、子供から高齢者まで、幅広い世代の健康維持に活用することができます。
薬膳を日常生活に取り入れて、自己免疫力を向上させることができれば、病気予防や疲れにくい体づくりを目指せるはずです。「毎日の食事から家族の健康を支えたい」と考えているご家庭には、薬膳に関する資格の取得はおすすめです。
04薬膳に関するおすすめの資格
4-1漢方コーディネーター®
漢方コーディネーターは、日本安全食料料理協会(JSFCA)が認定する資格です。薬膳を極めたい人に、漢方の知識を取得できる漢方コーディネーターはおすすめの資格です。
漢方の基礎知識や漢方独自の診断方法・使い方など、一定以上の理解がある人がこの資格を取得できます。
認定試験は、誰でも受験が可能。受験料は1万円で、在宅受験形式。合格基準は70%以上の正答率となっています。漢方コーディネーターは、諒設計アーキテクトラーニングの通信講座で学ぶことが可能です。
4-2薬膳調整師®
薬膳調整師も、日本安全食料料理協会(JSFCA)が認定する資格です。薬膳の基礎知識や、漢方的な観点から見た食材の効能に関する知識を持っている方が取得できます。
認定試験は、誰でも受験が可能。受験料は1万円で、在宅受験形式です。合格基準は70%以上の正答率となっています。漢方コーディネーターは、諒設計アーキテクトラーニングの通信講座で学ぶことが可能です。
4-3薬膳アドバイザー
薬膳アドバイザーは、日本中医学食養学会が認定する資格です。取得すると、薬膳の基礎を習得していることが証明されます。
学会が指定する教育施設のカリキュラムを終了するか、学会主催の薬膳初級講座を受講した人しか取得できません。試験はなく40時間以上のカリキュラムまたは講座を修了した時点で認定されます。
ほかにも「中医薬膳指導員」「中医薬膳調理師」や「国際中医薬膳師」といった、さらに難度の高い資格もあるため、薬膳をとことん極めたいという人は、まずはこの薬膳アドバイザーの資格取得を目指すのがおすすめです。
4-4薬膳インストラクター
薬膳インストラクターは、日本能力開発推進協会が認定する資格です。薬膳や中医学の基礎知識・症状・病気別の薬膳レシピなど、専門的な知識と技術を持っている人が取得できます。
協会が指定する教育機関ですべてのカリキュラムを終えた人が受験可能です。受験料5,600円のほかに講座受講料が必要です。カリキュラムをすべて終了すればいつでも在宅で受験ができます。
4-5和漢薬膳師(薬膳マイスター)
和漢薬膳師は、和漢薬膳食医学会が認定する資格です。薬膳の知識に加えて、美味しさと作りやすさを重視した、和漢膳の専門家であることが証明されます。
指定講座を受講し、4回の通信課題を提出し、最終の修了認定試験に合格(70点以上)した人が取得できます。和漢薬膳師の資格取得後、さらに知識を深めるために和漢薬膳食医の2級や上級といった、上位資格を目指す人もいます。
4-6くらし薬膳プランナー
くらし薬膳プランナーは、JKA日本くらし薬膳協会が認定する資格です。資格を取得すると、薬膳の知識と一人ひとりに合った薬膳の提案を行える人として認められます。体調や体質・季節の変化に合わせて食材を選ぶ薬膳の知識と、実践力が必要です。
くらし薬膳プランナーライセンス対応講座の修了者が受験可能です。受験料のほかに登録料や年会費が必要です。
4-7漢方養生指導士 ベーシック
漢方養生指導士 ベーシックは、日本漢方養生学協会の認定資格です。漢方の基礎を理解した上で、生活に養生を取り入れ、心身共に健康で充実した生活をアドバイスできる人へ認定されます。漢方を理解し、実践することで、自分自身はもちろん家族など周りの人の健康管理に役立てることができます。
資格試験を受けるには、指定講座を修了する必要があります。受験料は6,600円で、正解率80%で合格となります。
4-8国際薬膳師
国際薬膳師は、中国国家中医薬管理局に属する中国薬膳研究会が認定する資格です。中医薬膳学や食材、調理に関する専門的な理論や知識を持つ薬膳の専門家であることが証明され、薬膳に関する資格の中でも非常に水準の高い資格といわれています。
国際薬膳師の認定試験を受けるには、まず、本草薬膳学院で所定の講座を受講し、中医薬膳師の資格を取得する必要があります。資格取得までに時間と労力はかかりますが、その分信頼性も高く、飲食・医療・福祉・美容関係など、幅広い分野で活用できます。
05自分に合った薬膳に関する資格を選び、無理なく知識を身に付けよう
まずは自分のライフワークや取得の目的に合った薬膳資格を選ぶことが大切です。
今後さらに注目される分野の一つでもある薬膳。
薬膳の知識を持つスペシャリストを目指し、薬膳に関する資格の取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。