多すぎる?足りない?猫に与えるご飯の量について
子猫が夢中になってご飯を食べている様子は可愛いものです。そのため、ついつい与えすぎてしまうこともありますが、ご飯の食べ過ぎは健康を損なう原因に。かといって少なすぎると猫が元気を失くしてしまいます。今回は猫に与えるご飯の適量などについてご紹介します。
- 目次
01猫のご飯を適量与えるべき理由
1-1健康維持のため
猫も人間と同じように、食事によって活動のためのエネルギーを得ています。さらに猫も人間も食事から摂取するカロリーによって身体の中に熱を作り出しますが、猫にとってはこの熱が非常に重要。
というのも、人間の場合は服を着ることによって熱を逃がさないようにすることができますが、猫はそれができません。
特に短毛種の場合には、食事によるカロリーだけが頼りになります。
かといって、与えすぎも健康には逆効果。子猫の場合には欲しがるだけ食事を与えてしまうことがありますが、子猫はまだまだ胃や腸の消化・吸収期間が成長していません。
そんな状態でたくさん食事を食べ過ぎると、嘔吐や下痢の原因になることも。子猫の間は嘔吐や下痢は珍しいことではありませんが、嘔吐や下痢が続くと消化器官に負担がかかり、生涯にわたって健康を損なうことにもなりかねません。
1-2肥満防止のため
猫の食事コントロールは肥満防止という目的もあります。
野良猫の場合、外を走り回ったりエサを探したりと、使用するカロリーは食事から摂取するものを上回ることが多いため、肥満の心配は少ないもの。
逆に室内で飼育されている猫は、どうしても運動不足気味で肥満になりやすい傾向にあります。
もし肥満になってしまうと、糖尿病や心臓病など、生活習慣病のリスクが高くなる原因に。さらに皮膚病や関節の故障なども多くなり、どうしても健康を損なってしまいます。
02猫に与えるご飯の量ってどうやって決める?
2-1まずは猫の理想体重を知ろう
猫のエサの適量を知るために必要なのは、猫の理想体重です。
同じ猫でも、身体の大きな猫には多めのエサを、小さめの猫には少な目のエサを与える必要があります。
そのため猫のエサの適量を考えるためには、まず理想的な体重を知る必要があります。
年齢や品種による標準体重もありますが、より猫の個性に合わせるためには「ボディ・コンディション・スコア」と呼ばれる数値が使われます。
それでは「ボディ・コンディション・スコア」による理想体重はどのように求めればよいのでしょうか。
理想体重は、現在の体重を1.15または1.30で割ることによって求められます。
もし猫がやや太めの体重過剰である場合には1.15で、明らかに肥満である場合には1.30で体重を割ります。
体重過剰か肥満かの目安は体脂肪率によって求められ、もし体脂肪率が25パーセントから34パーセントの場合には体重過剰、35パーセント以上の場合は肥満となります。
また、体脂肪率は24パーセント以下の場合には、現在の体重を理想体重と考えればよいでしょう。
2-2一般的なご飯の量の算出方法
猫のエサとして一般的な一日のご飯の量は、体重1キログラムに対して約80キロカロリーと言われています。
つまり、もし体重が4キロの猫の場合、一日に必要なエサは320キロカロリーということになります。
さらに厳密にエサの量を知りたいときには、安静時に必要としているエネルギーの量を算出する方法もあります。
安静時に必要なエネルギーは、体重に0.75を掛けることで求められます。
さらにそこで求めた結果に別の数値を掛け合わせますが、ポイントは猫の成長の状態によって数値が異なるということ。
肥満傾向の猫の場合、体重×0.75×1.0、成長期の猫の場合、体重×0.75×2.5、妊娠期の猫の場合、体重×0.75×2.0など、猫の成長の状態によって必要なカロリーを求め、それを元にご飯の量を計算するとよいでしょう。
03猫のご飯を適量与える方法
3-1ご飯の回数
成猫の場合、食事は一日に二回、朝と夜に与えるのが一般的。一日一食にすると空腹がひどくなり、食事のときに大量に食べて後で嘔吐してしまう原因になります。
ただし、生後3ヶ月までは1日5~6回程度に分けること。この時期の子どもはまだまだ内臓が未発達なので、一度にたくさん食べると胃腸に負担がかかってしまいます。
もし生後3ヶ月以上の子猫なら、1日2~3回程度でOK・ただし、猫の内臓に負担を掛けないようにするためにも可能なら5~6回に分けるとよいでしょう。
自分のペースで食べたいという猫の場合には、容器に一定量のエサを入れておくという方法もあります。
3-2ご飯の内容
どのようなエサを与えるべきかということは、猫の年齢やライフステージによって異なります。
子どもの頃には、発育に必要な栄養価の高いエサを与えましょう。
ある程度成長した後は、健康維持のためにバランスのよい食事が必要。その後、高齢期に入ると、食べやすさを考慮して程度な量を与えます。
また、妊娠していたり授乳していたりという場合には通常よりもはるかに多くのエネルギーが必要になります。
さらに猫には食べさせてはいけないものもあります。
たとえばタマネギやニラなど刺激の強い食品。これらの食品に含まれる成分は猫の赤血球を破壊してしまうため、食べると身体を壊してしまいます。
また、塩分の摂取にも注意が必要。もともと猫は塩分の排出が苦手なので塩分を取りすぎると心臓や腎臓にダメージを与えます。
特に注意が必要になるのが、人間が食べている食事。人間の食事は猫にとっては塩分が高すぎるだけでなく、ネギ類など猫にとって危険なものが含まれている可能性があるので注意しましょう。
その他、生魚やイカ・タコなどは消化しにくく、下痢や嘔吐の原因になることがあります。さらに甲殻類に含まれる成分は体内でビタミンBを破壊してしまう可能性も。
猫と言えば魚介類が好きというイメージがありますが、もしエサとして与えるときには加熱したものがよいでしょう。
04猫にご飯を与える時の注意点
4-1ご飯を変える場合は徐々に慣らしていく
もしも猫が成長して、そろそろエサの内容を変えたほうがいいというときでも、急にエサの内容をすべて新しいものにするのは危険です。猫にとって急激な変化は苦手なもののひとつ。猫が変化に驚いてエサをまったく食べなくなってしまうことがあります。ご飯を変える場合には、前に食べていたものに少しずつ新しいエサを加えるようにしましょう。
4-2「ボディ・コンディション・スコア」を参考に回数や量の調整を
猫の理想体重や消費カロリーには「ボディ・コンディション・スコア」などの目安になる数値があります。もし内容に迷ったらこれらの数値を参考にするとよいでしょう。
ただし、猫はそれぞれ個性が大きく異なるもの。回数や量などは、普段の猫の様子を見ながら決めるのが一番です。
05まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
ホテルエステサロン勤務後、三宮・北野でプライベートサロンを開業して16年。
幼少期から動物と共に暮らしてきたことから、念願の動物のお仕事もスタート。
猫さんがストレスなく過ごせる猫専門ホテルを2023年神戸にOPEN。猫専門のペットシッター「ねこもり」としても活動中。
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