賞味期間は?方法は?手作り焼き菓子の日持ちと保存方法について
お菓子作りを趣味にしている人の中には、プレゼント用としてお菓子を作る方も多いかもしれません。そんなときに気になるのが日持ち。どんな手作り菓子なら日持ちしやすいのでしょうか。また、日持ちしやすいお菓子を作るにはどのようなポイントがあるのでしょうか。今回は手作りお菓子の日持ちや保存方法についてご紹介します。
- 目次
01手作り菓子と市販菓子の日持ちの違い
実は自分でお菓子を作るとき、それらを参考にするのはちょっと危険。手作りお菓子の場合、市販のお菓子よりも日持ちがしないのが一般的です。
ではなぜこのような違いが生まれるのでしょうか。
まず大きな違いは保存料。市販のお菓子には保存料などの添加物が使われていることが多く、これが保存できる期間を長くしています。家庭で手作りするお菓子には保存料が使われることはほとんどなく、この違いが日持ちにも関係しています。
また意外に重要なのがお菓子を作る環境です。市販のお菓子を作るときには職人さんたちは手袋をして食材に触れるもの。そうすると雑菌が入ることが少なくなり、結果としてお菓子の保存期間は長くなります。さらに使用する調理器具など、お店では毎日消毒を行うもの。そうするとさらに雑菌が少なくなります。
家庭では毎日道具を消毒するのは難しいものですが、お菓子作りのときに手袋をすると、多少は保存できる期間が長くなります。
02日持ちしやすい手作りスイーツは?
2-1日持ちしにくいスイーツ
お菓子の日持ちには、含まれている水分が大きく関わっています。というのも食材の劣化は水分の腐敗から始まることがほとんど。
つまり、多くの水分を含んでいるスイーツは日持ちがしにくいということになります。たとえばゼリー、プリン、生クリーム、カスタードクリームなど、水分の多い食材は保存期間に注意したほうがよいでしょう。
2-2日持ちしやすいスイーツ
逆にスイーツが含んでいる水分が少なければ、日持ちがしやすいということになります。
また、しっかり火が通っているかどうかも大きなポイント。他の食材と同じように、生の状態よりも火を通した状態のほうが水分も少なくなり、保存しやすくなります。
その他にも、油が使われているかどうかも日持ちを決める条件です。油は水分を包み込む性質を持っていますが、油の中に含まれた水分は空気と接触することが少なくなるため、腐敗や酸化が遅くなります。
バターの他にも、防腐効果があるチョコレート系も日持ちに効果的。
これらの条件を満たしているクッキー、パウンドケーキ、ブラウニー、ビスコッティ、スコーンなどが日持ちするお菓子の代表的な存在です。ただし、シフォンケーキは水分が多いので意外に傷みやすいので注意しましょう。また、日持ちだけでなく、美味しく食べるには鮮度も大切です。
2-3冷蔵庫で保存した場合
もしプレゼントでお菓子をもらった場合には生菓子だけでなく、焼き菓子であっても冷蔵庫で保存するのがよいでしょう。
ちなみにそれぞれ保存できる期間は、カスタードクリームでは1日、生ケーキでは2日、プリン・ゼリーでは3日、焼き菓子でも5日程度だと言われています。
冷蔵庫で保存する場合にも早めに食べきるのがおすすめです。
03焼き菓子の保存方法
3-1保存のしかた
焼き菓子を保存するときの基本は、できるだけ空気に触れさせないようにすること。また、空気だけでなく湿気にも注意が必要です。
空気や湿気を避けるために便利なのが、空気を通さない袋。さらにそこに乾燥剤を入れておくと湿気を遮断することができます。
3-2焼き菓子をより日持ちさせるコツ
もし焼き菓子をプレゼントするときは、できるだけ日持ちさせることが必要。
そのためにはちょっとしたコツがあります。
まず、焼きあがったお菓子は完全に冷ましてからラッピングを行いましょう。もしまだ熱いうちに封をしてしまうと、蒸気がこもって水滴になり、そこから傷みやカビが発生してしまいます。
また、ラッピングをするときに入れておきたいのが乾燥剤。クッキーやパイなど食感が大切なお菓子にはぜひ忘れないようにしましょう。
なお、もし食品用の乾燥剤がないという場合には、紅茶のティーバッグでも代用することができます。
ただし、同じ焼き菓子でもマカロンやパイなど中にクリームが入っているものは保存に向いていません。できれば当日中に食べきりましょう。
04手作り菓子の冷凍保存
4-1冷凍保存に向くものは1ヵ月程度日持ちする
もしお菓子が冷凍保存に向いた種類であれば、一か月程度日持ちさせることも可能です。種類によっては、冷凍しても美味しく食べることができるものも少なくありません。ただし、美味しく食べるためには二週間程度を目安にするとよいでしょう。
4-2冷凍しても美味しく食べられるスイーツ
冷凍しても美味しく食べられるスイーツの代表的な存在は、一度火を通した焼き菓子です。解凍してもほぼ風味を損なわず、作りたての味を楽しむことができます。
そのほかにも、スポンジケーキ、タルト、パイなども冷凍に向いています。
ただし、フルーツが入っているものの場合には注意が必要。フルーツは冷凍すると水分が出てしまい、口当たりが悪くなるほか、ケーキ全体が水っぽくなってしまいます。
逆に、あまり冷凍できるというイメージのない生クリームも冷凍が可能。生クリームは含まれている水分が少ないので、冷凍しても十分美味しく食べることができます。そのほか、和菓子なども冷凍に向いています。
4-3冷凍保存に向かないスイーツ
スイーツの中には冷凍することで口当たりが変わってしまうものもあり、これらは冷凍には向いていません。たとえばゼリーやプリン、カスタードクリームなどは冷凍できないわけではありませんが、解凍するとまったく別の食感に変化してしまいます。
またチョコレートなどは急激な温度変化によって劣化するため、冷凍保存は避けたほうがよいでしょう。
和菓子の場合では注意したいのが水ようかん。寒天やゼラチンを使った水ようかんの場合、解凍するとざらざらした舌ざわりになってしまうため、あまり冷凍はおすすめできません。
4-4解凍方法
冷凍したお菓子は解凍するときにも注意したいポイントがあります。
お菓子を解凍するとき、基本となるのが冷蔵庫に移し替えてゆっくりと解凍するということ。お菓子は温度変化が激しいと、食感が変化してしまいます。そのため、いきなり常温に出すことはせず、冷蔵庫に入れてゆっくりと常温に近づけていきましょう。
なお、解凍してから時間が経つと鮮度が落ちるため、解凍後は早めに食べきったほうがよいでしょう。
05まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
短大食物科卒業後、同校の調理研究室の助手として10年勤務し、校内の先生、外部講師のホテルシェフや料理家からも技術を習う。
その後、洋菓子研究家 柴川日出子氏のアシスタントとして10年研鑽を積む。
東京都菓子学園卒業。
企業の商品開発を行いながら材料・素材の知識を深めるほか、海外留学や国内外多くのシェフより技術を習うなど、現在も勉強を続けている。
著書も多く、海外で翻訳本も発売されている。
企業や雑誌等へのレシピ・写真・動画提供も多数行っている。