プランター栽培の魅力と始め方について
ベランダ菜園で使われることが多いプランター。一般的には、畑の代用と考えられることが多いプランターですが、実はプランターには畑にはない同時の魅力やメリットがあります。今回はプランターで野菜を栽培する魅力や、プランター栽培の始め方についてご紹介します。
- 目次
- 1. プランター栽培の魅力
- 1-1. ベランダや窓辺、玄関先など、狭い場所でも置ける
- 1-2. 日常生活の中に取り入れやすく、気軽に水やり・収穫ができる
- 1-3. 浅くて小さなプランターから気軽に始められる
- 2. プランター栽培のメリット
- 2-1. 動かせる
- 2-2. 隣の野菜の邪魔をしない
- 2-3. 水分量を調節できる
- 3. プランター栽培ならマンションのベランダでもできる
- 3-1. ベランダ菜園とは
- 3-2. ベランダ菜園の魅力
- 4. 作る野菜で決まるプランターの深さ
- 4-1. プランターには素材、大きさ、深さが色々ある
- 4-2. ベビーリーフやバジルなら浅いプランター
- 4-3. ほうれんそうや水菜等の背が高くなる葉野菜は、高さに合わせて中型のプランター
- 4-4. トマト、なす、きゅうり等の背が高くなる野菜は根がたっぷり伸ばせる深いプランター
- 5. プランターの素材
- 5-1. 軽くて割れにくいプラスチック
- 5-2. 通気性がよくて過湿防止になるテラコッタ(素焼き)
- 5-3. 植物と相性抜群の木製
- 5-4. お洒落で場所を取らないエコプランター
- 6. プランターと併せて準備するもの
- 6-1. 土
- 6-2. 鉢底ネット、鉢底石
- 6-3. 肥料
- 6-4. 殺虫剤
- 6-5. じょうろ、スコップ、軍手
- 7. 実際にプランターに植えていく手順
- 7-1. 鉢底ネットを敷いて鉢底石を置く
- 7-2. 培養土を入れる(元肥を入れる場合は入れる)
- 7-3. 種・苗を植える(パッケージに書かれている植え方・植える時季を守る)
- 8. 日々のお手入れ
- 8-1. 水やり
- 8-2. 間引き
- 8-3. 葉のツヤ、病害虫のチェック
- 8-4. 収穫
- 9. まとめ
01プランター栽培の魅力
1-1ベランダや窓辺、玄関先など、狭い場所でも置ける
プランターの最大の魅力は、置く場所を選ばないということです。都会のマンションやアパートに暮らしていると、緑が欲しいと思っても、どうしても大きな鉢などを置くことは難しいもの。
しかしプランターであれば、ベランダや窓辺といった狭いスペースでも活用することが可能です。
1-2日常生活の中に取り入れやすく、気軽に水やり・収穫ができる
本格的に野菜を育てたいという方の中には、レンタルの農園を借りたいと思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、レンタルの農園を借りた場合、そこまで実際に行くのはなかなか大変なもの。特に野菜を育てているとどうしても必要な道具が増えるため、それを運ぶための車も必要になり、ガソリン代などもかかってしまうもの。
結果として、なかなか時間が取れない、面倒になってしまうと、せっかく畑を借りてもなかなか続けられないということになってしまいます。
しかしプランターによる野菜の栽培であれば、日常生活に取り入れやすいというメリットがあります。
ベランダに出ればすぐに世話ができるため、水やりをはじめ、毎日のお世話も簡単で、行き届いたケアを行うことが可能。
また、目が届きやすいので、植物の成長を楽しむことにもつながり、出来た野菜はすぐに収穫、そのまま食卓で楽しむことができます。
1-3浅くて小さなプランターから気軽に始められる
プランターで野菜を育てるというと、大型のものが必要になると考えがちですが、実際には底の浅い小さなプランターでも様々な種類の野菜を育てることができます。
特に葉物野菜やハーブなど、土の上にできる植物の場合、土の量も最小限に済ませることができるため、初心者にも始めやすいというのが大きなポイントです。
02プランター栽培のメリット
2-1動かせる
野菜を栽培するとき、プランターを利用する大きなメリットは「動かせる」ということです。畑で野菜を育てていると、それを動かすことはできませんが、プランターなら移動は簡単。
ではプランターを動かすと、どのように良いことがあるのでしょうか。
プランターを動かすことの長所のひとつが、「常に日当たりのよい状態を保つことができる」ということです。畑などの場合、場所によって日当たりの時間や状態を変えることができません。
しかしプランターなら、季節に合わせて日当たりのよい場所に移動することで、常に日光がよく当たる環境で野菜を栽培することができます。また、逆に日に当てたくない場合などは、プランターを動かすことで、野菜を日光から遠ざけることができるため、野菜によって日光の当たり具合を調整することができます。
また、台風などのとき、プランターを動かすことで、風や雨といった被害を最小限に食い止められるという長所も。特に育て始めたばかりの野菜は、風や雨に弱いもの。強い台風が直撃すると、あっという間に全滅してしまいます。
しかしプランターを動かすことで、それらの被害を食い止めて、初心者でも健康な野菜を栽培することにつながります。
さらにベランダ菜園で野菜を増やしたい場合など、プランターなら動かすだけで簡単に新しいスペースを作ることもできます。
2-2隣の野菜の邪魔をしない
畑で野菜を育てるときに、注意しなければいけないのが生育スペース。実は野菜の中には、近い場所で育ててよいものと、近い場所に植えるとそれぞれに悪影響を与えるものがあります。もし相性が悪い野菜を隣で育ててしまうと、せっかくの野菜がきちんと成長しないことも。
しかし、プランターで野菜を育てている場合、すぐに場所を移動することができるため、相性の悪い野菜の場合には場所を離す、相性のよい野菜は隣同士にといった工夫をすることも可能です。
また、野菜の中には隣同士にすることで害虫がつきにくくなるハーブなどもありますが、プランターならこれらのメリットを最大限に引き出すことにつながります。
2-3水分量を調節できる
プランターで野菜を栽培するメリットのひとつが水分量を簡単に調節できるということです。
言うまでもなく、野菜を成長させるうえで欠かせないのが水分ですが、畑で野菜を栽培している場合、どうしても水分は天候に左右されがち。また、水分が足りないだけでなく、雨が多すぎることでも野菜の成長が阻害されることもあります。
このように、畑で野菜を栽培するときにはどうしても天候頼みになることがありますが、プランターの場合には、必要な水分をコントロールできるため、順調に野菜の生育を行えます。
03プランター栽培ならマンションのベランダでもできる
3-1ベランダ菜園とは
ベランダ菜園とは、簡単に言えばベランダを使ってハーブや野菜を育てる家庭菜園。ベランダ菜園と呼ばれているものの、ベランダだけでなく、窓辺のスペースや庭など、日当たりや排水などの条件をチェックすることで、家のどこでも楽しむことができます。
最近はベランダ菜園のために様々な道具が販売されているため、誰でも簡単にベランダ菜園を楽しむことができます。
3-2ベランダ菜園の魅力
ベランダ菜園の人気の秘密は、様々な魅力があるということ。
たとえば、ベランダ菜園の場合、野菜が毎日成長する様子を間近で観察することが可能。また、水やりや肥料の世話など、手間をかければかけるだけ、植物はきちんとそれにこたえてくれます。
もちろん、自分で作った野菜を食べられるというのも大きな魅力。特にベランダ菜園で栽培した野菜は、収穫してすぐに食卓に並べられるため、新鮮そのもの。いつものスーパーで購入したものと違って、野菜本来の味と香りなどを楽しむことができます。
そのため、最近では食育の一環として、ベランダ菜園を活用している家庭も少なくありません。特に土に接する機会のない子どもの場合、普段食べている野菜がどのように大きくなるか知らないということも珍しくないもの。ベランダ菜園で野菜を栽培することを通じて、自分がどのようなものを食べているのかを知ることができ、そのことによって、野菜の好き嫌いを減らす効果も生まれます。
04作る野菜で決まるプランターの深さ
4-1プランターには素材、大きさ、深さが色々ある
実は様々な種類があるプランター。ではなぜこのように色々な種類が揃っているのでしょうか。
それは植物にとって、土の中の環境が非常に重要だから。
植物は土の中に根を張って成長しますが、この根からは水や栄養分などが吸収されます。しかし、植物の根に合ったサイズのプランターでないと、根っこは正しい成長をすることができません。
プランターを選ぶときには、大きいものを選んだほうがいいと考えている方もいらっしゃいますが、実はこれはNG。というのも、大きすぎるプランターは土の水分によって根が腐ってしまったり、土の重さによって根が成長しなかったりと、植物に悪い影響を与えることがあります。
逆にプランターが小さすぎる場合にも、根が詰まってしまう原因に。
そのため、プランターは植物に合ったサイズを選ぶことが必要になります。
4-2ベビーリーフやバジルなら浅いプランター
プランターには、大きく分けると、小型・中型・大型の三つのサイズがあります。
もしベビーリーフやバジル、ラディッシュといった野菜を育てたいという場合には、深さ10センチから15センチの小型のプランターがおすすめです。これらの野菜やハーブは、他の野菜よりも浅い場所に根が張るため、これらのプランターを選ぶことで野菜を健康に育てることができます。
4-3ほうれんそうや水菜等の背が高くなる葉野菜は、高さに合わせて中型のプランター
ほうれんそうや水菜、小松菜、ルッコラといった背が高くなる葉野菜におすすめなのが、深さ15センチから20センチ程度の中型のプランター。
また、葉物野菜以外にも、カブや枝豆、タマネギといった野菜もこのサイズのプランターが適しています。
4-4トマト、なす、きゅうり等の背が高くなる野菜は根がたっぷり伸ばせる深いプランター
家庭菜園で一般的なのが、トマトやナス、きゅうりといった土から上の部分が大きく育つ野菜です。これらの野菜の場合、上の部分が大きくなると同時に、根も地中深くまで伸びるため、深さが30センチ程度の深型のプランターを選ぶのがよいでしょう。そのほかにも、ゴーヤやオクラ、いんげんといった野菜もこのサイズのプランターがおすすめ。
また、地上部分を収穫して食べる野菜以外にも、ダイコンやニンジン、じゃがいもといった地中のものを食べるタイプの野菜も、できるだけ土が多いこのタイプを選ぶとよいでしょう。
05プランターの素材
5-1軽くて割れにくいプラスチック
プランターの中でももっとも一般的なのが、プラスチック製のプランターです。プラスチック製の大きなメリットは、なんといっても軽くて割れにくいということ。
プランターは土が入ると非常に重くなりますが、プラスチック製の場合、土を入れた状態でも簡単に持ち運びや場所移動を行うことができます。また、デザインが豊富で割れにくく、水が蒸発しにくいというメリットもあり、初心者にはおすすめです。
ただし、プラスチックの場合、鉢の中の温度や湿度が上がりやすいため、夏場などには注意する必要もあります。
5-2通気性がよくて過湿防止になるテラコッタ(素焼き)
プランターというと、素焼きのテラコッタ製のものをイメージする人も多いかもしれません。
テラコッタ製のプランターのメリットは、通気性がよいということ。テラコッタは土を焼いたもので、自然な状態でも水分や湿気を通し、土の中が過湿状態になるのを防いでくれます。また、見た目の雰囲気がよいこともテラコッタ製の大きな魅力。
特にベランダにたくさんプランターを置いて庭のような雰囲気にしたいという方にはおすすめ。
ただし、テラコッタ製の場合、土で出来ているため、かなりの重さになるのがデメリット。さらにテラコッタのプランターは衝撃に弱く、落下するとすぐに割れてしまうこともあります。
5-3植物と相性抜群の木製
見た目を重視したいという方にテラコッタと同様におすすめなのが木製のプランターです。木製のプランターは植物との相性が抜群で、室内に置く場合などはインテリアの役割も果たしてくれます。また、木製のプランターも通気性がよく、土の状態が健康に保てるというメリットも。
ただし、木製のプランターもテラコッタほどではありませんが、かなりの重量があり、女性がひとりで運ぶときには苦労してしまうことも。
さらに木製のプランターは水を吸い込むことがあり、カビが生えたり、腐ってしまったりすることも。
5-4お洒落で場所を取らないエコプランター
最近人気を集めているのが、麻や布で出来たエコプランターです。袋状になっているだけでなく、内側は撥水加工が施されているため、そのままプランターとして使用することが可能。
これらエコプランターはおしゃれで場所を取らないことが大きなメリット。
また、布製なので重さも問題ありません。さらに軽さを追求したいという方におすすめしたいのが紙製のプランター。紙製のプランターは再生紙を固めたもので、軽く使いやすいというメリットも。
これらのエコプランターはプラスチックに比べると価格が高く、劣化しやすいため数シーズンに一度は買い替える必要がありますが、プラスチックごみなどエコに関心の高い人たちから大きな人気を集めています。
06プランターと併せて準備するもの
6-1土
ベランダ菜園を始めるとき、必ず必要となるのが土です。土は野菜によって向き不向きがあり、初心者にとってはハードルが高いもの。特定の野菜専用に配合された土も販売されていますが、そういったものが見当たらない場合や、様々な野菜に使いたいという場合、野菜用の培養土がおすすめ。培養土は複数の種類がブレンドされたもので、ほとんどの野菜に向いているもの。土の選び方が分からないという初心者にとっては心強い存在です。
6-2鉢底ネット、鉢底石
プランターで野菜を育てるときには鉢底ネットと鉢底石も欠かせないもの。鉢底ネットや鉢底石はプランターの水はけをよくするもので、これらを鉢の底に敷くことで、不要な水分を排水し、鉢底から新鮮な空気を取り入れるといった役割を持っています。
もし鉢底ネットや鉢底石がないと、排水が上手く行かず水が鉢底に溜まってしまい、そこから細菌が増殖、根腐れを起こしたり、根が詰まったりすることがあります。
6-3肥料
野菜を育てるときに重要になるのが肥料です。肥料には元肥や追肥などがあります。
元肥は苗を植える前に土に混ぜる肥料のこと。油カスや米ぬか、腐葉土などが使われます。一方の追肥は植物が成長するのに合わせて、後から追加で加える肥料です。ただし、培養土に肥料が入っている場合は追肥のみで構いません。
6-4殺虫剤
野菜の中には、病害虫に弱い種類のものがあり、それらを栽培するときに用意しておきたいのが殺虫剤です。殺虫剤にも様々な種類のものがありますが、初心者におすすめなのが病害虫が出る前に予防的に使えるもの。あらかじめこれらの殺虫剤を準備しておくことで、野菜を育てる手間がかなり少なくなります。
といっても、せっかく家庭のベランダで野菜を育てるのだからと無農薬にこだわりたい人も多いはず。その場合には、殺虫剤の中でも天然成分が使用されたものを選ぶとよいでしょう。
6-5じょうろ、スコップ、軍手
ベランダ菜園にあると便利なのがじょうろやスコップなどの道具類。じょうろは様々な種類がありますが、自分が選んだプランターに合ったサイズのものを選ぶとよいでしょう。
また、口がひとつになったものや、穴が複数開いているものでは、穴の数が多いものを選ぶとよいでしょう。穴の数が少ないものを使っていると、土に当たる水の量が多くなり、土がえぐれて根が露出してしまうことがあります。
スコップはさびにくいステンレスのものがおすすめ。プラスチックのものは安価ですが、耐久性が低く、先が折れてしまうことも。多少高いものでも、最初によいものを選んでおくと、長く使えるだけでなく、作業のストレスが減ってベランダ菜園がさらに楽しくなります。
軍手にも様々な種類がありますが、デザインだけでなく、手に合ったものを選ぶとよいでしょう。
07実際にプランターに植えていく手順
7-1鉢底ネットを敷いて鉢底石を置く
植物をプランターに植えるときには、まず鉢底ネットを敷いて鉢底石を並べていきます。すでに説明したように、鉢底ネットや鉢底石はプランターの排水のためにはとても重要な存在。
鉢底ネットは専用のもの以外でも、鉢底石とセットになったものや、プランターについてくるものがあります。また、ネットとプランターが一体になっているものもあります。
鉢底石は川原の石などでも代用できますが、専用のものは植物や鉢に負担がかからないように工夫されているため、そちらを買い求めるのが便利です。
ただし、土の中には鉢底石が不要なものも販売されています。
7-2培養土を入れる(元肥を入れる場合は入れる)
鉢底のネットと石を敷き詰めたら、次に土を入れていきます。このとき、元肥が必要なものは一緒に加えていきます。ただし、入れすぎには注意。肥料は入れればいいというわけではありません。もし入れすぎた場合、植物に悪い影響を与えることも。もし培養土を使用する場合には、肥料が必要かどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
7-3種・苗を植える(パッケージに書かれている植え方・植える時季を守る)
土の準備が終わったあとは、いよいよ種や苗を植えていきます。このとき、パッケージに書かれている植え方は必ず守りましょう。
また、重要なのが植える時期。少しぐらい時期が変わっても大丈夫と思っている方もいますが、植物にとって季節はなによりも重要なものです。そのため、しっかりとパッケージの記載を守るように注意しましょう。
最後に、プランターの底から水が出るまでたっぷり水やりすることを忘れないようにしましょう。
08日々のお手入れ
8-1水やり
水やりは基本的には毎日行います。ただし、水やりの回数は植物の種類や天候、季節によって変わるもの。そのときには、土の色を見て水やりが必要かどうかを判断しましょう。
もし土が乾燥していればしっかり水を上げること。そうすることで、カビや病害虫を防ぐ効果も生まれます。
特にベランダのプランターで植物を育てる場合、夏だけでなく風の強い日などは予想している以上に土が乾いてしまうもの。天気が悪い日でも土が乾いてしまうことがあるため、注意が必要になります。
8-2間引き
植物を種から育てるとき、どうしても必要になるのが間引きです。間引きとは、簡単に言えば、種から生えてきた芽を選んで引く抜く作業。
しかし、せっかく生えてきたものを成長する前に抜いてしまうのはどうも気が進まないという方も多いかもしれません。
では、なぜ間引きは必要なのでしょうか。
間引きが必要な理由として挙げられるのが、植物の根が密集するのを防ぐということ。というのも、間引きをせず、生えたものをそのままにしておくと、成長するに従って、株の間隔が狭くなってしまいます。そうなると、風通しも日当たりも悪くなるもの。また、病気が害虫が発生しやすくなり、結果としてすべてのカブに悪い影響が広がってしまいます。また、肥料もいきわたらなくなり、すべての植物が元気がなく、最悪の場合には枯れてしまう危険も。
それを防ぐためにも間引きはどうしても必要な作業です。
間引きをするときには、タイミングが重要。
まず最初に、発芽直後のタイミングを狙うことが重要です。それぞれの株の間隔が2センチから5センチになるように、余裕を持って株を抜いていきましょう。
このとき、手を使って株を引っ張って抜くと、土の中にある隣の根が傷ついてしまうことがあります。発芽直後の株はまだまだ弱いもの。根が傷ついてしまうと、隣の株も弱ってしまうため、ピンセットなどを使うとよいでしょう。
また、それぞれの株に本葉が生えてきたときも間引きのタイミングです。
この場合には、育ちが悪いものを選んで引き抜いていきます。なお、ここまで育ったものは、野菜の種類によっては食用にも用いることができます。
その後は、本葉が増えていき、周囲に比べて成長が遅いものなどが見つかったときに間引きを行いましょう。
また、虫に食われたものも間引きすると、その他の植物を健康に保つことができます。
ちなみに、あまり間引きしたくないからという理由で、あらかじめ株と株の間隔を大きく開けて植物を植える人がいますが、これはおすすめできない方法。というのも、始めに間隔を開けすぎると、株同士の距離が遠くなり、土の中が乾きがちになってしまいます。
そうなると植物が成長しにくくなるため、最初はある程度密集して育てることも重要です。
8-3葉のツヤ、病害虫のチェック
ベランダで植物を栽培する場合、葉のツヤや病害虫のチェックを行うことも必要になります。特に普段よりも葉の色が悪い、元気がないといった場合は要注意。
また、植物を育てるときに注意しなければいけないのが虫がついていないかどうか。特にアブラムシなどが発生すると、植物が枯れてしまうことも少なくありません。虫は一度増えるとなかなか退治することが難しくなってしまうため、少ない段階で対処を行うことが必要です。
虫の対策として便利なのが防虫剤や殺虫剤ですが、小さい子どもがいる、ペットがいるといった場合、それらの薬を使うことに抵抗があるというケースも少なくありません。
その場合には、害虫が苦手とするミントやバジルといったハーブを一緒に植える、酢やとうがらしを薄めた水を霧吹きでかけるといった対処法もあります。
8-4収穫
ベランダ菜園の大きな楽しみといえば収穫です。植物が実った場合には、食べてしまうのがもったいないからといってあまり長く置かずに、少しずつこまめに収穫しましょう。そうしておくことで、また次の収穫を楽しむことができます。
09まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
元・航空会社勤務。
海外での出産、育児の中でオーガニック、無農薬野菜の大切さに目覚める。
帰国後、当時海外ほど無農薬食材が普及していない日本の現状に気付き、自ら栽培を始める。