どんな食事があるの?介護食の種類や分類と、その特徴について | 通信教育講座・資格の諒設計アーキテクトラーニング

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どんな食事があるの?介護食の種類や分類と、その特徴について

食事に関する機能が低下しがちな高齢者のための介護食。実は介護食には様々な分類や種類があります。介護食は高齢者の身体の状態によって使い分けることが非常に重要。今回は介護食の種類や分類、特徴についてご紹介します。

どんな食事があるの?介護食の種類や分類と、その特徴について

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目次

01介護食の分類・区分

高齢者の身体の状態は人によって異なるもの。そのために必要なのが介護食の分類と分類。どの程度の機能低下があるかによって介護食は大きく四つの種類に分けることができます。これらの分類には食品の固さや粘度などが大きく影響します。

1-1分類1:容易に噛めるもの

分類1は普通のご飯ならごく簡単に噛めるもの。固いものや大きすぎるものはやや食べづらいと感じることもありますが、飲み込む機能にも問題はありません。たとえば普通の固さに炊いたご飯や焼き豆腐、焼き魚といったものがこの分類に当たります。

1-2分類2:歯茎でつぶせる

分類2は「歯茎でつぶせる」という食べ物です。高齢になると、歯周病や加齢による歯茎の衰えによって歯を失くしてしまうことがありますが、実際には歯茎だけでもかなりの食品を潰して食べることができます。
ただし、固いものや大きいものは歯茎で潰すのが難しく、結果として飲み込みにくくなることがあります。
たとえば木綿豆腐や煮魚、柔らかいご飯や、普通に炊いたおかゆなどがこの分類に当たります。

1-3分類3:舌でつぶせるもの

高齢者は身体全体の筋肉が衰える傾向にありますが、特に口を開けたり閉じたりする筋肉もその影響を受けやすく、口を開けて噛むこと自体が難しくなることもあります。
その場合、舌を使って食品を潰すことが必要になります。
細かくて柔らかい食品であれば食べることに問題はありませんが、飲み込む機能の低下から水やお茶などが飲み込みにくくなることもあります。
絹ごし豆腐や柔らかく炊いたおかゆがこの分類に当たります。

1-4分類4:噛まなくてよいもの

身体の機能が低下していくと、最終的には噛む必要のない食品を選ぶ必要があります。この状態では、固形物は小さいものでも食べづらく、水やお茶なども飲み込みにくくなります。
この分類には、ペースト状にしたおかゆや、白身魚を裏ごししたものが選ばれます。

1-5嚥下調整食学会が提案する病院や施設での食形態の分類

高齢者は咀嚼だけでなく食べ物を飲み込む嚥下にも注意する必要があります。
嚥下などに関する専門学会である日本摂食嚥下リハビリテーション学会では、病院や施設などでの食形態の分類である「嚥下調整食学会分類」を発表しています。
の分類では「コード」によって食事のイメージが区別されています。

1-6コード0、1

コード0とコード1に当たるのが、摂食嚥下機能に重大な障害がある人です。
コード0はさらに二つの種類に分けることができます。コード0jは水分を含んだゼリーで、均質で固さが柔らかいもの。スプーンなどで救ったときにまとまった状態となるもの。コード0tはコード0jはとろみのあるものです。これらは嚥下が困難な人のリハビリにも用いられます。
コード1はゼリーやプリン、ムース状の食品で、咀嚼の必要がないものです。

1-7コード2-1

コード2-1に当たるのが飲み込むだけでなく、自分で食べ物を喉に送ることができる人です。通常はミキサー食やピューレ食、ペースト食などと呼ばれます。その中でも、全体が滑らかで均質なものが選ばれます。

1-8コード2-2

コード2-2もコード2-1と同じく、飲み込むだけでなく、自分で食べ物を喉に送ることができる人です。ただし、食べ物を飲み込むためには口の中できちんとまとめられるかどうかが必要。もし口の中で食べ物をまとめられないと、誤嚥につながることがあります。そのため、コード2-1の場合には食品は全体が均等な食べ物、コード2-2では粒状のものが残った不均等な物となります。

1-9コード3

コード3は歯などを使って口の中で食品を潰すことが可能な人です。形のある食品を舌で上あごに押し付けることができるため、口の中で固まりを作りやすく、ばらばらになりにくいものが選ばれます。このコード3はソフト食などと呼ばれることもあります。

1-10コード4

コード4は上下の歯茎や舌などで食品をすりつぶすことができる人です。食べ物を食べるときには歯で噛むというイメージがありますが、実際に食べ物を飲み込むときには歯茎や舌を使って食品を細かくすりつぶすことが必要です。
コード4の食品は柔らかいご飯や全粥などが選ばれます。

02介護食の種類

専門的な分類以外にも、介護食には高齢者の身体の状態によっていくつかの種類が用いられます。

2-1きざみ食

「きざみ食」は、噛みやすいように食品を細かく刻んだものです。あごの筋力が低下して口を開けたり咀嚼したりといった行動が難しい人に用いられます。また、入れ歯が合わないというときにも便利ですが、唾液が少ない場合には飲み込むときにまとめるのが難しくなり、むせやすいという欠点もあります。また、あまり食材を細かく刻みすぎると、食品のかけらが入れ歯の間に入りやすくなるため注意が必要です。

2-2ソフト食・やわらか食(軟菜食)

ソフト食ややわらか食は、食材を良く煮込んだり、火を通す時間を長くすることで柔らかくした食事です。歯を使わなくても、舌だけで潰せる固さにすることもあります。これらの食事は、歯やあごの衰えで噛む力を衰えた人だけでなく、口の中で食事をまとめられない人にも用いられます。
高齢者の場合には、あごやのどだけでなく、胃腸の機能も低下することで消化不良を起こすことも考えられますが、すでにある程度食事が柔らかくなっているため、胃腸が弱い人にも適しています。

2-3ミキサー食

ミキサー食は食事をミキサーにかけ、飲み込みやすい液体状にした食事です。あまり食事を噛むことができない人や、嚥下が難しくなった人に用いられます。また、とろみをつけることで誤嚥を防止するときにも役立ちます。
ミキサーにかければかけるほど滑らかな状態になりますが、その場合にはどのようなメニューなのかが分かりにくくなってしまうため、盛り付けなどで工夫する必要があります。

2-4とろみ食・ゼリー食・ペースト食(嚥下食)

とろみ食やゼリー食、ペースト食は基本的にはミキサー食と変わりありませんが、ポイントは単に食事をミキサーにかけるのではなく、水分を減らしてからミキサーにかけるということ。
水分を減らしてミキサーにかけることでさらに食事を飲み込みやすい状態にします。食事を噛む力や飲み込む力がなく、誤嚥が心配だという人に向いています。

2-5流動食

流動食とは、スープなど液体状にした食事や、おかゆの上澄みである重湯などの食事です。胃腸の手術をした後や高熱が出たときなど、消化する力が衰えたときに使われます。
消化することを重視した食事ですが、カロリーや栄養素が不足しがちなので注意する必要があります。

03介護食品の選び方

介護食は自分で作ることもできますが、実際には技術が必要なもの。さらに固さや飲み込みやすさの判断も難しく、専門知識がないと難しい部分もあります。
そんなときに便利なのが、レトルト介護食や宅配の介護食サービス。これらの食事はプロの手によるもので、味や栄養素はもちろん、介護の専門家でも難しいと言われる介護食選びのわかりにくさを解消する基準が確立されています。

3-1スマイルケア食とは?

介護食選びは非常に難しいもので、特にメーカーによっても基準がまちまち。それぞれ使用する分類や表示が異なることもあり、選ぶときにも難しい点があります。
それを解消するのが「スマイルケア食」と呼ばれるもの。
スマイルケア食は農林水産省で始まった新しい取り組みで、メーカー間の分類・表示の違いによるわかりにくさを解消するだけでなく、食べる悩みに応じたフローチャートを利用することで介護食を選びやすくしています。
たとえば「飲み込みに問題がある」「噛むことに問題がある」といった質問に答えるだけで、飲み込む力が弱い、やや弱い、とても弱いなど高齢者の状態に合った食品を選択することが可能です。

3-2ユニバーサルデザインフードとは

「スマイルケア食」と同じように、高齢者の食事に便利なのが「ユニバーサルデザインフード」です。「ユニバーサルデザインフード」は「咀嚼しやすさ」や「飲み込みやすさ」に配慮している食品のことで、介護食だけでなく日常の食事にも使用することができます。
種類は非常に幅広く、レトルト食品や冷凍食品だけではなく、食事にとろみをつけることで飲みこみをサポートし誤嚥を防止するとろみ調整食品なども含まれています。
「ユニバーサルデザインフード」には専用のマークが記載されていることがポイント。
このマークは日本介護食品協議会が制定した企画に適合した商品だけに使うことが許されているため、安心して商品を選ぶことができます。
さらに「ユニバーサルデザインフード」の場合、硬さや粘度などの規格があり、それによって四つの区分に分類されているため、高齢者の状態に合った食品を選ぶことが可能。
たとえば、かむ力の目安としては「かたいものや大きいものはやや食べづらい」「固いものや大きいものは食べづらい」「細かくて柔らかければ食べられる」「固形物は小さくても食べづらい」といった四つの項目があり、それによって必要な商品を選べるのもうれしいポイント。
また、誤嚥を防ぐとろみ調整食品に関しても、とろみの強さを四段階に分類。「マヨネーズ」「ケチャップ」「とんかつソース」「フレンチドレッシング」など、とろみの状態をイメージしやすい工夫も行われています。

04まとめ

食事は高齢者にとって日々のエネルギーになるだけでなく、生きる楽しみのひとつです。高齢者の状態に合った食品を選ぶことで、より健康な生活を手にすることができます。

この講座は!プロの監修を受けています!

講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
石本淳嗣 先生
尼崎食支援研究会運営
1959年大阪生まれ。介護食資格保持者フードスタディマイスター。
石本淳嗣

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