手作り菓子を販売する方法について | 通信教育講座・資格の諒設計アーキテクトラーニング

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手作り菓子を販売する方法について

お菓子作りを趣味にしている人は、自信があるお菓子が出来たときなど、「もしかしたら売れるかも?」と思うことがあるかもしれません。では実際に手作り菓子を販売するにはどのような手続きや資格が必要なのでしょうか。今回は手作り菓子を販売する方法についてご紹介します。

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目次

01手作り菓子を販売する形態

手作りのお菓子を販売したい、そう思ったときに考えなければならないのがどのような形態で販売するのかということです。
手作り菓子の販売は大まかにいくつかの方法に分けることができます。
まずは「実店舗」。これはお店を構えて販売するほかにも、自宅を改装したり、自宅でお菓子作りの教室を開いたとき、一緒にお菓子を販売したりというやり方です。
もうひとつが「移動販売」。これは店舗を持たず、ワゴンなどでお菓子を販売する方法です。
最近増加しているのがネットショップでの販売。ネットにお店を構えた通信販売で、お店を構えるコストがほぼかからないことから人気となっています。
そのほかにも、ハンドクラフトや手作りのイベントなどでもお菓子の販売が行われます。
こういった方法以外にも、自分では販売を行わず、実際の販売業者に卸しをする、委託で販売をお願いするといった方法もあります。

02手作り菓子の販売に必要な資格

お菓子がうまくできたからといって、実際はすぐに販売できるわけではありません。手作りのお菓子を販売するためには、いくつかの資格が必要になります。
その代表的なものが「食品衛生管理責任者」です。食品衛生管理責任者は、食品を製造・販売するためには必須の存在で、営業許可を受ける施設ごとに一名以上の食品衛生管理責任者を置かなければならないと法律で定められています。
ただし、食品衛生管理責任者の資格を取得するのは難しいことではありません。
食品衛生管理責任者は各都道府県の保健所や衛生局が開催する講習会を受講すれば一日で取得することができます。
また製菓衛生師・調理師・栄養士などの資格があれば免除されるもの。
食品衛生管理責任者がいないという場合には違法行為になってしまうため、十分に注意しましょう。

03手作り菓子の販売に必要な許可申請

手作り菓子を販売するときには、資格だけでなく営業許可も必要です。
手作り菓子を販売するときの営業許可は「菓子製造業営業許可証」と呼ばれるもので、施設対象の許可証。
ここで注意しなければならないのは、店舗の有無にかかわらず営業許可証が必要だということ。
つまり、店舗販売だけでなく、ネットショップや手作りマーケットなどのイベント、自宅での販売、委託販売を行うときなど、すべてのケースで菓子製造業営業許可証が必要になります。
菓子製造業営業許可証は保健所に対して申請を行うことになりますが、このとき、必要となる設備の基準を満たすことが必要になります。
また、先ほどご紹介した食品衛生責任者がいることを表す「食品衛生責任者証」も必要です。食品衛生責任者は飲食店・食品製造所に必ず一人配置することが義務づけられていますが、この資格を持っているのはオーナーでなくても構いません。栄養士、調理師、製菓衛生師など他の資格を持っていることで免除される場合もあるため、有資格者を雇用するという方法もあります。

04手作り菓子を販売するには食品表示も必要

手作りのお菓子を販売する場合には、資格や許可だけでなく、「食品表示」も必要になります。
食品表示とは材料、添加物、アレルギー食品、責任の所在、賞味期限を記載したもので、お菓子をラッピングして店頭陳列する場合は必ず必要になります。
ただし、これには例外もあり、もしその場で調理して販売する場合には食品表示は不要とされています。

05製造施設外へ持ち出して販売する場合

お菓子を販売するときには、キッチンカーなどを考えている人もいるかもしれません。
ではお菓子を作る場所から外に持ち出して販売する場合、どのような許可や真性が必要なのでしょうか。
すでに説明したように、キッチンカーなどの移動販売でも営業許可が必要になります。ただし、営業許可のある施設で作られたものであれば改めて許可を取る必要はありません。
これはイベントやマルシェなどでの販売も同様です。
ただし、キッチンカーなどで調理をする場合、新たに許可を得る必要があります。

06営業許可取得に必要な条件

自分で手作り菓子を販売するために必要となる営業許可。営業許可を得るためには決められた条件を満たすことが必要です。
たとえば、専用の製造室があり、住居などとは区別されていること。つまり、自宅のキッチンとお菓子を作る空間とは完全に区別されていなければ営業許可を取得することはできません。
また、壁や天井は掃除がしやすい構造で、壁は床から1メートルは耐水性であること、床も排水が可能で耐水性であること、ネズミや無私などを防ぐため、窓に網戸が設置されていることなどがあります。
さらに手洗い設備や、蛇口の構造、シンクの広さなどについても指定があります。
このように細かい指定を守らなければ営業許可の取得はできません。
それに加えて、営業許可の申請には水質検査の成績書が必要になります。
なお、営業許可の有効期限は五年から八年というのが一般的で、細かな内容は都道府県によっても異なることがあります。
もし営業許可を申請したいという場合には、まず申請をする都道府県に条件を確認することが必要になります。

07自宅を活用する場合の注意点

それでは、自宅を活用して手作りのお菓子を販売する場合にはどのような点に注意が必要なのでしょうか。

7-1自宅の活用例

手作りのお菓子を販売するときには、まずは自宅で製造したものを移動販売・ネット販売するという方法が一般的です。
そのためには、営業許可と食品衛生責任者としての資格、さらに食品表示が必要となります。なかでも取得が難しいのが営業許可。どのような設備が必要かを確認して、改装や増築を行うことが必要となります。
すでに説明したように、自宅のキッチンをそのまま使用することはできないため、別のキッチンなどを作り、専用の場所として確保するのがよいでしょう。

7-2市街化調整区域に指定されていると商用で利用できない

自宅をお店にするときにはその場所が「市街化調整区域」に指定されていないかどうかの確認も必要です。もし指定されている場合には、用途を「住宅」から「飲食店やその他の商売目的の施設」に変更できません。そのため、その場所での営業は許可されないということになります。
また、市街化調整区域に指定されていなかったとしても、お菓子を製造するだけでなく、カフェなどとしてその場で飲食物を提供する場合には、別途に営業許可が必要になることがあります。もし法律違反をした場合には営業停止や撤去命令が出ることもあるため注意が必要です。
このように、自宅で営業許可を取得するためには大がかりな改装・増築を行うことが必要で、実際にはなかなか難しいケースが多いもの。
その対策として、すでに営業許可を取得しているお店を居抜きで借りる、レンタルキッチンを借りてそこでスタートするという方法もあります。
また、最近増えているのが間借り。これはやはり営業許可を得ているお店の早朝や深夜、定休日など、営業時間外に場所を借りる方法。この方法なら自宅を改装・増築するよりも経済的な負担が少なくお菓子作りの販売を始めることができます。

08まとめ

手作りのお菓子を販売するのは実際にはハードルが高いもの。しかし、問題をひとつずつクリアすることで実現に近づけることができます。自分のお菓子を販売したいという夢を持っている方はぜひ最初の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

この講座は!プロの監修を受けています!

講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
高橋教子 先生
お菓子教室スタジオジェンマを主宰
1968年生まれ、東京都出身。
短大食物科卒業後、同校の調理研究室の助手として10年勤務し、校内の先生、外部講師のホテルシェフや料理家からも技術を習う。
その後、洋菓子研究家 柴川日出子氏のアシスタントとして10年研鑽を積む。
東京都菓子学園卒業。
企業の商品開発を行いながら材料・素材の知識を深めるほか、海外留学や国内外多くのシェフより技術を習うなど、現在も勉強を続けている。
著書も多く、海外で翻訳本も発売されている。
企業や雑誌等へのレシピ・写真・動画提供も多数行っている。
高橋教子

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