カレー以外にも!ガラムマサラの効能と使い方
スパイスを使った料理といえば、カレーを中心にしたインド料理が有名ですが、そんなインド料理に欠かせない存在がガラムマサラです。ガラムマサラは複雑な香りが楽しめるだけでなく健康に対する効能も豊富。しかもカレーだけでなく、様々な料理にも使えます。今回はガラムマサラの効能や使い方についてご紹介します。
- 目次
01ガラムマサラとは
1-1ミックススパイスのひとつ
ガラムマサラとは、ひとつのスパイスの名前ではなく、複数のスパイスを混ぜたミックススパイスです。いくつかのスパイスをパウダー状にして混ぜ合わせたものがガラムマサラ。そのため、同じ「ガラムマサラ」と名付けられたものでも、メーカーによって使用されるスパイスの種類や配合のブレンドが異なっています。
1-23~10種類のスパイスを混ぜた物
ガラムマサラには実は決まりはありません。好みのスパイスを3~10種類程度ブレンドしたものであれば、ガラムマサラと呼ぶことができます。また、インドではガラムマサラが料理に登場する機会が多く、家庭によって使われるスパイスや配合の比率が異なり、それぞれの家が独自のガラムマサラを持っていて、いわば日本の「おふくろの味」のような存在です。
02基本の3種類
「シナモン」「クローブ」「ナツメグ」の三つがガラムマサラの基本となるスパイス。これらのスパイスに、好みや目的に応じて様々なスパイスが加わることで、独自のガラムマサラが生まれます。
プラスするスパイスには様々なものがありますが、よく使用されるのがコショウやカルダモン。日本の場合、辛さを重視するために唐辛子などのスパイスが加わることもありますが、インドの料理では辛さよりも風味や香りが重視されるため、唐辛子が加わることは少ないようです。
2-1香りを豊かにする
カレーと言えば香りが魅力ですが、香りづけにも様々なスパイスが用いられます。基本となるクミンやコリアンダー以外でおすすめなのが「オールスパイス」。オールスパイスはシナモンとクローブ、ナツメグの三つの香りを併せ持つスパイスで、少量を使うだけでもカレーの香りに深みが増して、より本格的なカレーを楽しむことができます。
オールスパイスは香りの幅があるスパイスで、特に肉を使ったカレーにもおすすめです。
また、本格的なカレーを楽しみたいときに欠かせないのが「カルダモン」。カルダモンは「スパイスの女王」と呼ばれることもある歴史のあるスパイスで、さわやかな香りが特徴です。熱帯の様々な地域で産出され、地域によって大きさや色が異なる「グリーンカルダモン」「ブラックカルダモン」などの種類があります。
2-2カレーの色をつける
カレーの色の基本となるのが「ターメリック」です。本格的なレシピの中には、ターメリックを使うもの、使わないものがあり、ターメリックでライスを色付けした「ターメリックライス」もカレーのお供として人気です。その他、色付けのスパイスとしてはパプリカやサフランなども人気です。
2-3辛みをつける
カレーの辛みをつけるのがレッドチリペッパーなどの唐辛子系のスパイスです。レッドチリペッパーは、「チリペッパー」「レッドペッパー」「カイエンペッパー」などという名前で呼ばれることもあり、厳密には乾燥や焙煎などの行程が加わることで微妙な味の違いがあります。
03ガラムマサラの効能
3-1発汗効果
カレーを食べたとき、たくさん汗をかくことがありますが、これはスパイスによる発汗効果によるものです。スパイスの中には交感神経を刺激して、血流を促進、発汗を促すものも少なくありません。このときに出る汗には、水分だけでなく皮脂も含まれているため、肌の水分の蒸発を防ぐことで美肌効果も期待できます。
3-2健胃効果
ガラムマサラに含まれるナツメグやクローブには、消化を促進する働きがあります。これらは漢方では生薬としても使用されるもので、内臓の不調を改善する効果が期待できます。
3-3食欲増進効果
カレーの匂いを嗅いだだけで空腹を感じるという経験がある方も多いかもしれませんが、それはミックススパイスであるガラムマサラの食欲増進効果です。特にナツメグに含まれる飽和脂肪酸は食欲を促進、暑い季節や食欲の落ちるときでも、食欲の減退を防いでくれます。
このほかにも、ガラムマサラには抗酸化作用や生活習慣病の予防といった健康効果も期待できます。
04ガラムマサラの使い方
4-1香りが飛びやすい
ガラムマサラは複数のスパイスをパウダー状にしてミックスしたものです。そのため、どうしても空気に触れる面積が広く、香りが飛びやすいという欠点もあります。
そのため、長期間の保存には不向きです。特に市販のものは香りが飛びやすい傾向があるため、開封後はできるだけ早く使い切ることをおすすめします。
自宅でホールスパイスを買い求めてミルなどで挽いたガラムマサラは、市販のものよりも香りが長持ちしますが、こちらも長期間の保存は難しいため、自宅でガラムマサラを作るときには、短期間で使い切れるような分量だけを作るようにするとよいでしょう。
4-2基本は仕上げにさっと加えるもの
ガラムマサラの香りは時間の経過だけでなく、熱にも弱いもの。そのため、長時間加熱が続くような煮込み料理に入れてしまうと、すぐに香りが飛んでしまいます。そのため、ガラムマサラを加えるときには仕上げにさっと加えるようにしましょう。そうすれば加熱の時間も短くなり、ガラムマサラの香りを楽しむことができます。
また、ガラムマサラは複数のパウダーを使っているためダマになりやすいので、入れすぎには注意しましょう。たくさん入れれば美味しくなるというものではないので、適度な使用がよいでしょう。
4-3カレーに使われるのが有名な使い方(カレー粉とは別物)
ガラムマサラといえば、カレー粉と混同されることもありますが、カレー粉はイギリスで誕生したカレー用の混合スパイスであるのに対して、ガラムマサラはカレーだけでなく様々な料理に使用されるスパイスです。また、カレー粉がカレーらしさを出すように黄色の色づけのターメリックが配合されているのに対して、ガラムマサラではターメリックが必須というわけではありません。
05カレー以外の使い方
5-1タンドリーチキンなど、肉料理の下味、隠し味
カレー以外でガラムマサラが活躍するのは、肉料理などの下味をつける場合です。たとえばインド料理として有名なタンドリーチキンは、チキンをヨーグルトと共にガラムマサラで漬け込んだ料理。ガラムマサラはパウダー状なので、食材に均等な下味をつけることができます。その他、ガラムマサラは羊肉や牛肉、豚肉などあらゆる肉類と相性がよく、インドではそれぞれの食材に合わせてブレンドしたガラムマサラも販売されています。
5-2サラダや野菜いため
ガラムマサラは肉料理だけでなく、野菜とも好相性。たとえばきゅうりやトマトなどのフレッシュな野菜をヨーグルトで合えたインド風のサラダ「ライタ」にはガラムマサラは欠かせない存在です。ライタはカレーと混ぜ合わせて楽しむことができるため、ぜひ試してみたいメニューです。
またガラムマサラを使うメニューとしておすすめなのがドレッシング。油とビネガーにガラムマサラを加えるだけで、本格的なインド風のドレッシングを作ることができます。特にドレッシングの場合、加熱を行わないためガラムマサラの香りをしっかり楽しむことができます。
その他にも、いつもの野菜炒めにガラムマサラを振りかけるだけで、普段とは少し違った味を楽しむことができます。
5-3使用方法は無限大
その他にも、ガラムマサラはフライドポテトのフレーバーや、生野菜に振りかけるといった使用方法もあります。
また、インドといえばヨーグルトのドリンク「ラッシー」が有名ですが、ラッシーにもガラムマサラが加わることもあります。インドは夏場になると非常に高温になるため、塩とガラムマサラを加えたラッシーは塩分やミネラル補給に最適の存在。
さらに、インドの紅茶であるチャイにもガラムマサラは使われます。
06まとめ
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