手づくりパンをふんわり焼くコツについて
手作りでふわふわのパンができるとうれしいものですが、実際には、パンをふんわり焼くのは非常に難しいもの。頑張ってもぱさぱさになったり、硬くなったりすることも少なくありません。では、どうすれば手作りパンをふわふわに焼くことができるのでしょうか。今回は手作りパンをふんわり焼くコツについてご紹介します。
- 目次
01ふわふわのパンをつくるには?
1-1パン作りの基本工程
ふわふわのパンを作る方法を見ていく前に、まずはパン作りの基本工程を確認しておきましょう。パン作りのスタートは、パン生地作り。小麦粉と水、イースト菌などの材料をしっかりこね合わせます。しっかり生地をこねたら、一次発酵で生地を発酵させ、カットしたあと、生地を休ませるベンチタイムを取り、成型して二次発酵を行います。その後、オーブンなどで焼成を行うことで、手作りパンが完成します。
1-2材料、生地作り、焼成をきっちりおこなうことでふわふわになる
パンをふわふわにするためには、すべてのステップをきちんと行うことが重要です。材料の選択や生地作り、焼成など、ふわふわのパンを作るためには、段階ごとに注意すべき点があります。
02ふわふわのパンをつくるポイント
2-1材料は正確に測る、目分量はNG
ふわふわのパンを作るときにまず必要なことは、材料をしっかりと計量するということです。パン作りには目分量はNG。水や粉、イーストなど、材料のどれかが多すぎたり少なすぎたりする場合、パンはふわふわにはなりません。
また、それぞれの材料の状態にも注意が必要です。たとえばイースト。イーストを使う場合、家庭ではドライイーストが一般的ですが、もしイーストを開封した状態で放置していると、イーストが発酵する力が失われてしまいます。さらに保存期限を超えると発酵する力が弱くなるため、期限内のものを使用しましょう。
その他にも、卵やバター、牛乳などの素材は常温に戻しておきましょう。そうすることで生地の温度が上下するのを防ぐことができます。
2-2手順
よいパン生地を作るためには、しっかりとこねることが重要です。もしこねが足りない場合、小麦粉と水がしっかり混ざり合わないため、グルテンが不足してしまうことがあります。もしグルテンが不足すると、発酵で生まれた炭酸ガスがパン生地の外に出ていってしまうため、ふっくらとしたパンを作ることができません。
また、パン生地作りには材料を入れる場所にも注意が必要。たとえば砂糖。砂糖はイーストのエサになるため、入れる場所は近いほうがイーストの発酵を促すことができます。
逆に離したほうがよいのが塩。塩には殺菌力があるため、イーストに直接触れると、イースト菌を殺してしまうことがあります。
そのため、最初は離れた位置に置いてから混ぜ合わせましょう。
2-3発酵
きちんとパン生地が発酵できたかどうかは、フィンガーテストを行うことで確かめることができます。フィンガーテストは生地を直接指で押して発酵の状態を確かめる方法。指で生地を押して、穴がそのままになっていれば発酵がきちんと行われた証拠。逆に穴がすぐに戻ってしまう場合には発酵が不足、穴が開くだけでなく、穴の周囲がへこんでしまう場合には発酵が過多な状態です。
2-4形成
形成はパン生地の形を整える作業ですが、ふわふわのパンを焼くためにも重要な工程です。このときに重要なのは、パンの表面をピンと張り、パン生地のとじ目をきちんと閉じること。もしきちんとパン生地が閉じていない場合、そこからガスが抜けてふわふわのパンには仕上がりません。
2-5焼成
焼成では、オーブンの温度が重要になります。オーブンは必ず予熱をすること。もし予熱が足りず、低温から焼き上げた場合、パンの水分が失われてぱさぱさになってしまいます。
また、もし焼き色が不足していると感じても焼き時間は伸ばさないこと。もし焼き時間が長すぎる場合も、パンから水分が蒸発してしまいます。
03ふわふわなパンにするコツ
3-1水分を保持する
パンをふわふわに仕上げるためには、パン生地の水分を保つことが重要です。そのためには、できるだけパン生地を乾燥から守ることが大切。
もしオーブンにスチーム機能がついている場合、それを使用するとふわふわになりやすくなります。もしスチーム機能がない場合でも、オーブンの庫内にお湯を入れておくことで、湿度を保ち、パンが乾燥するのを防ぐことができます。
その場合には注意するべき点は、耐熱容器を使うことと、余熱の段階から入れておくこと。そうすることで、ふわふわのパンになりやすくなります。
3-2ふわふわになりやすい材料
ふわふわのパンを作るためには材料選びにも注意しましょう。粉と水、塩だけといったシンプルな材料を使用したパンも素朴で美味しいものですが、これらの材料だけを使った場合、どうしても固いパンになりがちです。
もしふわふわしたパンを作りたいなら、卵、バター、生クリームなどを混ぜ合わせてリッチな生地を作りましょう。
これらの材料には、パン生地の保水力を上げて、パン生地が乾燥しにくくなるというメリットもあります。
3-3粉の種類に注意
小麦粉には様々な種類がありますが、実は粉の種類によって、パンが固くなることがあります。たとえば、質の低い小麦粉を使用した場合、すでに小麦粉から水分などが失われているため、どうしてもぱさついたパンになりがちです。
小麦粉を選ぶときは、価格だけでなく、適切に保存されているかといった粉の状態もチェックしてみましょう。
04失敗しやすいポイント
4-1材料、生地の温度
パンの発酵には温度が重要。もし生地が冷たいと発酵が不足してしまい、逆に温かいと過発酵になってしまいます。
特に季節によって室温が大きく異なるという場合には注意が必要。冬場で温度が低い場合には、水をぬるま湯に、夏場で温度が上がりすぎる場合には、水を冷水にする、粉を冷やしておくといった工夫が必要になります。
4-2材料を目分量で測る
材料を目分量で計るのも失敗の大きな原因になります。パン作りは1グラムの誤差でも失敗するもの。もししっかりと計っているのに失敗する場合、計量器に原因があることも。デジタル式の計量器で、グラム単位できちんと計量しましょう。
4-3霧吹きのタイミング
パンの水分が不足している場合、霧吹きで水分を足す人もいますが、これはNG。霧吹きを焼く直前にかけた場合、水分が急速に蒸発、もともとパン生地に含まれている水分まで奪われてしまいます。
霧吹きを使うときには、焼成の前ではなく、発酵の段階にとどめておきましょう。
4-4家庭のオーブンを理解していない
オーブンは家庭によって火力に大きな違いがあるもの。同じ機種であっても火の周りが異なります。まずは使っているオーブンにどのような特徴があるのかを把握しましょう。
05まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
和裁士、一般事務職を経て調理師専門学校にて調理、パン、洋菓子、フードコーディネートを学ぶ。
その後、大手製パン会社のベーカリー部門に入職。
パン職人となる。
退職後、神奈川県茅ケ崎市の自宅工房にて、「3日目もふわふわパン」が焼けるようになるパン教室&販売shino'sパン工房を主宰。
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