ケージは買うべき?猫にとってケージが必要な理由と正しい使い方
猫というと、自由に歩き回る生き物というイメージがあるもの。そのため猫を飼うときにケージを購入するかどうか迷う方も多いかもしれません。しかし、実は猫にとってケージは非常に重要なもの。今回はケージの必要性や正しい使い方についてご紹介します。
- 目次
- 1. ケージを使うメリット
- 1-1. ケージを縄張りと認識すれば、安心できる場所に
- 1-2. 猫の安全確保、事故防止
- 1-3. ケージトレーニング
- 2. ケージが必要な具体的なケース
- 2-1. 子猫を迎え入れる時
- 2-2. 来客などで猫が落ち着かないとき
- 2-3. 先住猫と新参猫の対面時
- 2-4. ケガ・体調不良・術後などで安静が必要な時
- 2-5. 災害時
- 3. ケージを使う注意点
- 3-1. 長時間の使用は避ける
- 3-2. 閉じ込められていると認識するとストレス
- 4. ケージの種類と選び方
- 4-1. 2段、3段など高さのあるもの
- 4-2. 1段のもの
- 4-3. 素材
- 5. ケージ内のレイアウト
- 5-1. ポイント
- 5-2. 3段ケージのレイアウト例
- 6. ケージの置き場所
- 6-1. 壁際や部屋のコーナーなど落ち着ける場所が好ましい
- 6-2. 人の出入りで落ち着かない場所は避ける
- 6-3. 夏場は熱中症、冬は寒さ対策を
- 7. まとめ
01ケージを使うメリット
1-1ケージを縄張りと認識すれば、安心できる場所に
猫は非常に縄張り意識が強い生き物です。そのため、縄張りではない場所にいるときは常に警戒心を働かせて暮らしています。
その状態は猫にとっては非常にストレスフル。眠っていてもや食事をしていてもリラックスすることができません。
逆にその場所が縄張りであれば、安心して生活することができます。
もしケージの中が自分の縄張りだと分かれば、猫は安心して毎日を過ごすことができるようになります。
1-2猫の安全確保、事故防止
ケージは猫の安全を確保し、事故を防止するためにも役立ちます。
室内で猫を飼っていると、どうしても家を留守にして、猫から目を離すことが出て来るもの。飼い主さんにとっては仕事などで長い時間、家を留守にしていると、猫が心配で仕事が手につかないということも少なくありません。
実は家の中は、猫にとっては危険が多い場所。人間用の薬や食べ物を口にしてしまうと健康を損なうだけでなく、最悪の場合、死に至ることも考えられます。
さらに、物を倒したり、落ちてきたものにぶつかるなど、猫がケガをすることも考えられます
そんなときに便利なのがケージ。留守にしている間だけでもケージに入れておくことで猫の安全を確保して、安心して外出することができます。
1-3ケージトレーニング
子猫のときから猫を飼育していると、動物病院で去勢や避妊の手術を行うことがあります。そのときには、猫の健康状態を管理するために入院が必要になることも。
また、長期間外出するときなどにはペットホテルのお世話になることも。
ケージはそんな緊急の場合の移動にも欠かせないものですが、もし普段からケージに慣れていない場合、その中に入れるだけでも一苦労ということにもなりかねません。
また無理にケージの中に入れたとしても、今度は狭いケージにストレスを感じて、体調を崩してしまうことも考えられます。
そういった場合に備えて、ストレスなくケージで過ごせる訓練をしておくことも重要です。
02ケージが必要な具体的なケース
2-1子猫を迎え入れる時
家に来たばかりの猫は非常に緊張を感じているものです。特に子猫の場合、激しい不安を抱えています。
というのも、猫にとって慣れない場所にいることは命の危険を感じる状況と同じ。そのため、狭い場所に隠れてしまい出てこなくなることも珍しくありません。
まだ身体の小さい子猫の場合であれば、狭いところにも入れるため、姿を見失ってしまうこともあります。
そんなときに役に立ってくれるのがケージ。まずはケージの中に入れてそこを安全だと認識させることで、新しい場所でもリラックスして過ごさせてあげることができます。
また、子猫の間はしていいことと悪いことが区別できないもの。
ちょっとしたいたずら程度なら構いませんが、もし電気のコードやコンセントにいたずらすると、大けがにつながってしまうこともあります。
そういうときでもケージがあれば、少しずつしつけを行い、子猫を危険から守ることができます。これは子猫に限らず、猫が新しい家に慣れるまでの期間でも利用できます。
2-2来客などで猫が落ち着かないとき
猫の中には来客が苦手という子も少なくありません。もともと猫は犬とは異なり、単独で生活する生き物。さらに縄張りにも敏感なので、家の中全体が縄張りだと思っていると、そこに知らない人がやってきた場合、強いストレスを感じてしまいます。
もし来客などで猫が落ち着かないときでもケージがあると、そこが猫にとって安心できるスペースになります。
2-3先住猫と新参猫の対面時
特にケージが役立つのが多頭飼いを始めるときです。特に先住猫と新参猫が対面するときにはトラブルが起こりやすいもの。
そんなとき、それぞれの猫をケージに入れておくと、ケガなどを防ぐことができます。
その後もしばらくの間、別の部屋などでお互いを認識させたあと、少しずつ距離を近づけていきましょう。
2-4ケガ・体調不良・術後などで安静が必要な時
猫を飼っていると、ケガや体調不良、手術のあとなど安静にしなければならないことがあります。しかし猫も性格や猫種などによっては無理にでも動いてしまうこともありがちです。
もし運動を控えた方がいい場合などにはケージを利用すると、猫の健康と安全を守ることができます。
2-5災害時
ケージが非常に役立つ場面として挙げられるのが、災害が起きた場合。大きな災害の場合など、人間と同じ避難場所にペットを連れて行くことが難しい場合があります。
そのときには近くの動物保護センターなどで一時的に預かってもらうことになりますが、その場合にはケージの中に入れることが必要になります。
また、人間と同じ避難所を使うことができたとしても、その場合もケージの中での飼育が条件になります。
万が一の場合に備えて、ケージは用意しておくべきだと言えるでしょう。
03ケージを使う注意点
3-1長時間の使用は避ける
もしケージを使うときには、長時間の使用は避けたほうがよいでしょう。
というのも、猫は非常に繊細な生き物。常に新鮮なエサや水を欲しがることも多いものですが、ケージの中のエサや水は頻繁に交換することができません。そのため、ケージの中に入れっぱなしにしていると、猫がエサや水を口にしないようになってしまいます。
また、猫にとってトイレが近くにあるのもストレスの原因になります。
猫はとてもきれい好きなので、トイレの近くでは落ち着いて生活することができません。特に飼い主さんが留守にしていると、トイレの掃除や砂を交換することができなくなります。汚れやにおいを気にする猫にとってはこれがストレスの原因に。
さらに、すでに説明したように猫は縄張り意識の強い生き物です。
もし家の中全体を自分の縄張りだと思っている場合、ケージに入れられていることで縄張りをパトロールすることができないと、次第に不安になってしまいます。
これらのストレスは猫の体調に大きな影響を与えます。
もしケージに入れる場合には、最初から長時間の使用は避けたほうがよいでしょう。
3-2閉じ込められていると認識するとストレス
猫にとってケージは安心できる場所でもありますが、そこに閉じ込められていると認識すると途端にストレスを感じ始めます。
たとえば、何か悪いことをして叱ったあとにケージに入れると、猫にとってケージは「罰を受ける場所」と覚えてしまいます。
そうするとケージの中で暴れたり、早く出して欲しいと訴えるために泣き続けてたりといった結果に。
飼い主さんが安心するだろうと思ってケージに入れたとしても猫にとってはストレスとなることもあるため、ケージを使っている間はこまめに猫の様子を観察したほうがよいでしょう。
04ケージの種類と選び方
4-12段、3段など高さのあるもの
ケージの中でも一般的なのが2段、3段など高さのあるもの。このタイプのゲージはトイレと水皿を離れた場所に置くことができるので、猫にとっては非常に快適。
さらに猫が好む上下の運動ができることも大きなメリットです。
もし多頭飼いをしているときでも、仲がよければこのタイプのゲージひとつで十分に役立ちます。
ただし、子猫の場合にはまだまだ身体が発達していないため、高い場場所から落下してケガをしてしまうことも。
子猫用のゲージを選ぶときには、高さや大きさなどに注意しましょう。
4-21段のもの
スペースに限りがあるときや、基本的に室内で飼いたいという場合、便利なのがコンパクトな1段のケージです。
このタイプのゲージは場所を取らないため、狭い部屋でも置けることがメリット。特に
ケガや体調不良時に安静にする時に向いています。
また、同じく場所を取らないものとしては折り畳みのケージなども販売されています。
これらのシンプルなケージは子猫の間だけ使いたい、災害に備えたいといったときにもおすすめです。
4-3素材
猫のためのゲージには、スチールやプラスチック、木製など様々な素材が使われています。
もっとも多いのはスチール製のものですが、頑丈な反面、やや重さがあり、女性や狭い室内では不便。
もし力に自信がないという場合には、プラスチック製を選ぶと移動や掃除の場合にも簡単に取り扱うことができます。ただしプラスチック製のものはスチールに比べて強度が弱く、力が強く活発な猫の場合、破損してしまうこともあります。
もしインテリア性を重視した場合には、木製のものがおすすめ。木製のケージはその他の素材に比べると多少高価ですが、インテリアに馴染み、自然に部屋に置くことができます。
また、ケージを選ぶときにはキャスターつきのものもおすすめ。
キャスターがついていると移動も簡単で掃除をするときなどに便利。さらに部屋の中での場所移動もできるので、窓際などに置くと猫に景色を楽しませてあげることができます。
05ケージ内のレイアウト
5-1ポイント
ケージのレイアウトは何段のものかなどによっても異なりますが、基本となるポイントは同じです。
まず重要なのは、トイレを一番下に置くということ。
猫はトイレで用を足したあとは、必ず砂をかきますが、もし二段以上の高さにトイレを置いてしまうと、砂がケージ中に散らばってしまうことに。そうなると掃除が大変になるだけでなく、砂が掛かった水やエサを食べなくなってしまいます。
二つ目のポイントは、水やエサはトイレからできるだけ離れた場所に置くということ。
猫にとってトイレと水・エサが近い場所にあるだけでも大きなストレスになります。
5-23段ケージのレイアウト例
では、三段ケージを使用するときの具体的なレイアウトを見ていきましょう。
まず基本的なポイントに従って、トイレは一番下の段に置きます。このとき、ケージが狭すぎるようなら、脱臭効果の高いトイレや砂を使用するのがよいでしょう。
次に水とエサはトイレから離れた場所。あまり高い場所にあると不便なので、一番下か、下から2番目の段がよいでしょう。
もし留守にすることが多いという場合、自動給水機の使用が便利ですが、あまり高いところに置いておくと、落下して破損する危険もありますので、もしこれらの機械を設置するときも、一番下か下から二段目がよいでしょう。
逆に一番上は寝床にするのがおすすめです。
猫はできるだけ見晴らしの良い場所を好むもの。これは鳥などの天敵に狙われないように身を守るという本能に基づいた欲求で、高いところにいるとリラックスしてよく眠れるようになります。
また、余裕があればケージの中におもちゃを置いてあげるのもおすすめですが、そのときには、運動不足を防止するためにも一番上の段に置いてあげるのがよいでしょう。たとえばケージの柵などにおもちゃをひっかけておくと、積極的に遊んでくれるようになるはず。
さらにできればケージの中に置いてあげたいのが爪とぎです。
爪とぎは猫にとっては欠かせない行動で、ストレス発散の効果もあるため、ケージの中にあると便利です。
爪とぎはどの段でも構いませんが、一番下の段に置いておくと、ゴミが出てもすぐに掃除してあげることができます。
06ケージの置き場所
6-1壁際や部屋のコーナーなど落ち着ける場所が好ましい
ケージを置くための場所としておすすめなのが、壁際や部屋のコーナーといった場所。猫は騒がしい場所は好みませんが、あまり人目のない場所では猫の様子が分からなくなってしまいます。
逆にあまり開放的な場所だと猫が落ち着くことができません。
もともと猫は狭い場所や囲まれた空間が好きなので、一方向か二方向が壁で挟まれた場所がよいでしょう。
6-2人の出入りで落ち着かない場所は避ける
玄関や階段といった、人の出入りの多い場所では猫は安心して休むことが難しいもの。
また、人がいなくてもテレビのそばや、道路の音が聞こえやすい場所なども猫にとっては苦手な場所です。
特に猫は大きな音や突然の音を嫌うため、ケージを置く前にはその場所がどのような環境なのかをしっかり確かめておきましょう。
6-3夏場は熱中症、冬は寒さ対策を
猫にとって大敵になるのが温度変化。もともと猫は体温調節がそれほど得意ではありません。特に注意したいのが夏場の熱中症と冬の寒さ。ケージを置くときには、できるだけ風通しの良い場所を選ぶとよいでしょう。
07まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
ホテルエステサロン勤務後、三宮・北野でプライベートサロンを開業して16年。
幼少期から動物と共に暮らしてきたことから、念願の動物のお仕事もスタート。
猫さんがストレスなく過ごせる猫専門ホテルを2023年神戸にOPEN。猫専門のペットシッター「ねこもり」としても活動中。
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