パンに関する資格の種類とは?初心者におすすめの取得方法を紹介
パンが好きという人の中には、パンに関する資格の取得を考えている人も多いかもしれません。では、パンの資格にはどのような種類があり、資格を取得することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではパンに関する資格の種類と、おすすめの取得方法についてご紹介します。
- 目次
- 1. パンに関する資格とは?
- 1-1. 国家資格と民間資格がある
- 1-2. パン職人になるための必須資格はない
- 1-3. パンブームを背景にパンに関する資格の人気が高まっている
- 2. パンに関する国家資格「パン製造技能士」とは?
- 2-1. 特級、1級、2級がある
- 2-2. パン製造技能士の取得方法
- 3. 初心者におすすめのパンに関する資格
- 3-1. パンコーディネーター
- 3-2. パンシェルジュ検定
- 3-3. パンマイスター
- 3-4. 手作りパンソムリエ®
- 3-5. ベーカリーパティシエ®
- 4. パンに関する資格を取得する方法
- 4-1. 書籍や動画を参考に独学する
- 4-2. 専門学校に通う
- 4-3. スクールや教室に通う
- 4-4. ベーカリーに就職する
- 4-5. 通信講座で学ぶ
- 5. パンに関する資格はどんな人に向いている?
- 5-1. パンを食べたり作ったりするのが好きな人
- 5-2. パン職人やベーカリーへの就職を目指す人
- 5-3. 飲食業界でキャリアアップしたい人
- 5-4. パンづくりを趣味にしたい人
- 5-5. 自分や家族の健康を守りたい人
- 5-6. 将来的に開業を目指したい人
- 6. パンに関する資格を持つメリット
- 6-1. 活躍の場が広がる
- 6-2. パン屋やパン教室を開く際に有利
- 6-3. 就職に役立つ
- 6-4. 生活を豊かにする
- 6-5. 家族や友人に喜ばれる
- 7. パンに関する資格は自分の目的に合ったものを選ぼう
01パンに関する資格とは?
1-1国家資格と民間資格がある
パンに関する資格といっても、国家資格から民間資格までたくさんの資格があります。資格の種類によって取得の難度もさまざまです。
例えば、パンづくりの初心者がいきなり取得条件のきびしすぎる資格を目指しても、学習が思うように進まず、途中で挫折してしまう可能性も…。パンに関する資格の取得を目指すなら、まず、資格取得の目的や資格の難度を確認しておくことをおすすめします。
1-2パン職人になるための必須資格はない
パン職人になるために、必要な資格はありません。そのため、パン職人になりたいという場合、パンづくりの技術を習得していれば、誰でもチャレンジすることができます。
ただし、パンづくりを仕事にするなら、専門スキルの習得は必要不可欠です。知識やスキルを身に付け、それを対外的に証明するには、資格取得は非常に有効な手段といえます。
1-3パンブームを背景にパンに関する資格の人気が高まっている
日本でパン食が普及するとともに、これまでさまざまなパンブームが起こってきました。近年では、ベーグルや高級食パン、天然酵母のパンなどが人気を集め、こだわりの小規模ベーカリーも数多く登場しています。同時に、在宅勤務などでおうち時間が増えたことから、趣味として手作りパンに挑戦する人も増加しています。パンの魅力や手作りの楽しさを知り、「もっと本格的にパンづくりを学びたい」「パンづくりを学んで仕事に活かしたい」と、パンに関する資格を取得する人も少なくありません。
02パンに関する国家資格「パン製造技能士」とは?
パン製造技能士は、パンづくりの実務経験者を対象とした国家資格です。実技試験と学科試験に合格することで与えられるものですが、国家資格であるため、合格者には厚生労働大臣の名前が入った合格証書が交付されます。パン製造技能士は日本で唯一の国家資格であることから、非常に信頼性が高いものとされています。
2-1特級、1級、2級がある
パン製造技能士には、受験者のレベルによって特級、1級、2級と3つの段階に分かれています。それぞれ求められる技能は異なり、特級の場合は管理者または監督者が有すべき技能の程度、1級の場合は上級技能者が有すべき技能の程度、2級の場合は中級技能者が有すべき技能の程度とされています。
難度は高い資格ですが、パン製造に必要な技術を身に付けることが可能です。
2-2パン製造技能士の取得方法
パン製造技能士の試験は学科と実技によって行われます。それぞれに求められる内容は、特級、1級、2級それぞれのレベルで異なります。
特級の場合は学科・実技共に、工程管理や作業管理、品質管理、原価管理、安全衛生管理などについて問われるものです。
1級と2級の場合は学科では食品やパン製造法、材料、関係法規をはじめ、実技では食パンの製造法などが問われます。
なお、パン製造技能士はそれぞれのレベルによって受験資格も異なります。
特級の場合は1級合格後、5年以上の実務経験者であること。1級の場合は、7年以上の実務経験者または2級合格者で2年以上の実務経験者です。2級の場合は、2年以上の実務経験者または専門高校、短大、高専、高校専攻科卒業者の指定学科修了者などと定められています。
受験資格について詳しくは最寄りの都道府県職業能力開発協会などで確認するといいでしょう。
03初心者におすすめのパンに関する資格
3-1パンコーディネーター
パンコーディネーターは、日本パンコーディネーター協会(JPCA)が主催する資格です。「パンを食べる視点から適切な助言や提案を行うことができる資格」として誕生したもので、パンに関係した仕事を目指す人に向けて、日本で唯一、内閣府所管の公益財団法人日本生涯学習協議会から監修・認定を受けた資格としても知られています。
パンコーディネーターには3つの資格制度があり、パンのコーディネートに関する必要な基礎知識が学べる「パンコーディネーター」、パンを使った企画やプレゼンテーションのスキルを学べる「パンコーディネーター エキスパート」、パンに関する技能や知識を人に伝える技術や方法などを学べる「パンコーディネーター アドバンス」と、それぞれの知識や経験、目的に合ったものを選ぶことができます。
特に最も初心者向けのパンコーディネーターは、3日間の講座を受講したのち、試験に合格すると資格の認定を受けられるため、パンづくりを仕事にしたいという人が目指すのにおすすめの資格といえるでしょう。
3-2パンシェルジュ検定
パンシェルジュ検定は、パン好きな人や、パンの専門家を目指す人のために設けられた資格です。パンシェルジュ検定運営委員会が主催する資格で、1級から3級に分かれています。
3級のパンシェルジュベーシックは、パンの歴史や文化についての基本的な知識、2級のパンシェルジュプロフェッショナルはマーケティングやトレンドなどパンの仕事についての専門的な知識、1級ではパンと健康、サービスといったより高度な知識を学ぶことができます。
パンシェルジュ検定の3級は、特に受験資格も必要がないため、まずパンについての基本的なことを学びたいという人にもおすすめです。
3-3パンマイスター
パンマイスターは、公益社団法人日本通信教育振興協会の認定資格です。初心者の場合、自己流でパンづくりの技術を身に付けるのはなかなか難しいものですが、パンマイスターの資格は学習を通じてパンの生地づくりの基本や材料の選び方、世界各国のパンの作り方を総合的に学ぶことができます。
また、お店のコンセプトやメニュー、店舗づくりのポイント、資金などパン屋開業のノウハウが学べるというのも大きなメリット。
自分でパンを作ってみたいというだけでなく、独立開業やパンに関わる仕事を目指しているという人にはおすすめの資格ということができるでしょう。
3-4手作りパンソムリエ®
手作りパンソムリエ®は、日本安全食料料理協会(JSFCA)の認定資格です。資格取得にあたっては、パンの歴史や材料のほか、発酵の過程や手順、パンを焼き上げる際のポイントなど、手作りパンに関する深い知識が求められます。飲食関係はもちろん、健康的なオーガニックや無添加の自家製パンを取り入れた生活を目指す人や初心者にも人気の資格です。
手作りパンソムリエ®の認定試験は、誰もが受験可能。受験料は1万円で、在宅受験形式です。合格基準は70%以上の正答率と定められています。
なお、手作りパンソムリエ®は、諒設計アーキテクトラーニングの通信講座で学ぶことができ、資格取得後はさまざまなフィールドで活躍することが可能です。
3-5ベーカリーパティシエ®
ベーカリーパティシエ®は、日本インストラクター技術協会(JIA)の認定資格です。資格取得者は、パンの種類や製法に関してあらゆる知識を有し、実践的なパンづくりの手順やポイントについての技能を有していることが証明されます。また、さまざまなパンのレシピのほか、ガス抜きや一次発酵・二次発酵の正しい方法といった、実践的なスキルが身に付きます。
ベーカリーパティシエ®の認定試験は、誰もが受験可能。受験料は1万円で、在宅受験形式です。合格基準は70%以上の正答率と定められています。
なお、ベーカリーパティシエ®は、諒設計アーキテクトラーニングの通信講座で学ぶことができ、資格取得後は自宅でより本格的なパンづくりを実践することも可能です。
04パンに関する資格を取得する方法
4-1書籍や動画を参考に独学する
昨今の手作りパン人気を受けて、書店などでは、パンの作り方やアレンジメニューを紹介した書籍が数多く販売されています。また、ウェブ上でも、パンの作り方を解説した動画がたくさんあります。そのような書籍や動画を活用すれば、基本的なパンの知識や作り方を知ることができるでしょう。
ただし、書籍や動画の多くは、趣味でパンづくりを楽しむ人に向けて作られたものです。そのため、仕事に活かせるレベルの専門知識を身に付けようとすると、完全独学ではハードルが高いかもしれません。
4-2専門学校に通う
製パンや製菓、調理などの専門学校に通えば、座学と実習の両面から、パンづくりについて専門的に学ぶことができます。資格取得や進路サポートが受けられる場合もあり、卒業後の就職の相談にものってもらえるはずです。
卒業までにはある程度まとまった期間と費用が必要になるため、無理なく通い続けられるかどうかをしっかり検討してから入学を決めるようにしましょう。
4-3スクールや教室に通う
専門学校よりも手軽に通えるパン教室やパン講座などで、パンづくりのノウハウを学ぶのもひとつの方法です。1回完結のスクールから一定期間継続して通う講座までいろいろなタイプがあるので、目的に合ったものを選びましょう。パン教室の中には、趣味としてのパンづくりを教えるコースも多いため、資格取得が可能かどうかをあらかじめ確認しておくことも大切です。
4-4ベーカリーに就職する
本気でパン職人を目指すなら、ベーカリーに就職し、働きながらスキルを磨く方法もあります。個人経営の店の場合は、独自のこだわりや開業のノウハウなどを学べる可能性もあるでしょう。
4-5通信講座で学ぶ
パンに関する資格は、通信講座でも取得することが可能です。通信講座なら初心者にもわかりやすい教材が用意されているので、自分のペースで無理なく知識を深められるでしょう。確実に資格取得を目指したい場合は、講座の修了と同時に資格認定が受けられる通信講座がおすすめです。
05パンに関する資格はどんな人に向いている?
5-1パンを食べたり作ったりするのが好きな人
パンに関する資格を取得すると、パンづくりに必要な専門的な知識が身に付きます。日常的にパンを食べている人も、好みのパンを自分で作れるように。また、趣味としてパンづくりを楽しんでいる人にとっても、難度の高いレシピに挑戦できるようになり、新たなパンの魅力にふれるきっかけになります。
5-2パン職人やベーカリーへの就職を目指す人
パンづくりを仕事にしたいと考えるなら、パンに関する知識とスキルは必須です。パンに関する資格があれば、お客様への商品説明や新メニューの開発、職人としてのスキルアップなど、あらゆる場面で役立ちます。ベーカリーへの就職を目指すときにも、パンに関する資格があると有利になるはずです。
5-3飲食業界でキャリアアップしたい人
パンを使ったメニューは、カフェやレストランなどでも数多く提供されています。そのため、パンに関する資格は、ベーカリーだけではなく飲食業界でのキャリアアップにも役立ちます。資格を通して身に付けた知識を活かせば、パンと合わせたオリジナルメニューの考案なども可能になるでしょう。
5-4パンづくりを趣味にしたい人
パンに関する資格は、これからパンづくりを始めようと考えている人にもおすすめです。パンづくりは独学でも学べますが、正しい作り方を一人でマスターするのは難しいものです。資格を取得することで、パンづくりの基礎から応用レシピまで、無理なくステップアップできます。
5-5自分や家族の健康を守りたい人
手作りパンは、自分で材料を選び、好みの味に仕上げることができます。旬の食材やオーガニック食材を使ったパンや、米粉で作るグルテンフリーのパンなど、健康に配慮した食生活を送りたい人にもぴったりといえるでしょう。自分や家族のために健康志向のパンづくりがしたい人、アレルギーや好き嫌いに配慮したパンを作りたい人にも、パンに関する資格はおすすめです。
5-6将来的に開業を目指したい人
パンに関する資格は、パンづくりについて専門的なスキルがあることの証明になります。将来的に開業を目指す場合、資格があれば顧客からの信頼も高まるでしょう。開業以外にも、自分のパン教室を開きたいときなども、資格の有無が信頼度を大きく左右するはずです。
06パンに関する資格を持つメリット
6-1活躍の場が広がる
パンに関する資格保有者は、ベーカリーや飲食店のほか、食品メーカーやスクール講師など、多彩なフィールドで活躍しています。飲食業界未経験の人も、すでに飲食関係の仕事をしている人も、資格取得によって活躍の場がぐっと広がるでしょう。
6-2パン屋やパン教室を開く際に有利
資格取得の大きなメリットは、お客さんに対する信頼を得ることができるという点です。
お客さんは初めてのお店のパンを味わうときには不安なもの。そんなとき、パンに関係する資格があれば、お客さんの安心材料になります。また、個人でパン教室を開くときにもパンに関わる仕事は強い味方となってくれるでしょう。
6-3就職に役立つ
パンに関する資格を取得することは、就職にも有利に働くことがあります。カジュアルなカフェから高級レストランまで、パンは多くの飲食店で提供されているため、飲食業界で働くときにパンの豊富な知識は役立つはずです。また、資格を活かして、パンを扱う食品メーカーで商品の開発や製造に携わる道もあります。
6-4生活を豊かにする
パンに関すパンに関する資格を取得すると、日常生活の中で自由にパンづくりを楽しめるようになります。自分の好きな材料・味で作る焼きたてのパンは、これまで以上に日々の暮らしを豊かにしてくれるでしょう。
6-5家族や友人に喜ばれる
資格を通してパンづくりのスキルを習得すると、料理のレパートリーが格段に広がります。朝食やお弁当のメニューにもバリエーションが増え、家族にも喜ばれるに違いありません。こだわりの手作りパンは、季節のイベントやホームパーティを盛り上げるほか、手土産やプレゼントにもおすすめです。
07パンに関する資格は自分の目的に合ったものを選ぼう
パンに関する資格は、キャリアアップを目指す人にも、パンづくりを趣味にしたい人にもおすすめです。まずは初心者でも取得しやすい資格に挑戦し、経験を積みながら徐々にステップアップしてみてはいかがでしょうか。
この講座は!プロの監修を受けています!
和裁士、一般事務職を経て調理師専門学校にて調理、パン、洋菓子、フードコーディネートを学ぶ。
その後、大手製パン会社のベーカリー部門に入職。
パン職人となる。
退職後、神奈川県茅ケ崎市の自宅工房にて、「3日目もふわふわパン」が焼けるようになるパン教室&販売shino'sパン工房を主宰。
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