福祉の現場で役立つ【心理資格】とは?取得難易度やおすすめ資格を解説
高齢・育児・障害などさまざまな理由で、多くの方は福祉サービスのお世話になります。
現在福祉の現場では、福祉に関わる専門的な知識や技術を持つ人材が求められています。
家族や近しい方が福祉を利用している関係で、福祉の知識や技術を得ようとする方も増えてきました。
福祉関連資格の中には、実際に福祉サービスや管理を行う資格だけでなく、福祉に関わる方たちと円滑にコミュニケーションを取り、悩みや苦しみを取り除く心理系の資格も存在します。
今回は、福祉における心理系資格について解説します。
- 目次
01福祉におけるメンタルケアの重要性
高齢や育児・教育・障害など、人はさまざまな理由からほかの人の手を借りて生活しなくてはいけない状態になることがあります。
これらの方たちを助けるためには、専門の知識や技術が必要です。
しかし人と人が関わりあう際には、知識や技術だけでなく、気持ちに寄り添い理解する姿勢も求められます。
特に、何らかの困難を抱えて生活している方にとって、心理的なアプローチは重要です。
このことから、福祉の業界では福祉に関する知識や技術だけでなく、福祉を受ける方の気持ちに寄り添い、サポートするためのメンタルケアスキルが要求される場合があります。
福祉におけるメンタルケアは、非常に重要な要素のひとつです。
1-1心理系の資格は大学院でしか取得できない?
心理系の資格と聞くと、「公認心理師」や「臨床心理士」を思い浮かべる方も多いことでしょう。
これらの資格は、大学や大学院で心理学に関する学部を卒業・修了しないと資格試験に挑戦できません。
そのため、取得難易度がかなり高い資格といえます。
これらの資格のイメージから「心理系の資格はハードルが高い」などの印象を持っている方も少なくありません。
しかし心理系の資格の中には、これらの資格よりも難易度が低い「民間資格」が存在します。
その中には、福祉の現場でのメンタルケアに特化した資格もあります。
福祉の現場で心理系の資格を活かしたいなら、福祉における心理を学べる民間資格がおすすめです。
02心理系資格の選び方
資格ごとに内容や試験難易度が異なるため、選び方を押さえておかないと自分の目的を果たせる資格を得るのは難しいでしょう。
ここでは、心理系資格の選び方を解説します。
2-1どこでカウンセラーとしての実力を活かしたいかを考える
心理系資格は仕事の場面ではもちろん、自分自身や身近な方のためにも役立てられる資格です。
心理系資格はさまざまな場面で活かせる分、どんな場面で資格を活かしたいかが重要です。
似たような内容の心理資格でも、どう活かしたいかにより、選ぶべき資格は変わります。
福祉関係の心理資格であれば、「どこで、だれのためにメンタルケアの力を活かしたいのか」を明確にした上で選びましょう。
2-2ほかの資格を組み合わせて活用できる場合も
福祉の現場では、福祉サービスを行うための知識や技術が要求されます。
心理資格を得てもサービスを行うのに必要な知識や技術が不十分では、せっかくの資格を十分に活かせません。
また一口に福祉や心理といっても、サービスを行う対象しだいで必要な知識や技術はかなり違います。
福祉の心理系資格とともに、働きたい場所や福祉を行う相手にあわせた福祉系資格を取得すると、両方の資格をより活かせるようになります。
福祉に関係した心理の資格を取得する際は、ひとつの資格だけでなく、複数の資格取得も考慮しておきましょう。
03心理系資格の難易度
最初に解説した「公認心理師」や「臨床心理士」のように、受験条件に大学や大学院の卒業・修了が含まれている場合は、当然難易度が高いです。
一方民間資格の中には、受験条件が設けられていないものや、座学と筆記試験だけで取得できるものなど、比較的易しい難易度の資格もあります。
心理系資格全体の難易度は、まさに「ピンからキリ」です。
04福祉の現場で役立つおすすめ心理資格2選!
心理系資格を探す際の参考としてお役立てください。
4-1福祉心理カウンセラー資格
受験資格 | 特になし |
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受験料(税込) | 10,000円 |
受験申し込み方法 | インターネットから申し込み |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 偶数月20~25日 (申込期間は試験を行う月の前月中) |
資格試験内容 | ・福祉に関する知識 ・心理学の基礎知識 ・さまざまなストレスから起きる症状 など |
「福祉心理カウンセラー資格」は、「日本メディカル心理セラピー協会」が実施している資格です。
福祉や心理に関する知識を持ち、カウンセラーとして活動できる実力を持っていることを証明してくれます。
福祉と心理の両方の知識を得ることで、カウンセラーとしてだけでなく、訪問介護員など福祉に関係したさまざまな働き方ができます。
ただ福祉や心理の仕事をするのではなく、幅広い分野での活躍や知識の活用を考えている方におすすめの資格です。
4-2福祉心理アドバイザー資格
受験資格 | 特になし |
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受験料(税込) | 10,000円 |
受験申し込み方法 | インターネットから申し込み |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 偶数月20~25日 (申込期間は試験を行う月の前月中) |
資格試験内容 | ・カウンセラーとは? ・患者の状態を知る ・主な症状のタイプ ・破瓜型 ・妄想型 ・緊張型 ・発症の原因 ・健康と自立 ・健康な一生をおくるために役立つ老化のとらえ方 ・動作性能力 ・言語的能力 ・高齢者運動の目的と方法 ・ヘルスプロモーション ・生活環境 ・障害者が生活の不自由を克服する道 ・心理的ストレスが招く特徴的症状 ・心理的ストレスの主な原因 ・治療に関して知っておくこと |
「福祉心理アドバイザー資格」は、「日本インストラクター技術協会」が主催している資格です。
福祉や心理に関する知識を有していることを証明してくれます。
ただ知識を有しているだけでなく、その知識を教える能力が一定以上あることも証明できるため、福祉の仕事はもちろん、福祉における心理について講師活動も行えます。
福祉に興味を持っている方や、福祉に関する知識や技術が欲しい方に役立てられる資格です。
05このほかの福祉心理資格
先ほどご紹介した資格よりも難易度は上がりますが、以下2つの資格も福祉の現場で役立てられます。
5-1精神保健福祉士(PSW)
受験資格 | ・保健福祉系短大など(3年/指定科目履修)卒業後、相談援助の実経験を1年以上 ・保健福祉系短大など(2年/指定科目履修)卒業後、相談援助の実経験を2年以上 ・福祉系大学など(4年/基礎科目履修)に加えて短期養成施設(6ヵ月以上) ・福祉系大学など(3年/基礎科目履修)卒業後、相談援助の実務経験と短期養成施設(6ヵ月以上) ・福祉系短大など(3年/基礎科目履修)卒業後、相談援助の実務経験1年と短期養成施設(6ヵ月以上) ・福祉系短大など(2年/基礎科目履修)卒業後、相談援助の実務経験2年と短期養成施設(6ヵ月以上) ・一般大学(4年)卒業後一般養成施設など(1年以上) ・一般大学(3年)卒業後相談援助の実務経験1年と一般養成施設など(1年以上) ・一般大学(2年)卒業後相談援助の実務経験2年と一般養成施設など(1年以上) ・相談援助のみの場合は相談援助の実務経験4年と一般養成施設など(1年以上) |
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受験料 | 17,610円 |
受験申し込み方法 | 年1度の受験申し込み期間に手続きをする |
受験方法 | 指定の受験会場にて受験 |
合格基準 | ・すべての点数に対して60%程度の正答率かつ17科目すべてに得点した場合 (合格率は60%前後) |
試験日程 | 【第24回】令和3年度試験 ・2022年2月5日(土) ・2022年2月6日(日) |
資格試験内容 | 17科目群 1)精神疾患とその治療 2)精神保健の課題と支援 3)精神保健福祉相談援助の基盤 4)精神保健福祉の理論と相談援助の展開 5)精神保健福祉に関する制度とサービス 6)精神障碍者の生活支援システム 7)人体の構造と機能および疾病 8)心理学理論と心理的支援 9)社会理論と社会システム 10)現代社会と福祉 11)地域福祉の理論と方法 12)福祉行財政と福祉計画 13)社会保障 14)障害者に対する支援と障害者自立支援制度 15)低所得者に対する支援と生活保護制度 16)保健医療サービス 17)権利擁護と成年後見制度 |
「精神保健福祉士」は、厚生労働省が認定している「国家資格」です。
精神に障害がある方の社会復帰や日常生活のサポートを行うのが主な仕事で、医療・保険・福祉にまたがって活躍する資格であるため、多くの医療や福祉の現場で求められています。
資格取得には、大学または短大にて指定科目を履修した上での卒業が求められます。
加えて、学歴しだいで養成施設での訓練や実務経験が必要です。
履修内容や学歴が条件を満たさない場合でも、受験資格を満たす通信大学に通えば、働きながらでも受験資格を取得できます。
福祉の現場の中でも、精神に障害を持った方たちをサポートする仕事に就くことが多い資格です。
心理系のスキルを活かしつつ、社会に役立つ仕事がしたい方におすすめします。
5-2公認心理師
受験資格 | ・大学および大学院で必要科目を修了 ・大学で必要科目を修了し、文部科学省・厚生労働省の指定する施設で2年以上の実務経験 |
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受験料(税込) | 28,700円 |
受験申し込み方法 | 「受験の手引き」請求後、手引き内に添付されている必要書類に記入・提出 |
受験方法 | 試験日に試験地にて受験 |
合格基準 | 非公開 |
試験日程 | 2022年7月頃実施予定 |
資格試験内容 | 出題項目 1.公認心理師としての職責の自覚 2.問題解決能力と生涯学習 3.多職種連携・地域連携 4.心理学・臨床心理学の全体像 5.心理学における研究 6.心理学に関する実験 7.知覚および認知 8.学習および言語 9.感情および人格 10.脳・神経の働き 11.社会および集団に関する心理学 12.発達 13.障害者(児)の心理学 14.心理状態の観察および結果の分析 15.心理に関する支援(相談、助言、指導そのほかの援助) 16.健康・医療に関する心理学 17.福祉に関する心理学 18.教育に関する心理学 19.司法・犯罪に関する心理学 20.産業・組織に関する心理学 21.人体の構造と機能および疾病 22.精神疾患とその治療 23.公認心理師に関係する制度 24.そのほか(心の健康教育に関する事項など) |
「公認心理師」は、2017年に創設された比較的新しい国家資格です。
大学で必要な科目を学ぶなど、受験条件が高めに設定されていますが、取得すれば国家資格を有した状態で心理や福祉の職場で働けるようになります。
試験内容を見てもわかるとおり、幅広い場面での心理に関する知識が問われます。
資格を取得できれば、学校や病院などの施設はもちろん、企業で心理の知識を活かして働くことも可能です。
当然福祉の現場でも、資格で得た知識を活かせます。
「幅広い福祉の現場で役に立ちたい」「福祉を受ける方だけでなく、自分やその周りの方のためにも学んだ内容を活かしたい」と考える方におすすめの資格です。
06福祉心理資格を取得するなら「諒設計アーキテクトラーニング」
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07まとめ
また福祉の仕事で役立つ心理系資格と一口にいっても、資格ごとに内容が異なるため、自分がどのように資格を活かしたいかを明確にしておく必要があります。
資格の中には受験資格を満たすために大学で特定の科目を修了する必要があるなど、資格取得のために長期的な計画を立てなくてはいけない場合もあるため、ご注意ください。
「福祉の場面で心理の知識や技術を活かしたい」「福祉の仕事やサービスに役立つ資格を取得したい」とお考えの方は、ぜひ「諒設計アーキテクトラーニング」の「心理福祉カウンセラーW資格取得講座」にご参加ください。
この講座は!プロの監修を受けています!
児童福祉・老人介護・身体障碍・精神障碍すべての事業所で働いてきました。
教師になるのが夢だったため、学習支援を武器に放課後等デイサービスを立ち上げる流れになり、
まずは2017年7月に個別指導塾を立ち上げました。
その経験をもとに2018年2月に放課後等デイサービスを設立。
現在は道東地域に6事業所を立ち上げ、統括として活動しています。